高校生がアルバイトをしたいと言い出したとき、保護者が気にすべきことは?

高校生になると友人との交際費や趣味にかけるお金、部活の用具代など、中学時代と比べて何かと出費がかさみます。高校生活に慣れてくると「アルバイトをしたい」と言い出すお子さまもいるのではないでしょうか。今回は、高校生がアルバイトを希望したときに、保護者として気にしておきたい点を考えてみます。

まず「アルバイトが校則違反にならないか」を確認しましょう

保護者として、まず気にかけたいのは、「高校がアルバイトを禁止していないかどうか」です。校則でアルバイトを禁止している高校もありますし、事前に許可を得た場合のみ、アルバイトを認めている高校もあります。校則に違反した場合、当然、停学などの処分が課されますから、お子さまが通っている高校がアルバイトを認めているかどうかを、最初に確認しておきましょう。
高校でアルバイトを認めている場合、次はご家庭内で「アルバイトを認めるかどうか」を教育方針として検討しましょう。

アルバイトを認める場合、本人と事前にルールを決めておくことが大切

高校生がアルバイトを始めるときに、保護者として気にかかるのは「勉強に支障がでないか」「夜遊びにつながらないか」「帰りが遅くなることで、トラブルに巻き込まれないか」などでしょう。そこで、お子さまがアルバイトを始める前に、これらのことについて、本人とルールを決めておきましょう。例えば、「部活とアルバイトは両立する」「アルバイトをしても勉強時間はきちんと確保する」「成績が落ちたらアルバイトはやめる」「アルバイトのシフトと帰宅時間をあらかじめ親に伝え、門限は守る」など、本人と話し合って約束します。約束事を作ることで、働いてお金をもらこと・社会の中で働くことの自覚や責任感も促しましょう。

シフトに関するトラブルが多い。事前に契約書の確認を

次に、高校生がアルバイトをする際、どのようなトラブルが考えられるかを見てみましょう。
厚生労働省が2016年に実施した「高校生へのアルバイトに関する意識等調査」によると、アルバイトの経験がある高校生は、アンケートに答えた4,016人中1,854人(約46%)。アルバイト中のトラブルとしては、「採用時に合意した以上のシフトを入れられた」(11.2%)が最も高く、次いで「採用時に合意した仕事以外の仕事をさせられた」(8.8%)「一方的に勤務シフトの変更を命じられた」(7.0%)という内容が上位にあがっています。調査の結果を見る限り、シフトに関するトラブルが多く発生しているようです。
未成年者がアルバイトをする際は、必ず親の合意を得る必要があります。雇い主は労働条件を明らかにする義務があり、特に「労働期間」「労働内容」「休憩や休日」「賃金」などは書面で通知すべき内容と定められています。お子さまがアルバイトを始めるときは、契約書を必ずチェックして、不明点は事前に確認しましょう。最初に決めた以外の仕事やシフトを強制された場合、契約と異なることを指摘し、トラブルを回避する必要があります。

高校時代のアルバイトの経験は、社会人としての準備にもつながり、将来の仕事観を育む良い機会とも言えますが、高校生・未成年でもあるので保護者のかたも任せきりではなく、時々様子を聞くなどしてしっかり見守ることが大切ですね。

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