「うちの子、時間にルーズで遅刻ばかり……」時間どおり行動できるようになるには?
慌ただしい朝の時間帯、「もうこんな時間なのに、何やってるの!?」「もっと早く準備しておきなさい」などの言葉をつい投げかけてしまっていませんか?
集合時間に間に合わず遅刻してしまうことが続くと、このままではお子さまが将来信用されない人になってしまうのではないかなど、心配になりますよね。
時間どおりに行動できるようになるにはどういうサポートをしていけばいいのか、トラストコーチングスクール認定コーチで、3人の子どもの母でもある中原絵里子が一緒に考えたいと思います。
時間の感覚がまだ育っていない場合も
時計の読み方が理解できるようになるのは一般的には5歳から7歳ごろといわれますが、低学年のころはまだ時間感覚が身に付いておらず、今何時何分なのかは理解できても、自分の行動とひも付けて時間を意識した行動をすることが難しいお子さまも多いようです。
また、時間感覚が身に付いていたとしても、今はテレビだけでなく動画やスマホゲームなど、つい気を取られてしまうものが圧倒的に多くなっています。保護者のかた自身も、SNSを見ているうちにいつの間にか時間がたっていた……ということもあるのではないでしょうか。私もしょっちゅうあります(笑)。
自分自身の子どものころより、何かに時間を奪われることなく規則正しく過ごすことが環境的に難しくなっていることは確かです。
時間を守ることの大切さを伝える
とはいえ、時間を守ることは非常に大切です。遅刻することに慣れてしまうと、だんだん提出物の期限も守れなくなるなど、「いつまでに●●する」といった約束にルーズになっていきそう……なんて心配になったりすることと思います。
中学生になると、提出物の遅れや遅刻は成績や内申点に直接影響しますし、アルバイトや社会人として働き始めてからも遅刻のクセが直らなければ、信用を失うことになります。時間を守れず遅刻するということは、相手の時間をムダに奪うことでもあります。「これくらいたいしたことはない」というのは心の怠惰であって、失礼なこと。時間を守ることは人としてのマナーであり大切なことだということは、しっかり伝えていきたいものです。
そのためには、保護者のかたも同様に時間を守るように意識する必要があります。
時間や期限を守るために逆算して行動する、どうしても遅れてしまいそうな場合はあらかじめ連絡してきちんと謝る、遅れてしまった場合にリカバリーしようとする姿勢を見せるなど、お子さまにしてほしい行動を保護者のかたがまず実践するよう心掛けましょう。
時間を守れるようになるための工夫をする
お子さまが時間を守れるようになるために、取り入れたい具体的なアクションをいくつかご紹介します。
●かかる時間を計る
特に低学年のお子さまの場合、必要な行動にかかる時間を正しく見積もれていない場合があります。たとえば朝の支度の場合、「着替える」「朝食を食べる」「トイレに行く」「学校の持ち物を準備、確認する」など、朝起きてから家を出るまでに行っている行動をリストアップして、それぞれに何分かかっているのか計ってみるといいですね。
あと何分あれば間に合うのか把握することもできますし、「プリントを出して保護者にサインをもらう」など、リストになかった行動に実はけっこう時間がかかっていたなどがわかる場合も。
リストを見えるところに貼っておくと、次にやるべきことが目に入って、自然と動けるようになるかもしれません。
●何時に行動するかお子さまに決めて宣言する
「先に朝ごはんを食べなさい」など、保護者のかたに指示されてしぶしぶ行動していたのでは、お子さまが時間を意識して自ら行動するようになるのは難しいもの。
ただ、自分で決めたことは比較的守れる場合が多いので、「遅刻しないために朝何時に起きることにする」「何時に家を出る」など、お子さま自身が決めて宣言するといいですね。
●時間を奪う誘惑グッズは目の届かないところに置く
スマホやタブレット、ゲーム機などの「時間泥棒」に触らないよう、お子さま自身がコントロールするのは難しいもの。目に入るとつい触りたくなりますし、通知などが見えると確認したくなるので、朝はできるだけ目に付かない場所や手の届かない場所に置くようにしましょう。保護者のかたが設定できるようであれば、朝はSNSやゲームアプリなどを使えないように制限するなども効果的です。
責任は基本的に自分で取ってもらう
時間を守る重要性を理解するためにも、もし時間や約束を守れなかった場合の責任をお子さま自身が取るようにすることも大切です。
たとえば習い事や学校に遅刻しそうな場合は自分で連絡させる、友達と遊ぶ約束に遅れた場合は自分で謝るなど、自分で謝罪やフォローをさせるようにしましょう。習い事に遅刻したために自分だけやるべき作業が遅れてしまったなどの場合は、いつ、どこでリカバリーするのか、自分で考えさせることも効果的です。
我が家でも、次男が小学生のころしぶしぶ通っていたそろばん教室に遅刻しがちだったので、堪忍袋の緒が切れて「遅刻の連絡や振り替えの手続きは自分でしなさい」とフォローするのをやめたところ、その連絡をするのが面倒で遅刻しなくなりました(笑)。
遅れても何とかなる、誰かがフォローしてくれるという状況では、いつまでたっても危機感が生まれません。自分のせいで時間に遅れたことをしかられて、気まずい思いをしたり、「みんなを寒い中で待たせてしまっていたんだな」「時間どおりに来ないことで心配をかけていたんだ」などと自覚したりすることで、だんだん時間を守ることへの意識が育っていくはずです。
まとめ & 実践 TIPS
保護者として時間を守れる人になってほしいという思いはありますが、小学生の間は時間感覚を養っていく過程ということもあるので、あまり頭ごなしにしかりすぎずに見守りたいもの。とはいえ、「最低限これは守ってほしい」という約束は守れるようにサポートし、できた時はしっかりほめてあげてくださいね。