医療技術系ってどんなことを学ぶ?
世の中にはたくさんの学問があります。どんな内容で、何を学んでいくのか知っておくことは、自分の興味や関心の方向性を探れることはもちろん、進路を決めるために、大いに役立つでしょう。今回は「医療技術系」を取りあげます。
医療技術系とは?
「医療技術系」とは、医療機器を用いた臨床検査技術の開発や研究を行い、人々の健康を追究していく学問です。医学や看護学とも大きく関わります。さまざまな分野に細かく分類されているため、自分がどの分野を究めるかという選択も重要です。
医療技術系ではどんなことを勉強する?
医療技術系には、次のような分野があります。
【検査系】
「臨床検査」をメインとする分野です。
・生化学・血液学・免疫学的検査(細胞や血液から病気の種類や患者の抵抗力を調べる)
・微生物学的検査(血液や尿などから細菌やウイルスを調べる)
・病理学的検査(組織中のがん細胞などを調べる)
そのほか、CT(コンピュータ断層撮影)やMRI(核磁気共鳴映像法)など、最先端技術を用いた検査方法、放射線を用いたがんの治療法なども研究していきます。
【リハビリテーション系】
身体の機能を回復するための機能回復訓練=「リハビリテーション」について学びます。特に次のようなものがあります。
・理学療法(体操やマッサージなどによる機能回復方法)
・作業療法(社会復帰のための方法)
・感覚機能療法(視聴覚・言語機能の回復方法)
【鍼灸(しんきゅう)】
東洋医学の経験にもとづいた、鍼(はり)や灸(きゅう)の効用を研究します。科学的な根拠はまだ十分には解明されていませんが、その効果は大いに注目されています。
医療技術系の講義はどのように設定されているか
さまざまな分野の知識を積み重ねたうえにある学問ですので、共通して学ぶ基礎科目は広範囲に及びます。物理学、化学、生物学や、医学系の基礎科目である病理学、衛生学、臨床免疫学、解剖学、生理学、生化学、微生物学、薬理学などです。
3年次以降は、自分で選択した専門的な科目を学びます。すべての分野において「実習」はとても重要なもの。X線やCTなどの機器を使ったり、採血したりして、知識に経験を結びつけることで技術を確実なものにしていきます。
医療技術系を学んだ人々の卒業後の進路
専攻した分野に応じ、臨床検査技師、診療放射線技師、理学療法士などの国家試験受験資格を得ることができます。資格を得た人は、病院や検査機関、リハビリ施設などで専門的な技術を駆使して活躍しています。そのほか、労務・健康管理業務関係、医療機器関連の企業に就職する人もたくさんいます。