応用化学ってどんな学問?
世の中にはたくさんの学問があります。どんな内容で、何を学んでいくのか知っておくことは、自分の興味や関心の方向性を探れることはもちろん、進路を決めるために、大いに役立つでしょう。今回は「応用化学」を取りあげます。
応用化学とは?
工学系統の「応用化学」は、基礎理論の研究が中心の「化学」とは異なり、人間の生活を豊かにする新しい物質の研究・開発を行います。たとえば、化学物質による環境汚染を防ぐ研究や、再利用可能な物質の開発など、私たちの暮らしに深くかかわる応用化学は、今後ますます注目される分野です。
応用化学ではどんなことを勉強する?
応用化学の研究で第一に考えるのは、「実用化が可能かどうか」ということです。しかし、それだけでは不十分であり、開発する物質が社会にとって有用かつ安全であることが求められます。たとえば「フロンガス」は、オゾン層の破壊というマイナス面があるため、環境対策が叫ばれる現代において研究対象にはなりません。新しい物質の開発では、このようなマイナス面の克服をめざします。
ほとんどの場合は工学部に設置された学科で学びますが、大学によっては理工学部、基礎工学部、生産工学部に学科を設けているところもあります。学科名には応用自然科学科、物質工学科など、「化学」がつかない名称も多いので、研究内容をしっかりチェックしておきましょう。
応用化学の講義はどのように設定されているか
基礎科目として有機化学、無機化学、物理化学、分析化学などが設定されています。専門科目は細分化されており、無機合成化学、高分子化学、生物化学、機器分析学などの科目を学ぶことになります。
応用化学においては、実験が非常に重視されます。有機化学実験、物理化学実験、分析化学実験などは、ほとんどの大学で必修科目となっています。実験施設が充実しているかどうか、自分の研究したいテーマが扱われているかどうかが、大学選びのポイントとなります。
応用化学を学んだ人々の卒業後の進路
理系の学生に対しては、企業が大学院修士課程修了者を求める傾向にあるため、卒業後は大学院に進学する人が多いようです。大学院へ進学しない場合の就職状況は、製薬、電気、医療などの分野で研究職や技術職に就くのが一般的な進路です。
参考:
応用化学 │ 学問・大学情報 | Benesse マナビジョン
http://manabi.benesse.ne.jp/shokugaku/learning/system/056/index.html