子どもが発達障害?通常学級か特別支援学級・特別支援学校か迷います[教えて!親野先生]

  • 病気

教育評論家の親野智可等先生が、保護者からの質問にお答えします。
今回は、小2男子のお子さまのコミュニケーションや行動について、気になる点があるという保護者のかたからの質問です。

質問

小2の息子は、計算ができない、話が通じない、友達とのコミュニケーションや集団行動が苦手、こだわりが強い、団地の階段でパニックになるなど、気になる点が多いです。発達障害?専門家にみてもらうべき?通常学級か特別支援学級・学校か?など、迷うことばかりです。(小2 男子 ハンズ さん)

親野智可等先生からの回答

拝読しました。
親としては気になるところですね。
結論を申し上げると、早めに専門家にみてもらう方がよいと思います。

専門家といってもいろいろありますが、診断ができるのは医師だけです。
例えば、小児科、精神科、児童精神科、心療内科、小児神経科などです。

ネット検索すれば、地域のそういった医療機関が見つかります。
あるいは、都道府県や市区町村などの自治体に問い合わせれば、地域の該当医療機関の一覧表を用意しているところもけっこうあります。

この他にも、診断はしなくても専門的な見地から相談に乗ってくる機関はいろいろあります。
例えば、各市町村の保健センター、児童相談所、子育て支援センター、発達障害者支援センターなどです。
あるいは、民間の会社やNPO法人でおこなっているところもあります。

人によっては、こういったところの方が医療機関より気楽に行けるということはあるかも知れません。
できたら複数の専門家にみてもらうといいでしょう。

いずれにしても、素人が一人で抱え込んであれこれ悩んでいても悩みが深まるだけです。
ネットで調べるのもいいですが、しょせんは素人であり、「生兵法は大怪我のもと」という諺の通りになっている例が多いようです。

その間にも、子どもは、生活や勉強がうまくいかない、友達とのトラブルが頻発する、先生に叱られるなどで苦しい時間が続きます。
そういう苦しい生活の中で、発達障害に加えて自己否定感、他者信頼感、不安症、鬱病などの二次障害が出てくることもあります。

専門家は、当然のことながら専門的な勉強をしており、日々いろいろな子どもをみています。
ですから、素人とはレベルが違います。
子どもの状態について客観的に教えてもらえますし、アドバイスもしてもらえます。

専門家にみてもらえば進むべき道がわかり、モヤモヤ状態から抜け出せます。
発達障害は親の接し方に問題があったとか、しつけが悪かったなどの問題ではありませんので、それがわかるだけでも親の気持ちが楽になります。

私ができる範囲で、精一杯提案させていただきました。
少しでもご参考になれば幸いです。
みなさんに幸多かれとお祈り申し上げます。

(筆者:親野智可等)

※「親力チャンネル」@YouTube続々アップ中
https://www.youtube.com/channel/UCUc4c_WHLviAYl-CBrCiWpw

※ツイッターで毎日つぶやいています。
https://twitter.com/oyanochikara

プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。

プロフィール

榊原洋一

榊原洋一 (さかきはら・よういち)

医学博士。CRN所長。お茶の水女子大学名誉教授。ベネッセ教育総合研究所常任顧問。日本子ども学会理事長。専門は小児神経学、発達神経学特に注意欠陥多動性障害、アスペルガー症候群などの発達障害の臨床と脳科学。趣味は登山、音楽鑑賞、二男一女の父。

主な著書:「オムツをしたサル」(講談社)、「集中できない子どもたち」(小学館)、「多動性障害児」(講談社+α新書)、「アスペルガー症候群と学習障害」(講談社+α新書)、「ADHDの医学」(学研)、「はじめて出会う 育児の百科」(小学館)、「Dr.サカキハラのADHDの医学」(学研)、「子どもの脳の発達 臨界期・敏感期」(講談社+α新書)など。

  • 病気

子育て・教育Q&A