遊具や玩具を独り占めする子[教えて!親野先生]

教育評論家の親野智可等先生が、保護者からの質問にお答えします。

【質問】

2歳半の息子は、公園の遊具や玩具を独り占めするなど、よく他の子とトラブルになります。公園に連れて行くのが嫌になります。昨日は「なんでそんなに意地悪なの?」と言ってしまいました。

緑茶みどりさん(2歳半 男子)

【親野先生のアドバイス】

拝読しました。
親としては他の親御さんへの気遣いもあるでしょうし、悩ましいところですね。
でも、2歳半という年齢ですと、こういった行動は非常によくあることですから、そんなに思い詰める必要はありません。

2歳半という年齢は、発達心理学的に見れば「自己中心的段階」です。つまり、まだ自分の視点や立場からしか物を見たり考えたりすることができない段階であり、他者の視点や立場で考えることは難しいのです。「これで遊びたい」と思えば、他の子のことなど考えずに、すぐ行動してしまうのです。

ですから、意地悪ということではありません。「意地悪」という否定的な言語化をしてしまうと、子どもは「自分は意地悪なんだ」と思い込んでしまう可能性があるので、そういう言い方はNGです。

少しずつ、相手のことを考えることができるように、根気よく導いてあげてください。 「勝手なことしちゃダメでしょ」「貸してって言わなきゃダメでしょ」などと否定的に叱るのはよくありません。こういう否定的な言い方をされると、自分の存在が否定されたように感じてしまい、ますます反発したくなるからです。

ですから、まずは「これで遊びたかったんだね」と共感的に代弁してあげてください。すると、子どもは自分の気持ちがわかってもらえたことで安心して、素直な気持ちになれます。

同時に、「玩具取られて嫌だったね」「遊んでたのに嫌だったね」と、相手の子の気持ちも代弁してあげましょう。これによって、取られた子の気持ちが安らぐのはもちろんですが、取った子にも相手がどんな気持ちだったか教えることができます。

それから、「貸してって言おうね」と教えて、実際に言葉に出して言わせてみましょう。 待たせる必要があるときは、「1回終わるまで待とうね」「並んで待とうね」「ここに並ぶと遊べるよ」と教えましょう。そして、子どもが待てたら「待てたね」とほめます。

また、「どうぞ」「お先にどうぞ」「ありがとう」「ごめんね」「いいよ」「僕も入れて」「一緒に遊ぼう」「じゅんばんこしよう」などの言葉も教えていきましょう。

日頃から、子どもとのスキンシップやハグを増やすように心がけてください。これによって、オキシトシンという幸せホルモンが出て、安らかで幸せな気持ちになることができます。

また、否定的な言葉でとがめるのをやめて、常に肯定的な言葉で伝えるようにしてください。そして、「大好きだよ」「あなたはママとパパの宝物」「毎日一緒にいられてうれしい」など、子どもの存在を丸ごと肯定する言葉を贈ってあげてください。

親子・家族が一緒に仲良く写っている写真をプリントアウトして、玄関、リビング、トイレなどの目につくところに貼っておくのも効果的です。これは、写真でその子の存在を丸ごとほめることであり、私は「ほめ写」と呼んでいます。

こういったことの積み重ねによって、子どもは親の愛情を実感できるようになり、気持ちが満たされてきます。こういう心理状態でいれば、他者を思いやれる子に育っていくことができます。

私ができる範囲で、精一杯提案させていただきました。
少しでもご参考になれば幸いです。
みなさんに幸多かれとお祈り申し上げます。

プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。

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