イヤイヤ期ってどうしてる? 理由と対処法を知って親子で一緒に乗り切ろう

子どものイヤイヤ期は大変ですよね。ストレスが溜まったり、親の方が泣きたくなったりすることもあります。誰もが通る道とはいえ、出口の見えない日々を過ごすのはツラいでしょう。そこで今回は、イヤイヤ期がある理由と、さまざまな対処法をご紹介します。どのような気持ちで向き合っていけば親子ともに楽になるのか、一緒に考えてみましょう。

この記事のポイント

子どものイヤイヤ期ってなぜあるの?

そもそも、イヤイヤ期はなぜあるのでしょうか。その理由と意味を知ると、「なぜ?」と思う子どもの行動にもちょっと納得できるかもしれません。

自分の意思・気持ちに気付いた成長の証

イヤイヤ期は、大人の言うことに対して、なんでも「イヤ!」「自分で!」と反抗ばかりします。「わがままばかりで赤ちゃんに戻ったみたい」と感じるかたもいるかもしれません。しかし、実はその逆。イヤイヤが言えるようになったというのは、成長の証なのです。

これまでは、素直に大人の指示や促しを聞いていたお子さまですが、成長とともに少しずつ自分の意思に気付きます。これが、自我の芽生え。「自分のやりたいようにしてみたい」「自分の意思で決めたことをしたい」と思って主張できるのは、心が育ってきた証拠なのですね。

イヤイヤ期は自立への第一歩

イヤイヤ期には、自分の意思を思い切り主張します。これは、自分の意見や自分の考えで行動するための「自立心」へとつながる第一歩。イヤイヤ期はその準備段階であり、自立をするための練習をしている時期なのです。

わがままで自分勝手に感じるイヤイヤ期は、大人にとって面倒に感じる時期でもあります。しかし、大人になるための「練習」の段階だと思えば、うまくいかなくて当然だと理解できるでしょう。大人も経験してきたイヤイヤ期。子どもの成長過程における大切なステップとして、人生の先輩である保護者のかたが上手にサポートしてあげてほしいのです。

イヤイヤ期はいつからいつまで?

2歳前後に始まり3~4歳頃まで続く

イヤイヤ期が始まるのは、早い子どもで1歳半くらい。多くの子どもが2歳前後にピークを迎えるといわれています。「魔の2歳児」という言葉は、ここから来ているのです。そして、イヤイヤ期は3~4歳頃まで続きます。言葉が上手になって自制心が育ってくると、自然となくなってくるようです。

個人差が大きいイヤイヤ期

ご紹介した年齢は、あくまで目安。イヤイヤ期は、体の成長と同じで個人差が大きいものです。5歳くらいまで続く子ども、半年くらいで終わる子ども、なかには「イヤイヤ期はなかった」という子どももいます。

子どもの性格、環境、保護者のかたのとらえ方など、さまざまな要因でイヤイヤ期の時期は違ってきます。短ければ良くて、長ければ悪いというわけではありません。時期にとらわれ過ぎず、今ある子どもの姿に向き合っていくことが大切なのです。

イヤイヤ期は子どもが大きく成長する時期

イヤイヤ期は、成長した証でもあり、成長する時期でもあります。具体的にどんな成長が見られるのでしょうか。

イヤイヤ期には脳も発達している

小さな子どもは、脳が未発達です。イヤイヤ期には自分の気持ちを表現できるようになりますが、まだ伝える力は不十分で、自分を制御する力も育っていません。そのため、「イヤ」というシンプルな言葉を使ったり、泣いたりかんしゃくを起こしたりすることでしか、自分の気持ちを主張することができないのです。

しかし、イヤイヤ期を経ることでさまざまな経験ができます。本能に任せるだけではなく、ルールを守ったり、周囲の人の気持ちを考えたりして行動できるようになっていくのです。これは、脳も発達し、自制心が身に付いてきた証拠。大人に自制心があるのも、イヤイヤ期を乗り越えてきたからともいえます。

自己肯定感が高まり、思いやりの気持ちが育つ

子どもの「イヤイヤ」は、親を困らせたいわけではありません。自分の気持ちを素直に表現しているだけです。そして、この時期に保護者のかたが向き合ってあげることで、子どもの自己肯定感が高まります。

気持ちを受け止めてもらえると、子どもは「自分のことをわかってくれた」と安心できます。気持ちをうまく理解できなくても大丈夫。理解しようと必死に考えて向き合ってくれた姿を見て、子どもは「ママ・パパは自分を見てくれる」と思えるからです。効果が見えなくても、保護者のかたの気持ちはきちんと伝わっています。

また、自分にしてくれたことは他の人にもできるようになるでしょう。保護者のかたがお子さまの気持ちに寄り添っていくことで、思いやりの気持ちが育まれるのです。

自己主張を受け止めることで自立につながる

イヤイヤ期は、子どもがこれから自立していくための第一歩です。自己主張を受け止めてあげることで、その手助けをしてあげましょう。

気持ちを受け止めてもらえると、自分の意見を素直に言えるようになります。しかし、怒ったり、「できもしないのに……」と子どもを押さえつけたりしてしまえば、子どもの気持ちを否定することに。その結果、自分で物事が決められなくなったり、困ったときに助けを求められなくなったりします。これでは、自立から遠ざかってしまいますよね。

