入試から高校入学まで 第3回 「学力のイメージ」を変えてください[高校合格言コラム]

「学力のイメージ」を変えてください

前回は、この時期の家庭での生活についてお伝えしました。今回は「学力のイメージ」についてお話しします。

入試から高校入学まで 第3回 「学力のイメージ」を変えてください[高校合格言コラム]


 「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」についてはご存じの方が多いと思います。調査項目は、「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」「読解力」の三つですが、昨年末公表された2012年度の調査結果では、我が国の順位がいずれも上昇したことが話題になりました。
 この調査の問題が、我が国の学校のテストでよく出される問題と違う点は、「次の計算をしなさい」「次に当てはまる漢字を書きなさい」といった知識を問うものは1問もなく、日常生活の中の「ある場面」が設定され、そこでの問題を解決するための「考え方」を答えさせることです。今回の中から一例を挙げてみましょう。



国立教育政策研究所「PISA調査問題例」
http://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/pisa2012_examples.pdf より転載


 基本的にはグラフの読み取りの問題で、ひねった出題ではありません。売上枚数のグラフが250枚単位のめもりになっている点がやや難しいという程度です。普段ヒットチャートのランキングなどに興味を持っている子にはイメージしやすかったのではないでしょうか。
 このほかにも、点滴の滴下速度に関する問題や、回転ドアの構造に関する問題、マンションの間取り図を題材とした問題などが出題されています。すべてが日常生活の中のことに関連付けて出題されているのです。

 前回お話しした「はさみ・缶切り・釘抜き」の問題と同様、学校の勉強は勉強、日常生活は別物という考えではなく、普段からいかに関連付けているかということが大事なわけです。
 これからの高校入試問題、大学入試問題もそうした方向に進んでいくことが予想されます。ですから、お子さんが自分の部屋で机に向かってテキストを開いているから安心という学力のイメージ(もちろんそれもある程度は必要ですが)だけでなく、保護者のかたが積極的にお子さんにコミットして、問題解決型学力を伸ばしていくことを考えていただきたいと思います。

 次回は、母親の役割についてお話しします。


プロフィール


安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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