「どうしてできないの!」と言ってはいけない理由と言ってしまったときの対処法
子どもの宿題や勉強を見てあげるとイライラする…という保護者のかたは結構、多いようです。さっきやった問題ができないときなど「どうしてできないの!」とつい言ってしまっていませんか? 「どうしてできないの!」の代わりにどのように接したらよいのでしょうか?
なぜ「どうしてできないの!」と言ってはいけないのか
例えば、宿題など勉強を見てあげているとき、教えてあげながらやるとできるのに、ひとりでやらせたらできない。子どもにはよくあることです。一度や二度なら辛抱強く見てあげる保護者のかたも多いでしょう。しかし、それが何回も続くと、段々イライラしてきて、「どうしてできないの!」と言ってしまっていませんか? この「どうしてできないの!」は子どものやる気をなくす言葉と言われています。子どもは大人がイライラしているのを感じて、焦ります。それが頭を混乱させてさらにわからなくなることも。
また「どうしてできないの!」は、子どもにとって、自分を否定された気がする言葉でもあります。子どもは、否定されることで、自分に自信がもてなくなります。それによって、自己肯定感が低い子どもになる可能性があります。自己肯定感が低くなると、失敗をしたくないと思い、いろいろなことに挑戦できなくなったり、将来非行の原因になることも。自分の存在を認めて、自信をもって、自分で人生を切り拓いていく子どもに育てるためにも「どうしてできないの!」と言うのは、NGです。
では、何度も教えてもできないときは、どうすればいいのでしょうか。それは、もう一度教えてあげること。保護者のかたにとっては辛抱が必要なところですが、これもひとつのコミュニケーションや親子の触れ合いとして、楽しみながら教えてあげられるといいですね。
つい言ってしまったときは…?
とはいえ、保護者のかただって人間です。機嫌が悪かったり、疲れているときについ「どうしてできないの!」などの暴言を吐いてしまうことはあるでしょう。つい言ってしまったときは、フォローすること。怒った理由が明らかなときは、その理由を伝えましょう。伝えるときは「あなたが悪い!」というような子どもを否定するような言い方ではなく、「ママはそれ嫌いだよ。だからやらないでね」など、保護者のかた自身がどう思ったかを伝えられるとよいでしょう。感情的に怒ってしまった場合は、そのこと自体を子どもに謝りましょう。素直に謝ることで、子どもと向き合うことができます。また子どももそんな保護者のかたから謝ることを学べるはず。
子育てをしていると、忙しくてつい子どもにあたってしまうこともあるもの。吐いてしまった暴言は取り消せませんが、そのあとで、冷静になって、どうフォローしてあげられるかで子どもの気持ちは変わってきます。また、ついカッとなってしまったときは、すぐに言葉にしてしまわず、違う部屋へ行くなど、ひと呼吸おくことで、怒りの気持ちを抑えることもできます。子どもに暴言を吐いてしまわないように、怒りをコントロールできれば親子関係もより安定したものになるのではないでしょうか。
参考:「12歳までが成功のカギ!「頑張れる子」の育て方」和田秀樹 著(学研パブリッシング)