担任が宿題を出しません、中学生になったときの差が心配です[教えて!親野先生]

今週の相談

 

担任の先生は、あと数年で定年退職されるベテランの先生ですが、決まった宿題を出しません。宿題は自主性に任せて、用紙だけ用意して出すのは本人の自由に任されています。やる子はやっているのでしょうが、うちの子は月水金に出すと言いながらもやっていません。親がいくら言ってもめったにやらないのです。面談などで先生にお願いした方もいたようですが、先生はこの方針を変えるつもりはないようです。お友達のお母さんも「○付けは親がするから普通に宿題出してほしいよね」と言っています。おそらく来年も持ち上がりで担任になると思うのですが、何か良い解決策はあるでしょうか。家庭学習を定着させるために、塾に通わないと中学校になったときに差が出てきそうで心配です。(じゅげむ)

 

【親野先生のアドバイス】

じゅげむさん、拝読いたしました。

「あと数年で定年退職」ということは、50代後半ということですね。どのような先生かわかりませんが、30年以上の教職経験のある方だと思います。もしかしたら、その先生にはそれなりの理由や考えがあって、そうしているのかもしれません。できたら、それを聞いてみるといいですね。何か、深い意味があるのかもしれません。

宿題に関する労力や時間を惜しんでのことかもしれません。というのも、宿題を出すのは、結構大変なことだからです。宿題を用意するのも手間ですが、それ以上に大変なのは、誰がやってきて誰がやってきていないかを調べたり、やってこない子にやらせたりすることです。宿題を出した以上は、全員にやらせる必要があるのですが、これがなかなか大変なことです。ほとんどの子はしっかりやってきますが、なかには何度言ってもやってこない子がいますから。

毎日宿題を出して毎日チェックして、やってこない子にきちんとやらせて……というのは、実はかなりの労力なのです。これに時間がかかりすぎると、教材研究やプリント作成などの授業準備の時間が取れなくなってしまいます。そのため、宿題に関する時間を惜しんで、その分授業準備に時間をかけて、肝心な授業を充実させたいという考えの先生も結構います。

または、家庭学習は家庭の判断と責任でやるべきだという考えかもしれません。今までのように、何でもかんでも学校にお任せという時代は終わりつつあります。宿題に関する考え方もその流れの中で、だんだん変わってきています。

実際、親によっては、学校からの宿題など出さないでほしいという親もいるのです。また、出してほしい宿題の量についても、親によってかなり違います。このようないろいろな親がクラスのなかに混在しているのです。そして、その混在の仕方は学校がある地域の特性によってもかなり違っているようです。地域によってはたくさんの宿題を望む親が多いところもありますし、そうでないところもあります。

このように、宿題の出し方ひとつとっても、なかなか難しいというのが実状です。

「おそらく来年も持ち上がりで担任になると思うのですが、何か良い解決策はあるでしょうか。家庭学習を定着させるために、塾に通わないと中学校になったときが差が出てきそうで心配です」

いろいろ選択肢があると思います。

1.親が問題を作ってやらせる
2.親が問題集などの教材を買ってやらせる
3.塾に行かせる
4.通信制の教材をやせる
5.家庭教師をつける
6.楽勉で力をつける

子どもが低学年でしたら、1の「親が問題を作ってやらせる」のも効果的です。私のクラスでも、自主勉強という形で何人かこれをやっていて、大きな成果を出しています。お父さんやお母さんがノートに書いてくれた問題を、母問(ハハモン)父問(チチモン)などと呼んで、喜んでやってきます。

2の「問題集などの教材を買ってやらせる」ときの成功のコツは、その教材の選び方にあります。できるだけ問題が少なくて、簡単で、カラフルで、見ているだけで楽しくなるようなもので、薄いものから始めることです。これなら、1冊を最後までやりこなすことができるからです。

3の「塾に行かせる」ときの注意点は、子どもに合った塾を選ぶことです。大まかにわけても、塾には集団指導のところと少人数または個別のところがあります。子どもの性格と能力によってどういう形の指導がいいかを考えることが必要です。

4の「通信制の教材をやらせる」ときの注意点も、同じく、子どもに合ったものを選ぶことです。それと、この場合は、親が毎日ほめ続けることがとても大切です。今はいい教材を毎月送ってくれるところがありますので、活用次第では大きな成果を出すことができると思います。

5の「家庭教師をつける」は、家庭教師の質と子どもとの相性がすべてを決めます。これがうまくいけば、大きな成果が期待できると思います。

6の「楽勉で力をつける」は、最後に書きましたが、私の一押しです。楽勉とは、「生活や遊びのなかで楽しく遊びながら勉強すること」というのが私の定義です。たとえば、学習漫画、学習ジグソーパズル、カルタ、トイレに地図を貼るなどなどです。詳しくは、私のメルマガや著書をお読みください。これは、一見遠回りのようですが、実は一番の近道なのです。

私ができる範囲で、せいいっぱい提案させていただきました。少しでもご参考になれば幸いです。じゅげむ親子に幸多かれとお祈り申し上げます。

プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。

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