【専門家監修】大学の学費はいくら必要?文系と理系・国公立と私立別の目安
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お子さまの大学進学を考えるにあたって、避けて通れないのが学費の問題。
「大学進学にはお金がかかるとは聞くけれど、実際どれくらい必要なの?」と心配な保護者のかたも多いのではないでしょうか?
大学の学費は、「国公立か私立か」「文系か理系か」など、進路によって大きく異なります。お子さまの進路が決まってから慌てないように、必要な学費の目安をあらかじめ押さえておきましょう。
最大約400万円の差!国公立大・私立大の初年度の学費
「進路によって学費がどのように変わるか」を比較するために、大学の初年度納付金の平均値を比較してみましょう。
※e-Gov法令検索「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」より国公立大学学部(昼間)の標準値より算出。
※文部科学省「2023年度 学生納付金調査結果」より公立大学昼間部の平均値。
※文部科学省「令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均値(定員1人当たり)の調査結果について」より私立大学学部(昼間部)における平均値。
*公立大学の入学料は、地域外の場合の平均値。地域内の場合の平均値は225,674円。
国立大学の入学料と授業料は、文部科学省令で定められた標準額を踏まえたうえで、各大学一定の範囲内でそれぞれ定めることになっています。現状では標準額と同じ金額を設定する大学が多く、大学・学部間での差はあまり見られません。
公立大学の学費(平均値)は、住んでいる場所が「地域内」か「地域外」かによって入学金に差がある大学が多く、地域内入学者になると国立大学よりも初年度の学費がかからない場合もあります。
国公立大学は、基本的に施設設備費がかからない点もポイントです。
大学の初年度納付金(平均値)の詳しい金額はこちらです。
※e-Gov法令検索「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」より国公立大学学部(昼間)の標準額より算出。
※文部科学省「2023年度 学生納付金調査結果」より公立大学昼間部の平均値。
※文部科学省「令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均値(定員1人当たり)の調査結果について」より私立大学学部(昼間部)における平均値。
*公立大学の入学料は、地域外の場合の平均値。地域内の場合の平均値は225,674円。
国公立大と比べて、私立大学はどの学部においても、初年度納付平均値が高くなっています。また、私立大学は学部系統によっても大きな金額差があり、特に顕著なのが医歯系学部です。
私立大学医歯系学部と私立大学理系学部との差は約330万円で約3倍、国立大との差では約400万円で約6倍となっています。
大学入学から卒業までの学費総額ではさらに差が大きい
次に入学料や授業料、施設整備費を合計した「入学から卒業までにかかる学費」を比べてみましょう。初年度にかかる学費より、大学・学部ごとの差はさらに大きくなります。
※国立大学、公立大学、私立大学文系・理系は4年間、国立大学医歯系、私立大学医歯系は6年間で算出。
※e-Gov法令検索「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」より国公立大学学部(昼間)の標準額より算出。
※文部科学省「2023年度 学生納付金調査結果」より公立大学昼間部の平均値。
※文部科学省「令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均値(定員1人当たり)の調査結果について」より私立大学学部(昼間部)における平均値。
*公立大学の入学料は、地域外の場合の平均値。地域内の場合の平均値は225,674円。
まず、国立大学と私立大学を比較すると、文系学部で約168万円、理系学部で約299万円、医歯系だと2,000万円以上の差が見られ、私立大学の学費が高くなっていることがわかります。
私立大学の文系と理系を比較した場合、その差は約130万円。理系学部の学生は文系学部に比べて大学院に進学するケースが多いため、学費面の負担は、より大きくなる可能性があります。
大学入学〜卒業までの学費総額目安の詳細はこちらです。
※国立大学、公立大学、私立大学文系・理系は4年間、国立大学医歯系、私立大学医歯系は6年間で算出。
※e-Gov法令検索「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」より国公立大学学部(昼間)の標準額より算出。
※文部科学省「2023年度 学生納付金調査結果」より公立大学昼間部の平均値。
※文部科学省「令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均値(定員1人当たり)の調査結果について」より私立大学学部(昼間部)における平均値。
*公立大学の入学料は、地域外の場合の平均値。地域内の場合の平均値は225,674円。
国公立大学は、施設設備費がなく授業料も私立大学より低く設定されていることが多いため、4年間または6年間大学に通うとなると私立大学との学費総額に差がでます。
受験料や下宿代…大学は学費以外にも費用がかかる!
受験料(入学検定料)の目安
※大学入試センター「大学入学共通テスト検定料」
※e-Gov法令検索「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」より国公立大学学部(昼間)の標準額より算出。
※文部科学省「2023年度 学生納付金調査結果」より公立大学昼間部の平均値。
※生命保険文化センター「私立大学の受験料」
受験料を比べてみると、国公立大学ではさほど変わりませんが、私立大学は30,000〜35,000円と2倍近く高くなっています。受験料のほかに、願書の取り寄せや発送にかかる費用、受験のための交通費・宿泊費などの費用も必要です。
受験する大学が増えると、受験費用もその分増えることは覚えておきましょう。
生活費の目安
お子さまの生活費は、下宿か自宅通学かで費用は大きく変わります。
※JFC日本政策金融公庫「令和3年度教育費負担の実態調査結果」参照
お子さまが下宿して大学に通うとなると、平均して年間100万円近い仕送りが必要です。
一方、自宅通学によってかかる費用は
- 交通費 平均月々9,380円(年間約112,560円)
自宅通学は、下宿と比べると9分の1ほどで済むケースが多いようです。
下宿には大きな費用がかかるため、希望する大学によって準備する金額も変わります。
早いうちに、下宿する可能性があるのかをお子さまと話しておくと安心です。
このように、「国公立か私立か」「理系か文系か」「下宿か自宅通学か」によって、費用は大きく異なります。大事なことは、早めに捻出できる学費の上限を話しておくこと。
- 「国公立大学であれば、下宿OK」
- 「私立大学理系学部であれば、自宅通学で」
- 「下宿をする場合は、奨学金を検討する」など
学費や下宿費用などを考えたうえで具体的な条件が話し合えると、お子さまも現実的に将来について考えることができ、進路について真剣に考えるきっかけになるかもしれません。
まとめ & 実践 TIPS
「国公立か私立か」「文系か理系か」など、選ぶ大学によって学費は大きく異なります。大学の学費の目安を知ることは、「学費をどう準備するか?」を考えるきっかけになります。
お子さまが希望の大学・学部に進学できるよう、かかる学費も考慮して家族で話し合いながら、しっかり準備を進めていけるとよいですね。
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