受験勉強でイライラ。家族との衝突や、弟や妹に八つ当たりする時、どうする？

受験に向けて、だんだん周りの雰囲気も変わり始める2学期。
受験生のお子さまがイライラして家族に八つ当たりするので、どう対応するのがいいか困っているというお声もよく耳にします。そこで今回は受験生のお子さま本人と、家族（弟や妹など）に対してどうフォローしていけばよいか、コーチの視点で一緒に考えていきたいと思います。

1．イライラの裏にあるものは何？

受験期のイライラにはいろいろな要因が考えられます。
たとえば、
「苦手な科目がやってもやっても理解できない」
「志望校に対して成績が追いつかずに不安」
「友達が伸びてきて比べてしまって焦る」
「睡眠不足」
「周りの何気ない言葉にプレッシャーを感じる」
など、学習面だけではなく体調や周りとのかかわりなどが原因になっていることもありますし、複合的にからまって本人もわからなくなっていることも。

お子さまがイライラしている時、「勉強したくないだけだろう」「やりたくないことから逃げているだけ」などと決めつけることなく、心の中で「あの子はあの子で大変なんだな」と一度受け止めてあげると、少なくとも一方的にしかりつけるといった反応をせずにすむはず。

もし本人に聞けるようなら、「最近イライラしているように見えるけれど、何が原因でそうなっちゃうんだろうね？」と聞いてみてヒントだけでも得られたら、それを取り除いたり軽減させたりするためのサポートができるかもしれません。

2．イライラするということは理想があるということ

まったく危機感もやろうという意識もなければ、イライラもしないはず。
本当はこうありたい、こういう行動ができる自分でいたいという理想があるからこそ、そこにギャップを感じてイライラしてしまうのです。
がんばりたい気持ちはあるけれど思いどおりにいかない。でも、そこでもがくのかあきらめるのかで、その後の成長は全然違いますよね。だから無理矢理イライラを抑えようとしなくてもいいのかもしれません。

もちろんそれが高じて家族に暴力を振るうことなどがあるなら行きすぎなので止める必要がありますが、そこまでではないなら、成長に必要なプロセスだと見守ってあげてほしいなと思います。

3．何が「応援」になるか考えてみる

応援するというと「がんばれ」「あなたならできる」と声をかけることをイメージしやすいですが、受験生にはそれがプレッシャーになることもあります。
保護者のかたやきょうだいのどんな振る舞いや在り方が応援だと受け取ってもらいやすいか、考えてみるのもオススメです。

その時につい「何をしてあげるか」で考えがちですが、「何をしないか」という視点でも考えてみてください。私は子どもが受験生の間は、こればかり考えていました。つい余計なことをしたり不用意な言葉をかけてしまって、それがやる気を削ぐことになったりプレッシャーになって怒られたりしていましたので（苦笑）。

絶対にやってはいけないのは「一方的な決めつけや批判」です。
保護者のかたも心配しているからこそあれこれ口出ししたくなるものですが、「勉強せずにサボっている」「進路を何も考えていない」「危機感がない」などを決めつけられてしまったら、実際と異なる時には傷付けることになりかねません。あらかじめ「何を言わないか」「何をしないか」を決めておくと、衝動的にやってしまいそうな時も我慢して思いとどまりやすくなります。

下のきょうだいは、なぜイライラしてしまうのか理解できていないかもしれないので、大変な思いをしながらがんばっていることを伝えたうえで、たとえば「テレビの音は小さくする」「ゲームしようと誘わない」など、自分たちができる応援を一緒に考え、さりげなく実行してみる。それで変化があるか観察しながら調整していくといいですね。