子どもが着替えを嫌がる……服を着せるのに時間がかかる時の理由と対処法
- 育児・子育て
幼児期は、まだ一人で着替えができないことも多いですよね。ただ、やってあげようとしても「着替えたくない!」とぐずったり逃げ回ったり、苦労することがあります。子どもが着替えたがらないのはどうしてなのか。その理由と対処法をご紹介します。
子どもが着替えない理由は2パターンに分けられる
「着替えない」と一口に言っても、その理由は子どもによって異なります。ただ、大きく2つに分けることは可能です。
①「着替えそのものに理由がある」
②「着替え以外に理由がある」
まずは、このどちらなのかをきちんと見極めることが大事。着替えのことなので「着替えそのもの」に着目しがちですが、それだと②の場合はうまくいきません。お子さまをよく観察したり、話をじっくり聞いてあげたりすることで、着替えない理由を探ってみましょう。そうすれば対処法もわかってきます。
「着替えそのものがイヤ」な場合の子どもの気持ちと対処法
まずは①の、「着替えそのものに理由がある」場合です。こちらは、年齢が低かったり、イヤイヤ期真っ最中だったり、こだわりが強かったりするお子さまに多く当てはまります。
「服が着づらい!」「わかりづらい!」
服そのものが着づらいと、着替えがイヤになることがあります。「サイズが小さい」「伸縮性がない」「ボタンが多い」などですね。「前後がわかりづらい」という服も、子どもにとってストレスになることがあります。感覚が過敏なお子さまの場合は、素材も注意してあげたいですね。
上手に着られるように練習していくのは大事なこと。ただ、余裕がなくてお互いイライラしてしまったらやる気がなくなってしまいます。平日の朝は、一人でも着られるゆったりした服を選んであげて。お休みの日や夜など、着替えをじっくり見てあげられるときに練習をするとよいかもしれません。
「自分の着たい服じゃない!」
自我が芽生えてくると、服も自分で選びたくなります。そうすると、保護者のかたの選んだ服を嫌がることも。同じ服ばかり着たいというこだわりがある場合も同様です。
この場合は、お子さまに選ばせてあげるのが一番。前日に決めておくとスムーズです。「どっちにする?」と2つから選ばせてあげる方法もアリ。変な組み合わせになってしまうこともありますが、お子さまが決めたのであれば尊重してあげましょう。その方がスムーズに登園できる可能性が高くなります。
「『今は』着替えたい気分じゃない!」
日によって着替えたり着替えなかったりする場合は、こういった理由も考えられます。遊びを中断されたり、まだ目が覚めていなかったり……。この場合は、子どもがやりたいことが一段落するまで待ってあげるのがベスト。ただ、忙しい朝はそんな時間もありませんよね。そんなときは「長い針が6になったら着替えよう」など、予告をしておくとうまくいく可能性が高いです。
また、保護者のかたが着替えてほしいタイミングと、子どもが着替えたいタイミングは違うことがあります。食事の前なのか後なのか、起きた直後なのか出かける直前なのか……。大人の都合で時間を決めずに、お子さまに着替えたい時間を聞いてみるとスムーズに進むかもしれません。
「自分でやりたいのにうまくいかない!」
イヤイヤ期の子どもで多いのが、「全部自分でやりたいけどうまくいかない」というもの。着替えも同じです。そしてこの時期は、良かれと思って手を出すことがマイナスになってしまうことがあります。
一番の理想は、時間に余裕を持って子どもがやっているのをじっと待つこと。つい口や手を出したくなりますが、なるべくお子さまの「やりたい!」を優先してあげましょう。忙しいときは、「ここだけ手伝っていい?」「仕事に遅れちゃうから今日だけやらせて」と一言かけると納得できる可能性が高くなります。Iメッセージを意識して、声をかけてあげましょう。
「着替えが嫌い!」「なんだか苦手!」
感覚的なものや、気分的なもの、さまざまな理由で着替えという行為自体が苦手な子どももいます。この場合は、安心感を与えてあげることが必要。着替える場所を配慮したり、不快感の少ない服を選んだりして、お子さまの不安要素を取り除いてあげましょう。着替えの必要性(清潔さや動きやすさなど)も、時間をかけて教えていってあげてください。
