「きょうだいの中で誰が一番好き?」と聞いてくる子 どう答えればよい?[教えて!親野先生]

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きょうだいを育てていると「ぼくと妹のどっちが好き?」といった質問を子どもから投げかけられることもあるかもしれません。比べるような問いかけに、思わず困ってしまうこともあるでしょう。子どもがこのような問いかけをするのはなぜなのでしょうか。また、どのように答えればよいのでしょうか。教育評論家の親野智可等先生に伺いました。

【質問】「3人兄弟の中で誰が一番好き?」とたずねる小2次男。何と答えるべき?

男の子が3人います。平等に育てているつもりなのですが、小学2年生の次男が「兄弟の中で誰が一番好き?」とか「ぼくと弟のどっちが好き?」などと聞いてきます。
こういうとき、何と答えればいいでしょうか?「あなたが一番好き」と答えていいものでしょうか?

相談者・竹の子ママ さん (小2 男子)

親野先生からのアドバイス

竹の子ママさん、拝読しました。

子どもがこういう質問をしてくると、親は困りますよね。
そして、その子を安心させるために、つい「あなたが一番好き」とか「あなたの方が好き」などと言いそうになるかも知れません。

でも、私はそういう答え方はしない方がいいと思います。
というのも、その子が後で他の子に「ママはぼくのことが一番好きって言ってた」などと言う可能性もあるからです。

「みんな一番好きだよ」と答えることで、親の愛情は平等と安心させてあげて

もう一つの理由は、そういう答え方は「親の愛情は平等ではない」と言っているのと同じだからです。

それは子どもにとって不安なことです。
もしかしたら、他の子にも同じように言っているかも知れません。
それに、今は自分のことが一番好きでも、いつかその順番が変わるかも知れません。

親の言うことを聞かなかったり、テストの点数が悪かったりすると、その順番が変わるかも知れません。

そういう不安を抱えながら、常に親の愛情の量について自分と他の兄弟を比べながら生活しなければなりません。

そういうことにならないためには、親の愛情は無条件に平等であるということを伝える必要があります。

ですから、「3人ともみんな大好きだよ」「みんな一番好きだよ」「あなたも弟もどっちも大好きだよ」と答えてあげて欲しいと思います。

そうすれば、子どもは親の愛情は平等だとわかりますし、兄弟で奪い合う必要もありません。

子どもは何気ないことからも不安や不平等を感じやすいもの
子どもの視点で振り返ってみて

「平等に育てているつもり」とのことで、これはとても大事なことですね。
というのも、子どもたちは親が平等か否かについては非常に敏感だからです。

子どもという立場は弱いものであり、生きていくための全てにおいて親が頼りです。
その頼るべき親の愛情が偏っていて、自分に注がれる量は少ないようだと感じることは、子どもにとってこれ以上なく不安なものなのです。

ですから、さらにうがった見方をすれば、親は「平等に育てているつもり」でいても、実は子どもはそう感じていないということもあり得ると思います。

親が無意識に発する何気ないひと言や、何気ない態度の中に、子どもが不平等を感じているかも知れないのです。

よくあるのが、「お兄ちゃんでしょ」とか「弟なんだから」などの言葉です。
あるいは、自分の写真が他のきょうだいより少ないとか、自分はあまりほめてもらえないなどという思いです。

または、自分で何でもできて手がかからない子と、やるべきことをやらずに親の手がかかる子がいる場合、前者が実は人知れず寂しさを感じていることもあります。

ですから、竹の子ママさんの次男君がそういう質問をしてくるということは、もしかしたら何らかの理由で親の愛情についての不安を感じている可能性もあると思います。

そこで、次男君がそう感じるような点がないかということを、次男君の視点で今一度振り返ってみてください。

親の愛情を実感できるスペシャルな時間を設けて、不安な気持ちの払拭を

それと同時に、次男君に親の愛情を実感してもらえるスペシャルな時間を贈ってあげるのも効果的です。

例えば、長男は部活の遠征試合に行っている、三男はおばあちゃんの家にお泊まり、などという一日があれば、その日は次男君にたっぷり愛情を注いであげてください。

お母さん、お父さん、次男君の三人だけで遊園地でたっぷり遊ぶ、昼食や夕食に次男君の大好きな食べ物を用意してあげる、次男君が大好きな遊びに付き合ってあげる、気が済むまでハグしてあげる、などです。

親の愛情をたっぷり実感させて、不安な気持ちを払拭してあげてください。

私ができる範囲で、精いっぱい提案させていただきました。
少しでもご参考になれば幸いです。
皆さんに幸多かれとお祈り申し上げます。

プロフィール


親野智可等
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・『子育て365日』(ダイヤモンド社)
・『反抗期まるごと解決BOOK』(日東書院本社)


長年の教師経験をもとに勉強法・家庭教育・親子関係などについて具体的に提案。
Instagram、Threads、X、YouTube「親力チャンネル」、Blog「親力講座」などでも発信中。ドラゴン桜の指南役としても著名。『子育て365日』『親の言葉100』などベストセラー多数。全国各地の教育講演会でも大人気。詳細は「親力」で検索

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