《片付けが苦手な子》どうしたらできるようになる?【親野先生アドバイス】

何度言っても片付けられない、一度きれいにしてもいつの間にか散らかっている、いつも探し物をしていて時間がもったいないなどの、片付けにまつわる悩み。結局親が片付けてしまうけれど、自分で整理整頓できるようになってほしい。そんな願いに、教育評論家の親野智可等先生から片付けが苦手な子のための環境づくりや働きかけのアドバイスをいただきました。

この記事のポイント

まず目の前から物を減らすこと

片付けの得意、不得意は同じ環境で育ったきょうだいでもまるで違います。個性による部分が大きいのでしつけが悪かったと考えて悩む必要はありませんが、部屋が乱雑に散らかっていると忘れ物をしたり、探し物で時間がとられたり、困ることもありますね。

苦手な子には、「片付けなさい」という指示よりも合理的な環境の工夫と子どもに寄り添った働きかけが必要です。その第一歩が「物を減らす」こと。物が少ないほど片付けの負担も軽くなります。
片付けが苦手な子は、物を分別することがそもそも苦手。結果的に物が増えて、さらに散らかるという悪循環に。ですから保護者のかたのサポートが欠かせません。

物を減らすときのポイントは、その場所で、今使う物を限定すること。古い教科書は別の場所にしまって机には今使っている教科書だけ、など「ふだん出し入れする物に絞って残す。それ以外は目の前からなくす」ようにしましょう。

その場からなくなればいいので、捨てるかどうかにはこだわらなくてかまいません。片付けをきっかけに「あ、この本また読もう」「あ、こんなおもちゃあったんだ!」と、物への愛着が再燃することもあり、その場で判断しようとすると時間がいくらあっても足りなくなってしまいます。

環境づくりの前後には写真をとっておくのもおすすめです。ビフォーアフターの写真を貼っておくと、こんなに変わったという達成感を味わえますし、片付ければすっきりし、放置すれば散らかるというイメージトレーニングにもなりますよ。

片付け習慣をつくる環境の工夫

置き場所を決めるときは、子どもの持ち物や生活の動線に合わせた仕分けを考えましょう。しょっちゅう出し入れする物は、なるべく使う場所から動かずに、手を伸ばして入れるだけのワンアクション収納に。移動して、引き出しを開けて、箱を開けて…と、アクションの数が増えるほど片付けのハードルが上がります。

たとえばリビングで勉強するなら、必要な文房具を箱にセットしておけば移動も一回で済み、片付けるときも箱に戻して決まった置き場所に返すだけ。衣類を脱ぎ散らかしてしまうなら、放置しそうな場所に先回りして箱を置いておくのも効果的です。

パッとしまう場所がわかるよう、中の見えない収納ボックスや引き出しにはラベルを貼って。写真を貼ると、よりイメージしやすいですね。棚などのオープン収納でも、ラベルが貼ってあると、他の物は置きにくくなります。

決めた場所になかなか戻せないときは、大きなグループにまとめてみるといいかもしれません。仕分けが細かいとその分戻すときの手間が増えるので、「おもちゃは全部ここ」などざっくりしたスペースを作ったり、笛や絵の具セットなど学校で使う物は1箇所にまとめておいたりするのもわかりやすいですね。

一方で、細かい文房具は、よく使う物とたまに使う物で分けたり、学校用と家庭用で分けたりと、少し細かく場所を分けたほうが見つけやすく、出し入れがスムーズになる場合もあります。
子どもの個性や生活、物によっても片付けやすい方法は変わります。いろいろ試しながら子どもと物に合った方法を見つけていきましょう。

子どもを変えようとしすぎないことも大切

環境を整えても、片付け習慣はすぐには身に付かないもの。「出したらしまう」が基本ですが、好奇心が旺盛な子は片付けよりも次のことに気が向いて忘れがちです。
物が溢れるとそれだけ片付けに時間がかかり、おっくうに。とはいえ、いちいち楽しみを中断して片付けさせるのも落ち着きません。

そんなときは、たった1分でよいので毎日の片付けタイムをつくりましょう。ごはんの前、勉強を始める前などタイミングを決めて、保護者のかたと一緒にササッと片付けます。
これを続けることで、片付いている状態が落ち着くし、楽だと体感していきます。長い目で見て自分で物を管理する力を付けていくことが大切なので、それまではサポートを。

保護者のかたが楽しく片付ける姿や手順を見せると、子どもの学びになるモデリング効果が期待できます。ただし、叱ったり嫌味を言ったりしながら片付けるのは、いけません。子どもが「どうせ自分にはできない」と自信をなくしてしまいますし、保護者のかたの言葉を否定的に聞くようになってしまうからです。

もうひとつ、子どもの物を勝手に捨てないようにしてください。物は自我と結びついているので、勝手に捨てられると自我を侵害されたと感じて不信感を抱いてしまいます。捨てる、捨てないは子どもに選ばせるくせを付けましょう。

さて、片付けられないことはネガティブに受け止められがちですが、雑然とした環境のほうがアイディアがわきやすく、整理整頓が苦手な人にはクリエイティブな人が多いといった説もあります。

実際に、片付けが苦手な子には発想が豊かな子が多いと感じることもあります。子どもがのびのびと個性を伸ばしていくには、大人が「いつもきれいでなければいけない」とこだわりすぎないことも必要なのかもしれません。

まとめ & 実践 TIPS

まずは「物を減らす」、動線を意識しながら「置き場所を決める」、アクションを減らして「わかりやすくする」ことで片付けやすい環境に。
片付けが苦手な子は、物を減らしたり仕分けたりすることも苦手なので、保護者のかたがサポートしてあげてください。
保護者のかたが、楽しく片付ける姿や片付けの手順を見せることで、お子さまの片付ける力も少しずつ育っていくでしょう。

プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。長年の教師経験をもとに勉強法や家庭教育について具体的に提案。
Twitter、Instagram、オンラインサロン「やすらぎの子育て・教育オンラインサロン」、YouTube「YouTube親力チャンネル」、Blog「親力講座」などで発信中。全国各地の教育講演会でも大人気。詳細は「親力」で検索

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