もちろん、イライラして冷静になれないこともあるでしょう。ただ、イヤイヤ期にはなるべく意識して「こういう気持ちなんだね」と子どもの気持ちを受け止めてあげたいですね。ただし、「気持ちを受け止める」と「わがまま放題にする」のは違います。気持ちを受け止めながら、無理なことやルールはきちんと伝えていきましょう。主語を「わたし」にするアイメッセージを意識していくと、子どもの気持ちを否定せずに話ができます。

どんなイヤイヤなのかを見極めた対応を

イヤイヤ期の行動はさまざま。子どもがどうしたいのか見極め、そのときにあった対応をすることが大切です。譲れないポイントを押さえ、ブレない対応をしていけるように「我が家ルール」を考えていきましょう。また子どもは、大人の態度や言動をしっかり観察しています。「どこまで許されるのか?」「ママ・パパは私のことが本当に好きなのか?」といったことを確かめたくて行動している場合も。それも含めて、どのようなイヤイヤ期の姿があるのか見てみましょう。

本当はできるのにやらないとき

習慣付いていたことを嫌がったり、「ママがやって!」「やりたくない!行かない!」とかんしゃくを起こしたりするのはイヤイヤ期の代表的な姿です。今までうまくいっていたトイレトレーニングが止まってしまったり、好き嫌いが急に増えたりすることもあります。

この場合は、なるべくお子さまの気持ちを受け止め、やりたいようにやらせてあげましょう。ただ、忙しいなかですべてを受け止めるのは難しいかもしれません。そんなときは、「ママはこれをやるから、〇〇ちゃんはこれやってくれるかな?」と交渉をしてみるのがおすすめ。選択肢を提示して、子どもに決定権を与えてあげるとスムーズにいくことが多いです。

食事やお風呂、睡眠時間など決まったことをしたがらないで逃げる・ぐずるとき

食事の時間にいつまでも席につかない、お風呂に入りたがらない、眠る時間になっても眠りたがらない、着替えをしない……。このように、イヤイヤ期には生活の流れがスムーズにいかなくなることも多くなります。

この時期には、見通しが持てるように少し先の予定を前もって伝えてあげるのがおすすめ。心の準備ができるため、イヤイヤも出にくくなります。

また、食事などはしっかりルールを決めると良いでしょう。「時計の針が5になったらご飯はおしまいね」「席を立ったらごちそうさまだよ」と、食事の前に伝えておきます。そのうえで、ルールが守れなかったときは食事を終わりにしましょう。子どもが泣いたり怒ったりしても、保護者のかたがルールを守ることが大切です。

ルールやマナーは、これから先守らなければならない場面がたくさん出てきます。子どもの気持ちは受け止めながらも、「イヤイヤはすべて通るわけではない」と、毅然とした態度で伝えることも必要です。

わざといたずらをして大人を試しているとき

コップを倒して飲み物をこぼす、わざとお漏らしをするといった行動で、大人の反応を試すこともあります。イヤイヤ期の行動とは少し違いますが、この時期に多い子どもの姿です。

このとき子どもは、叱ってもらうことで自分に注目を向けたり、大人の過剰な反応を楽しんだりしていることが多いです。つまり、こういった行動に対しては、冷静に対処することが大切。「コップは倒れないように持てるかな?」「おしっこはどこでするんだっけ?」と質問して、子どもが自ら正しい行動ができるように促してみましょう。「それはママが困ります」と毅然とした態度を見せるのも良いですね。叱ったり大騒ぎしたりするのは逆効果です。

それと合わせて、別の場面でスキンシップを増やしていきましょう。「いたずらをしなくても、ちゃんとあなたのことを見ているよ」と伝われば、大人を試す行動は減っていきます。

頭ごなしに叱らず自立したい気持ちに寄り添って

イヤイヤ期は「悪いもの」ではなく「成長している」と考えて

イヤイヤ期には、保護者のかたも心の余裕がなくなり、ついカッとなって怒ってしまうこともあります。それでも、「いい加減にしてよ」「もう大嫌い!」といった、子どもの心を傷つける救いのない言葉は避けたいですね。もし怒ってしまったときは、素直に謝りましょう。

存在を否定する言葉は、子どもの気持ちを押さえつけてしまいます。それが原因で自己主張ができなくなり、大人の顔色をうかがうようになってしまうことも。大人の言うことを聞く一見素直な子どもに見えても、自立できていなければ将来苦労することになります。イヤイヤ期を悪者にせず、成長するために必要なものとして、上手に向き合っていきたいですね。

保護者も上手にリフレッシュして

イヤイヤ期は必要な成長過程であり、丁寧に向き合わなければいけない……。そうはわかっていても、現実はうまくいかないことも多いでしょう。たった数年でも、毎日イヤイヤ期の子どもと向き合っていくのは大変です。

ですから、保護者のかたも上手にストレスを解消していってください。一時預かりをお願いしたり家族と協力したりして、子育てから離れる時間を作ることも大切です。気持ちや時間の余裕がなければ、イヤイヤ期の子どもともうまく向き合えません。自分自身の感情もしっかり受け止め、休んだりリフレッシュしたりしてください。

まとめ & 実践 TIPS

イヤイヤ期は、1つ大きくなるためのステップです。「まだ子どもだから」「どうせできないくせに」と無下にせず、子どもを1人の人間として尊重してあげることで、自立の手助けをしてあげましょう。そうすれば、保護者のかたの愛情を確かに感じられ、自己肯定感も自然に育っていくはずです。

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