連絡帳に連絡事項が書いてない?!/小学生保護者のお悩み解決隊#1
- 育児・子育て
小学生の毎日は、はじめてのことばかりで、お子さまはもちろん保護者のかたも困ってしまうことも多いでしょう。そこで、小学生のお子さまをお持ちの保護者のかたから寄せられたリアルなお悩み体験談を人気マンガ家さざなみさんがマンガ化! お悩みを解決するための専門家のアドバイスもご紹介します。第一回は意外な関門「連絡帳」に関するお悩みです。
連絡帳に連絡事項が書いてない?!
連絡帳に書いてもらえないと気付けないことも多く、保護者のかたにとってはハラハラしてしまいますよね。
連絡帳への記載漏れを防ぐには、どうすればいいのでしょうか。
大事な連絡事項をちゃんと共有してもらうにはどうすればいい?
教えてくれるのは……小学校の教員として数々の保護者向け講演を行い、現在はベネッセ教育総合研究所で働く庄子寛之さんです。
Q.連絡帳を書くのが苦手な子どもにどう働きかけるべき?
A.漫画のように、我が子が連絡帳が書けていないことで、持ち物を忘れていないか不安……。誰もが悩むことだと思います。私は、20年近く教師をしてきたことに加え、子育て中の保護者でもあり、気持ちはとてもよく分かります。
まず大切なことは、「担任の先生に聞く・相談する」ことです。
全員が書いていないかもしれないし、担任の先生が伝えるのを忘れやすい人なのかもしれない。もやもや悩むだけでは、原因がわかりません。
「連絡帳を書いてこないのですが、どうすればよいでしょうか?」と先生に聞けば「声をかけるようにしますね」「この1週間は私(担任)がチェックするようにしますね」と返ってくると思います。
ここで大事なことは、担任の先生を責めないこと。「我が子が連絡帳を書いてこないのですが、先生が伝え忘れることがあると聞いています。本当ですか?」と、たとえ事実だとしても、適切なコミュニケーションではありません。あくまでも我が子を心配するパートナーとして聞いてみてくださいね。
次に、「叱るのではなく、一緒にがんばる」を実践してみましょう。
あなたは、苦手なことはありませんか? 私は、人の目を見て話を聞くことが苦手です。いつもテレビのほうを見ながら返事をして、妻から怒られています。直す気はありますし、一時的には直るのですが、継続しません。自分の習慣を直すのは難しいのです。
お子さまもきっと、「書かなきゃいけない」とは思っていると思います。でも、直せない。これを直すのには、保護者のかたと一緒にがんばることが大切です。連絡帳が書けていないことを叱るのではなく、連絡帳に書けた日をほめましょう。
「今日から1週間だけ一緒にがんばろう。私(保護者)も〇〇と一緒にがんばるから。帰ってきたら、連絡帳書けた? って忘れず聞くから。まずは3日を目指してがんばろう。まずは今日はちゃんと書いてきてね」
こんな感じで伝えましょう。朝伝えて、メモにも書いて筆箱に入れて、そうして我が子が連絡帳に書いてくれたら、それをたくさんほめましょう。
また、1日できても3、4日目と継続するのはとても難しいため、保護者が1日目と同じ気持ちで我が子に接することが大切です。
最後は、周りの子と比較するのではなく、昨日の我が子と比べることです。
周りの子とつい比較してしまう気持ちはわかります。ですが、周りの子と比べて我が子がどうなのかは、保護者の目では知るのは難しいでしょう。大事なのは、子どもの課題をどうとらえどう対処するか。そして、その課題を「今日の我が子は昨日に比べてできるようになったか?」です。
また「こんなにして、過保護ではないか?」「周りの友達に聞いたら、こんなことしていないって言われた」と悩むかもしれません。でも気にする必要はありません。現在の課題が連絡帳を書けないということなら、子どもに伴走しましょう。そして、そこまで我が子のことを考えている自分にご褒美をあげてくださいね。
Q.大事な連絡事項をキャッチアップするおすすめの方法はある?
A.1つ目は、クラスの保護者と仲良くなることです。ちょっとしたことを相談できる仲間を作りましょう。とはいっても、保護者会だけでは仲良くなれないのも事実だと思います。PTAの行事に参加するのもよいですし、我が子の習い事関係の友達の保護者とつながるのもよいですね。
2つ目は、学校のホームページを見ることです。意外と見ていない人が多いのではないでしょうか? 今は、どの学校のホームページも充実しています。学校だよりもありますし、毎日の学校の様子が写真で紹介されている学校も多いです。とりあえず、楽しみながら毎日1回見てみてください。
「書いていないのは我が子だけなんじゃないか?」「私がちゃんと見ていないからいけないのかも……」
こんな風にいつのまにか我が子のことなのに、自分のせいにしてしまいがちです。我が子は我が子。あなたはあなたです。我が子の保護者であることは変わりませんが、また別の人間であることも変わらない事実です。
事実を事実と受け止め、分からないことで悩みすぎないようにしましょう。保護者のかたが笑顔でいる時間が長いことが、何よりもよい子育てにつながっていくと思います。
まとめ & 実践 TIPS
先生として勤務されてきた経験をもとに、アドバイスをお聞きしました。保護者のかただけでは、どうサポートすればよいか、なかなかわからないもの。まずは担任の先生に協力を仰ぎながら、無理のない範囲でお子さまへの声かけを始めてみてはいかがでしょうか。
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