また、保護者のかたに「そうじゃない」「遅い!」と注意されることがイヤで着替えが苦手になる子どももいます。始めは間違って当然。この時期はとにかく、一人で着替えられたことを認めてあげましょう。そのうえで、「ここを直すともっとカッコいいよ、やってみる?」と声をかけてあげてください。嫌がればそのままでOK。保育園・幼稚園に裏返しの服を着ていっても、先生たちは快く迎えてくれるはずです。
「着替え以外に理由がある」場合の子どもの気持ちと対処法
ほめても励ましても服を変えてもうまくいかない……。そんなときは、②の「着替え以外に理由がある」に当てはまる可能性が高いです。ちょっと視野を広げて、着替えをしない理由を考えてみましょう。
「もっと遊んで!」「もっとかまって!」
ぐずったり泣いたりするだけでなく、笑って逃げ回ったり、わざと服を脱いでみたり……。そういった行動が見られるときは、保護者のかたにかまってもらおうとしている可能性があります。必然的に触れ合うことができる着替えの時間。泣いたり怒られたりしても、保護者のかたとの関わりを増やそうとしているのかもしれません。
余裕がなくてスキンシップが減っていたり、話をする時間が少なかったり……。入園すると、どうしても子どもとの時間は減ってしまいます。「最近関わりが減っているかも」と思ったら、ちょっと意識して生活全体でスキンシップを増やしてみましょう。そうすることで「着替え以外でもパパ・ママと触れ合える」と思えるようになるはず。結果的に、朝の着替えも少しずつスムーズになるかもしれません。
「保育園・幼稚園に行きたくない!」
園に行きたくないから着替えない、という可能性もあります。その場合は、そちらの原因を取り除いてあげる必要があるでしょう。「給食がイヤ」「行事の練習が大変」など、理由はさまざまです。何か気になることがあれば、先生に相談したり、お子さまの気持ちを聞いたりしてみてください。着替えの時間ではなく、余裕があるときに聞いてあげるのがおすすめです。
「体調が悪い」「眠い」
体調がすぐれないと、思うように体が動きません。特に小さい子どもの場合は、言葉の代わりにぐずったり泣いたりすることで体調不良を表現することも多いです。「何かおかしい」と思ったら、体調不良を疑ってみてください。
また、眠いというのも体調不良と同じ。生活リズムを改善したり、着替える時間を後ろにずらしたりして、目が覚めている状態で着替えられるようにするとよいかもしれません。
「甘えたい」
本当は自分でできるのに「やって」とぐずる場合は、甘えたいのかもしれません。かまってほしい気持ちと似ていますね。きょうだいが生まれる前後や、入園直後などに多く見られます。
この時期は、全部やってあげてもOK。忙しい平日の朝は、お子さまの「甘えたい」という気持ちを優先してあげてよいでしょう。着替えを練習するのは、夜や休日にゆっくりと。もちろん、着替え以外の場面でたくさんスキンシップを取ることも大切です。
全部やってあげても、うまくできなくてもOK!完璧を目指さないで
着替えない理由はさまざま。ただ、どんな状況であっても忙しい平日の朝に子どもの着替えと向き合うのは大変です。どうしても着替えないことはありますし、イライラすることだってあります。
ですから、着替えに対するハードルを少し下げてみてください。甘えたいときは全部やってあげてもOK。裏返しに着てしまっても自分で着られたならOK。変な組み合わせでも本人が満足していればOK。園に送っていったときに「今日は自分で着ました!」と伝えれば、先生も笑顔で迎えてくれるでしょう。
着替えの練習は、夜や休みの日にもできます。そこで自信をつけたり経験を積んだりすれば、いずれ朝の着替えもスムーズになってくるはず。毎回完璧を目指さなくても大丈夫です。
まとめ & 実践 TIPS
朝は大人も忙しい時間。もし着替えに困っているのであれば、子どもの様子をよく観察したり、話を聞いてあげたりしてみてください。そうすることで、解決の道が開けるかもしれません。時間がかかったとしても、理由を知ることでうまくいくことがきっとあるはず。子どももやる気が出て、少しずつ自分で着替えられるようになるでしょう。
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