「早くやりなさい!」「どうしてできないの!」子どもの心を動かす言葉に換えるには?【言い換えテクニック高学年編】
- 育児・子育て
「○○しなさい!」「どうしてできないの!」などの言葉は、「こうあるべき」というおうちのかたの期待や理想から発せられる言葉ではないでしょうか。子どものためを思って言っているはずの言葉が、親子のバトルの原因になってしまっては悲しいですね。
前回の【言い換えテクニック低学年編】に引き続き、今回は高学年のお子さま向けに、親子であるがゆえについつい言ってしまう言葉を、「赤ペン」指導の経験から学んだ、子どもの心を動かす言葉にチェンジするコツをご紹介します。
(赤ペン先生 吉田)
NGワードその① 「勉強しなさい!」「早くやりなさい!」
私も、特に上の子には、「○○しなさい!」とよく言ってしまいました。「しなさい!」と頭ごなしに言っても、子どもはやる気にならなければ行動を起こしません。むしろ、命令・強制は子どもの反感を買ってしまい、逆効果でした。
子どもに「やってみようかな」と思わせるには、「やりたくないこと」をおうちのかたと共有するのも一つの方法です。そうすると子どもの気持ちが楽になり、行動を起こせるようになります。
それには、「一緒にやろうよ!」が効果的です。高学年になると、親がべったり横にいると抵抗があるかもしれないので、「お母さんは、こっちで仕事をするから同時に始めよう!」と誘ったり、「こうしたらどうかな?」などと提案するのもよいと思います。また、「○○してくれるとうれしいな。」と気持ちを伝えると、子どもは大好きなおうちのかたに喜んでもらおうとやる気になります。
NGワードその② 「ダメじゃない!」「どうしてできないの!」
「お母さんは、いつもぼくを否定する。ほめてくれない!」と、かつて子どもに言われたことがあります。そんなつもりは全くなかったのですが、振り返ってみると、子どもが何か言ったときの私の第一声は、「そうだね~。」ではなく、「ダメだよ!」が多かったのです。
最初に、「だめ」「どうして」「でも」「だったら」などの否定的な言葉が耳に入ってしまうと、子どもは、「責められている」「否定されている」と感じてしまい、やがては「どうせできない」というネガティブな感情をもつようになってしまいます。
まず「あなたのことを信じているよ!」という気持ちが伝わるようにしましょう。
たとえば、宿題に取りかかる気配が全くなくても、やることを前提とした声かけをします。「やったら見せて!」「今日は何時から始めるの?」「○○ならきっとできるよ!」などと、肯定的な言い方にすると、子どもはまんざらでもない気持ちになり、自分からやり始めることが多くなります。
NGワードその③ 「やりたくないならやらなくていい!」「もう知らないからね!」「勝手にしなさい!」
「売り言葉に買い言葉」ではないですが、ヒートアップしてくると、こういった言葉が出てしまいますよね。子どもは、突き放した言い方をされると「嫌われてしまった」と思って傷ついてしまいます。高学年になると、さらに反抗的になって口を利かないなどの態度をとってしまうこともありますよね。
そんな場面では、「やりたくないんだね。」「そういうときもあるよね。」といったん受け止め、「何か理由があるのかな?」などと、子どもの気持ちを引き出す言い方に換えましょう。子どもも、「なぜやりたくないんだろう。」「どうすればいいんだろう。」と内省することにより、気持ちを切り替えるきっかけがつかめます。
また、「それをすることの意味」を考えさせるのもよいと思います。
たとえば、「勉強は、誰のためにするのかな?」「宿題は何のためにするのかな?」などと問いかけると、そこで冷静になって考えることができます。「自分のためにする」という答えを導き出せたなら、机に向かうようになるでしょう。
まとめ & 実践 TIPS
親の役割はいろいろありますが、子どもが自分で考え、自分で物事を選択していけるような自主性や主体性を育てることもその一つだと思います。
毎日の「言葉」が、子どもの思考を作り上げていきます。親の思うように行動できていなくても、あるがままを受け止めて、否定的な言葉ではなく、肯定的な優しい言葉を使って、お子さまの自己肯定感を高めてあげてください。充分に受け入れられてこそ、子どもは自信をもつことができます。自信をもつことによって、自分の足でしっかり歩けるようになります。
とはいうものの、多忙な毎日の中、子どもの言動に「イラッ」としてしまうことは、誰しもあります。そんなときは、「6秒ルール」に従って、6秒待ってから言葉を発するとよいですよ。心がけるだけでも「言葉」は変わっていきます。
参考:「今やろうと思ったのに!」と言う子どもを自ら勉強に向かわせるための3ステップ|ベネッセ教育情報サイト
これは効く!「早くしないと遅刻するよ」を子どもの心に響くように伝えるには?【言い換えテクニック低学年編】
- 育児・子育て