4月から入園、不安がいっぱい[スーパー保育士のお悩み解決]
入園入学シーズンが近づいてきました。この4月に新しく保育園や幼稚園に入園されるお子さんをお持ちのお母さん方は、期待で胸が膨らむ一方、不安もたくさん抱えておられるかもしれませんね。私もこの時期、いろんな相談をお母さん方からお受けします。
まず、幼稚園保育園関係なく多いご相談が、「初めての集団生活にうまくなじめるか心配」ということ。これまでずっとおうちで過ごしていたので、子ども同士の集団の中でうまくやっていけるか心配というわけです。でも、心配はご無用です。その理由を保育園と幼稚園にわけてお話しましょう。
まず保育園。新入園の子どもに、無理なく園での生活に慣れてもらうため、たいていの園では、「慣らし保育」(「慣れるための保育」と呼ぶ園もあり)の期間を設けています。最初は、保育時間を2時間くらいにし、翌日は食事まで、その次の日はお昼寝までと、徐々に保育時間を延ばし、おおむね5日から1週間で、希望する保育時間に移行します。
仕事の関係などで難しい方は、希望も聞いてくれますが、お迎えは母親以外でも大丈夫なので、慣らし保育の期間はもつ方がかえって園に慣れるのが早くなります。が、慣らし保育の有無に関係なく、ほとんどのお子さんはひと月も経てば、まるでずっと園に通っていたかのように、笑顔で元気に登園してくれるようになるので、大丈夫ですよ。
保育園もお子さんに早く慣れてもらいたいので、4月は進級児よりも新入園児に手をかけ、ひとり一人をよくみてくれます。入園後の不安は担任の先生になんでも相談しましょう。0~2歳児までのクラスは必ず複数の担任がいるので、相談事は主にその中のリーダー的な先生に相談するといいかもしれません。
お子さんが幼稚園に入園するお母さんのご相談で多いのが、「まだ紙おむつが取れていない」です。でもこれも大丈夫。紙パンツが取れないまま入園する子どもは年々増えているので、それは決して恥ずかしいことではなく、先生方もイヤな顔はしませんのでご安心ください。
園では、紙おむつをはいている子どももそうでない子どもも、時間を決めてのトイレタイムがあり、先生方による「出たらほめ」の指導を行なっていくうちに、失敗も自然に少なくなり、ほとんどのお子さんが遅くとも夏までには取れるようになります。
入るのが保育園か幼稚園かに関係なく多いお悩みが、「好き嫌いが多い」「食べるのが遅く時間内に食べ終わるか」です。保育園は毎日、幼稚園でも最近は週に何回か、もしくは毎日給食があるので、食事に関する心配が近年とても増えたように思います。
多少の好き嫌いがあっても、決して無理強いはせず、食べられるものから食べさせてくれ、「食事は楽しい」というイメージ作りをしてくれます。嫌いなものも、「小さくして」「まずはひと口から」「少しでも食べられたらほめる」などのさまざまな工夫を通して、少しでも食べられるよう指導してくれます。
子どもは人の真似をするのが大好きなので、嫌いなものでも、友達がみんな食べていると自分も食べようとすることが多く、徐々に食べられるものが増えていき、1年もしないうちに、何でも食べるようになったりもします。おうちでは食べるのが遅い子どもも、友達と楽しく食べると食も進み、家では考えられないほど早く食べられるようになる子どもも多くいます。
でも、そんなことを言うと、「な~んだ、入園前に何もできていなくてもいいのか」と思われるかもしれませんね。確かに、仮にお子さんが何もできていなくても園は何も言いません。が、本音を言うと「できていたら助かる」です。
年少クラスを受け持ち、新入園児を迎えたある先生は、「さあ、服を脱ぎましょう」と言ったところ、半数の子どもに補助が必要だったそうです。もちろんその全員を手伝うわけですが、20人全員が着かえ終わるまでに30分もかかったそう。
保育園も幼稚園も、4月はてんてこまいの忙しさです。基本的生活習慣と言われる、食事、排泄、着かえに関しては、少しでも一人でできる部分が多くあると、先生はずいぶん助かり、その分、他の子どもたちの補助や次のことをする時間が増えます。
保育園でも幼稚園でも、3歳のうちに自立することを目指しているその3つの基本的生活習慣のうち、一人でできるものがひとつでも多くあると、園は本当に助かります。そういう意味でも、できなくても構わないので、少しでもできるよう練習だけはしておくといいかもしれません。それだけでも十分「園に協力する」ことになっているのです。