反抗期の子どもと会話がない[教えて!親野先生]

教育評論家の親野智可等先生が、保護者からの質問にお答えします。

【質問】

長男が中2で反抗期の真っ最中です。もう三ヶ月くらい親子でまともな会話をしていません。話しかけても「うん」「ああ」「別に」で終わってしまいます。正直言って寂しいですし、何を考えているのかわからず不安でもあります。

オリビアさん(中2 男子)

【親野先生のアドバイス】

拝読しました。
愛情をいっぱい注いで、手塩に掛けて育てた子…。あんなに可愛かったのに、反抗期になった今では万事において冷たい態度…。親としては寂しいですね。

最近、相談者のオリビアさんと同じことで悩んでいる方に話を聞く機会がありました。
これがとても参考になる内容だったので、紹介します。

田原さん(仮名)は、中学1年生で反抗期真っ最中の息子との間で、会話が全然なくて悩んでいました。まさに、オリビアさんと同じ状態ですね。

ところが、ある夜のこと、息子と二人でコンビニに買い物に行きました。親子で並んで歩いていたら、息子が急に部活の人間関係で悩んでいることを話し始めました。田原さんは、「これは珍しいこともあるものだ」と思いつつも、「そうなんだ。それは嫌だね」「困るよね。悩むね」と、ひたすら共感的に聞きました。

帰宅したら、息子はすぐ自分の部屋に入ってしまいました。そこで、田原さんはラインで「話してくれてありがとう」と送りました。すると、「こっちもありがとう」と返事が来ました。なんと、笑顔のスタンプもついていて、田原さんはうれしかったそうです。

田原さんは、「面と向かっては言えないことだったと思うのですが、夜で暗かったことがよかったのかもしれません。それと、向かい合わせでなく横並びだったこともあって、話しやすかったのかもしれません」と振り返っています。

私は、買い物という別の目的があったのもよかったかもしれないと思いました。また、「電気がなかった昔は、囲炉裏の火など囲みながら、ちょっと薄暗い中でこういう会話ができていたのかもしれない。暗いから他にすることもなかっただろうし。今は家の中が明るすぎるのかもしれない。それなら、夜の寝る前には間接照明に切り替えるのもいいかも」などとも考えました。

ということで、何が言いたいかというと、子どもが話しやすい状況や雰囲気を演出してみるといいのではないかということです。複数の人から、「塾への送り迎えをする車中でのみ会話が成立する」という話を聞いたこともあります。災害復旧のボランティアに反抗期の子と行って、作業中に進路についての会話がたくさんできたという話を聞いたこともあります。
共同で作業をしているときは、意外に会話が成立しやすいということはあると思います。

また、話をする際には、先ほどの田原さんのように共感的に聞くことを大事にしてください。親や先生は、子どもの話を聞いて、意識しないうちに微妙な否定をしていることがよくあるので気をつけてください。

また、話を聞いて、すぐ励ましたりアドバイスしたりするのもよくありません。共感がないまま励ましやアドバイスをされると、子どもは「なんで話を聞いてくれないの。私はこんなに大変なのに。そんな簡単なことじゃないよ。お説教はいいよ」と感じてしまいます。

最後にまとめると、次の2つが大事です。
1,話しやすい状況や雰囲気をつくる。
2,共感的に聞く。

私ができる範囲で、精一杯提案させていただきました。
少しでもご参考になれば幸いです。
みなさんに幸多かれとお祈り申し上げます。

プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。

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