思春期の男の子に対する接し方

 中学生の男の子たちは、思春期まっただなか。家族の間でもいろいろなことが「思春期だからか…」という理由になることが多いのではないでしょうか。親として思春期の男の子にはどのような態度で接するべきか、考えてみましょう。

 

 

急に態度を変えずに、普段と変わりなく接する

 なんだか以前より発言が減ったり、物静かに考えることが増えたり、あるいは親の言うことにいつもつっかかってきたり…。「反抗期」に入る兆(きざ)しも見せる思春期の男の子は、まわりから見れば確かに「今までと違う」ということになります。

 

しかし、思春期に入った当の本人は、自分が大きく変わったとは思っていません。ですから、突然家族に態度を変えられると、逆に不審に思い、困惑してしまいます。もちろん、子どもによっては「自分が態度を変えていることに気付いてほしい」場合もあり、徐々に対応を考えていく必要はありますが、見分けるには少し時間がかかります。まずは普段と変わりなく、いつもの態度で接するようにしましょう。

 

 

生活の中で「今までは親に頼っていた」という部分を見直してみる

 男の子は特に、なんでもお母さんに頼りきりだったということが多いと思います。たとえば、自分の部屋の掃除や荷物の片づけ、学校の準備、洋服選びや買い物など、常に一緒にやってあげていた、ということはありませんか。

 

思春期に入ったら、一度親子間にあった「当たり前」のことを、見直してみましょう。自分でできることは自分でやるように勧めるのです。できれば、思春期に差しかかるころから少しずつ「自分で」という部分を増やしていければいいですね。

 

そうすると、親が関わらずに子ども自身に任せるべき線も、徐々にはっきりしてきます。物理的な「自分のスペース」、話題として「親に触れられたくない部分」などもわかってくるでしょう。お金の使い方なども、大きな金額でなければ自分の責任で管理してもらうようにします。子どもを信頼し、親が干渉し過ぎないことも重要なのです。今までの「母子一体感」を、親子であっても考え方や感覚、価値観の違いを理解し、理解を深め続けていくという「離別感」に変化させることが必要です。

 

 

思春期が「ひとり立ちするための準備期間」であることを忘れずに

 思春期は、子どもが親からひとり立ちするために必要な期間。大人に向けての大切な準備期間です。ゴールは子どもの自立です。子どもを一人の大人として考え、違う意見や価値観を持つことも当然だと考えましょう。

 

そのためには、親自身も自分の意見について「なぜか」を明確にし、たまにはお互いの考えをぶつけ合うことも必要です。はれ物に触るように扱う必要はありませんが、フォローが必要なことは山のようにあります。困った時、あなたがいつでも無条件で手を差し出してくれる存在であれば、子どものこころが本当の意味で離れてしまうことなど、ないのではないでしょうか。

プロフィール



平岡亜紀:公認心理師、産業カウンセラー、研修講師
NPO法人ひさし総合教育研究所 理事
特定非営利活動法人自立支援ネット我孫子 心理師
スクールカウンセラーとして長きに渡り学生・親・教員の相談に従事。心療内科、福祉施設のほか、企業でのキャリア開発、メンタルヘルス対策など多様な人たちが抱える問題にも応じている。

倉持鎮子:自身も7歳、11歳の子どもを育て、育児・食育・親子問題についての執筆を行うライター。医療・健康・体の不思議、子育て中にもできる美容などにも触れ、さまざまな面から「子どもとの生活」についてのライティング実績がある。講師業では、「脳と体を考える食育」についての情報を提供。

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