自分に自信がない子[教えて!親野先生]
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1年生の長女が、何かにつけ自分に自信がないようです。「○○やってみよう」と誘っても「できないかも」「どうせうまくいかない」などと答えます。やってみると、けっこうできたりするのですが……。特に、やったことのないことを初めてやるときは顕著です。1つ下の妹がその反対に自信満々なのでよけいに目立ちます。(はなかご さん:小学1年生 女子)
親野先生からのアドバイス
はなかごさん、拝読いたしました。
このような場合、親はつい「何でもやってみなきゃわからないでしょ。はじめからできないって決めてたら、できるわけないでしょ」などと言いたくなります。
あるいは、次のような言葉が出るかもしれません。
「なんでそんなに自信がないの? もっと自信を持たなきゃダメでしょ」
「そんなにやる気がなくてどうするの? イヤならやらなくていい!」
「あんたは臆病で恐がりだね。そんなことじゃ、何やってもできるようにならないよ」
「そんなことでどうするの? 妹を見てごらん。新しいこともどんどんチャレンジしてがんばっているでしょ。あなたも見習いなさい」
このような言葉はすべて逆効果です。親はイライラを吐き出して一瞬すっきりするかもしれませんが、子どもには大きなダメージが残ります。
子どもの心の中には、「自分は臆病で恐がりで、自信がなくてやる気がない子なんだ。ダメな子なんだ」という思いが残ります。すると、否定的な自己イメージができ上がってしまい、ますます自信がなくなってしまいます。ですから、このような否定的な言葉は絶対に子どもにぶつけないでください。
そもそも、なぜこのような言葉が出るのでしょうか? もしかしたら、既にたくさん叱られ過ぎてしまい、自分に自信が持てなくなってしまったのかもしれません。あるいは、持って生まれた資質ということかもしれません。人間は誰しも、生まれ持ったものがありますので。
特に親にたくさん叱られたというわけでなくても、生まれつき慎重な性格であるとか、用心深くて心配性であるとか、マイナス思考であるとかの理由で、こういう言葉が多くなっているのかもしれません。または、何でもうまくやりたいという完璧主義的な気持ちが強いのかもしれません。あるいは、自分の不安や緊張を解放するために、つまり一種のストレス発散として言っているのかもしれません。いずれにしても、子どもがこういうことを言ったとき、頭から否定しないでください。まずは、本人の気持ちを受け入れて、共感的に聞いてあげることが大切です。「心配になるよね」とか「初めてだと不安だよね」などです。
すると、子どもは自分がどんなに不安な気持ちでいるかを親がわかってくれたと感じることができます。それによって、気持ちが軽くなります。
もし子どもを励ましたりアドバイスしたりするとしたら、共感のあとにしたほうがよいと思います。つまり、子どもの不安な気持ちにたっぷり共感してから、そのあとで「大丈夫。○○ちゃんなら、できるよ」「前に□□するときもできたんだから。きっとうまくいくよ」「これはこうするとうまくいくよ」というように言って、背中を押してあげましょう。
共感がないところでいきなり励ましたりアドバイスしたりすると、子どもが受け入れてくれないことがあります。つまり、「ママはこれがどれだけ大変なことかわかっていないんだ」「パパは私がどれだけ不安かわかっていないんだ」と感じてしまって、励ましもアドバイスも受け入れられないのです。
さて、もうひとつ大事なことは、日頃から自分に自信を持てるようにしてあげることです。そのためには、「また片づけしていない」「またお手伝いしていない」「なんでちゃんとやらないの」「しっかりやらなきゃダメでしょ」などの否定的な言葉を子どもにぶつけないようにしてください。
その反対に、できるだけ肯定的な言葉をつかうようにしましょう。ほめられるところを意識的に見つけ出して、たくさんほめてあげてください。特に大事なのは、本人が好きなことや得意なことをほめてあげることです。さらに、口でほめるだけでなく、それをもっと深められるように応援してあげましょう。
そうすれば、子どもは「これは自信がある。これなら誰にも負けない」と思えるものを持てるようになります。
こういうことがとても大切です。
自分に自信がついてくれば、何かにつけ「できそう」と思えて、チャレンジの意欲がわいてくるようになります。
私ができる範囲で、精いっぱい提案させていただきました。
少しでもご参考になれば幸いです。
皆さんに幸多かれとお祈り申し上げます。
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