赤ちゃんがひとりで寝る方法は?「セルフねんね」のポイントと注意点

赤ちゃんの寝かしつけと睡眠は、本人のみならず、保育者の生活も左右する重要なものです。しかし、悩みを抱えているにもかかわらず、「いつかは寝てくれる」「うちも同じだから」と、根本的に解決しないことがほとんど。
そこで、ご自身も長男の寝かしつけで苦労されたことから、赤ちゃんの睡眠コンサルタントの資格を日本人で初めて取得し、乳幼児の睡眠で悩みをもつ母親の相談にあたっている愛波文さんに、赤ちゃんの睡眠の基本を教えてもらいました。

この記事のポイント

セルフねんねにはいつからトライすればいい?

セルフねんねは、何カ月・何歳でもトライして問題ありません。ぜひ挑戦してみてくださいね。ただし、「セルフねんね=夜通し寝る」ということではないので、月齢が低い赤ちゃんはセルフねんねができても夜中の授乳は必要になります。

3つの要素からなる「睡眠の土台」

乳幼児の睡眠で多い悩みは、「夜泣き」「長時間の寝かしつけ・添い寝でしか寝てくれない」「早朝起き」「昼寝をしない」などが代表的なものかと思います。これらの悩みは、「睡眠の土台」を整えるだけで解決する場合もあります。

また、一人で寝つける「セルフねんね」ができるようになる、ねんねトレーニングをしているかたもいるでしょう。それにもかかわらず一人で寝てくれない場合は、「睡眠の土台」が整っていないからかもしれません。以下の項目を、ぜひチェックしてみてください。

「睡眠の土台」となるのは、

(1)寝室など睡眠にかかわる環境(睡眠環境)
(2)生活リズム(ねんねルーティン)
(3)子どもとのコミュニケーションや保育者の心の安定(幸福度)

の3つです。

(1)寝室など睡眠にかかわる環境【睡眠環境】

子どもが気持ちよく寝つくことができ、朝までぐっすり眠れる環境こそが適切といえます。具体的には、「光」「音」「部屋の温度と湿度」「寝るときの服装」「安全性」です。
一つずつ、ポイントを紹介していきましょう。

【光】日光と部屋の灯り

朝起きたら、日光を15分程浴びましょう。これを繰り返すことで、子どもは「日光を浴びる=起きる時間」だと認識できるようになり、毎日体内時計を調整することができます。また、人間の睡眠には、寝る直前だけではなく朝の時間の過ごし方も関係しています。朝、日光を浴びることでセロトニン(別名:幸せホルモン)という脳内の神経伝達物質の分泌を促すことができます。そのセロトニンが夕方から夜にかけて睡眠ホルモンのメラトニンに移行していくため朝からの行動が大事になってきます。

寝るときの照明は、遮光カーテンを閉めた真っ暗な状態が理想です。子どもの睡眠にとって天井常夜灯は明るすぎます。おむつ替えの際や子どもが真っ暗を怖がる場合は、コンセントに差し込んで使う照明で、足元だけをうっすら照らす「おやすみライト」を一晩中つけておくのがおすすめです。

【音】静かすぎない環境

睡眠を取る部屋の音は、必ずしも「しーん」とした静寂である必要はありません。赤ちゃんにとってはむしろ、テレビやラジオの砂嵐の音や、波や小川のせせらぎのゆらぎのある音の方が、「ぐっすりノイズ」となって安眠を助けてくれます。これは、お腹の中にいるときに聞いていたママの心音や血流の音に似ているから。月齢の低い赤ちゃんの場合は、特に効果的です。

日本各地で自然音を録音したぐっすりノイズ集がこちら。
https://aya-aiba.com/project/noise/
ねんねのアドバイスも載っていますのでぜひダウンロードしてみてください。
また、ぐっすりノイズはキッチンやお風呂場の換気扇を回して代用することも可能です。ぐっすりノイズは、寝かしつけから朝起きるまで連続して同じ音を流し続けることが重要です。

【部屋の温度】少し低めが最適

赤ちゃんの睡眠の最適温度の目安は、肌着+ロンパース+スリーパーを着て20-22℃です。大人からすると「寒いのでは?」と思うかもしれません。しかしこれは、乳幼児突然死症候群のリスクを避ける意味でも重要です。過度に厚着をさせたり、部屋を温めすぎたりしないことを推奨しています。

(2)生活リズム【ねんねルーティン】

寝る前のルーティンを決める

子どもは、次に何をするのかが分かると安心でき、その流れに体が慣れるとリズムが生まれます。そこでおすすめなのが、ねんねルーティン。「お風呂に入る→保湿→お着換え→歯を磨く→絵本を2冊読む→スリーパーを着る→ぐっすりノイズを付ける→消灯」などといったルーティンを作りましょう。内容は家庭ごと違ってOK。ポイントは、お風呂から上がって消灯までの時間が45分以内になるように意識することです。

寝る直前の授乳は避ける

授乳しながら寝かしつけてしまうと、授乳しないと眠れないクセをつけてしまいます。授乳する場合は、「授乳→絵本→電気を消す」など、授乳と消灯の間にワンステップ置くようにしましょう。

(3)子どもとのコミュニケーションや保育者の心の安定【幸福度】

赤ちゃんは、親から感情や心の変化を感じ取り、それを学んでいきます。親の心が満たされていると、子どもにもそれが伝わり、幸せのスパイラルを作っていくのです。

ですから、まずはママやパパ自身の幸福感、満足感を高めることがとても大切です。子育て中は、我が子のためを思うあまり、自分のことが後回しになってしまいがち。まずは、自分自身を慈しむセフルケアができるといいですね。

ひとり寝をする際に気をつけたいこと

・周囲にクッションやぬいぐるみ、ブランケットなどを置かない

窒息する危険があるため、口を塞いでしまう危険性がある物はそばに置かないようにしましょう。

・硬めの敷き布団を使う

ふわふわの敷き布団の場合、顔が埋もれてしまい窒息の危険があります。

・うつぶせにしない

うつぶせは窒息や乳幼児突然死症候群の危険があるため、顔色や呼吸状態を観察できるよう必ず大人の目の届くところで寝かせましょう。うつぶせの状態のまま放置することは絶対に無いように気をつけてください。

まとめ & 実践 TIPS

いかがでしたでしょうか。「睡眠の土台」を知っていると、「どうして寝てくれないのかわからない!」というときや、赤ちゃんが泣いているときでも、「今までと違う習慣を教えているから泣いているんだ」と理解できるでしょう。理由がわかれば、自信をもって寝かしつけができると思います。

大切なのは、一貫性をもって続けないと効果がないということ。1日だけ頑張って、次の日に「疲れているから」といってもとの習慣に戻してしまうと、赤ちゃんも混乱してしまいます。ぜひ、一貫性をもって実践してみてください。

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