幼児期のデジタルは良いの?悪いの?【専門家に聞く第3回目】

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コロナで在宅を余儀なくされ、お子さんにスマートフォン(スマホ)やタブレットを触らせる機会が増えたというおうちのかたが増えています。忙しい時には助かる反面、小さいお子さんの場合は発達への影響が気になりますよね。そこで、幼児教育とデジタルメディアの関わりを長年研究されている、愛知淑徳大学の佐藤朝美先生にお話を伺いました。デジタルがもたらすメリット・デメリットや注意点について、全10回のテーマに分けてお届けします。今回のテーマは、デジタルが与えるお子さんへの良い影響・悪い影響についてです。

この記事のポイント

幼児期にデジタルを活用することは、良いの?悪いの?

幼児期に一番大切なことは「五感を育んであげること」です。見たり聞いたり触れたり、実際の体験の中で子どもは多くのことを学び成長していきます。特に幼児期は、室内に閉じこもるよりも屋外で活動することが重要だと言われています。しかし現代の子どもたちは、デジタル機器に触れる時間が増加傾向にあります。そのことは、どんな影響をもたらすのでしょうか?
5歳から18歳の小児を対象に行われたある研究では、長時間ビデオゲームを続けたグループに言語性知能の低下が見られたという結果があります。このように、デジタルの長時間の使用は弊害を生む可能性があると指摘する専門家もいます。
参照:https://resemom.jp/article/2016/01/06/28843.html

デジタルだからこそできることもある

しかし一方で、デジタルは興味を無限に広げてくれる便利なツールでもあります。たとえば肉眼では見られないほど小さなものを探求したり、海の中やジャングルの世界を詳しく見たりするなど、デジタルなら不可能なことが可能になります。本来なら遠くて行けない場所なのに、まるで実際にそこにいるかのような特別な体験をすることもできます。お子さんにデジタルを与える場合は、興味の幅を広げるための目的意識を持ちながら、上手に活用するとよいでしょう。

デジタルは学習においてもプラス効果

動画や音声が人の記憶の定着を助けると言われていますので、デジタルを活用することは学習面においてもプラスの効果があります。たとえばアメリカの「セサミストリート」という番組では、アルファベットに音と動きを合わせた映像を見せることで、子どもの語彙習得の手助けになったという実験結果を明らかにしています。
また、デジタル絵本における研究では、難しい単語を知らない子どもでもアニメーションを付加することで、意味を理解しながら読みすすめることができたという事例があります。

まとめ & 実践 TIPS

デジタルを活用する上で重要なことは「バランスを取る」ということです。ゲームだけを長時間やり続けるのは望ましくありませんが、お子さんの興味を広げる手段としてデジタルはとても便利なツールです。知りたいと思ったことをもっと深く学ばせてあげたり、やってみたいと思ったことを体験させてあげたりして、上手に活用していけると良いですね。そして時には、おうちのかたも一緒に遊ぶ中で、ご自身の興味関心も広げていけるとなお良いでしょう。

プロフィール



愛知淑徳大学人間情報学部准教授。東京大学大学院学際情報学府博士課程、情報学環助教、東海学院大学子ども発達学科を経て現職。教育工学、幼児教育、家族内コミュニケーション、学習環境デザインに関わる研究に従事。日本子ども学会(理事)。オンラインコミュニティ「親子de物語」で第5回、「未来の君に贈るビデオレター作成ワークショップ」で第8回、「家族対話を促すファミリー・ポートフォリオ」で第11回キッズデザイン賞を受賞。

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