高校受験まであと1年。親はどこまで関わる?

 高校受験は、多くの子どもたちにとって、自分自身で人生の大きな決断をする、人生最初の大イベント。このタイミングで「自分で人生を選ばなければいけない」と子どもに気づかせることが、とても大事です。中学生に自立をうながす親の関わり方について、ベネッセ教育総合研究所顧問の深町芳弘先生がお話しします。

 

 

高校受験は自立のタイミング

 高校受験を機に、子どもの自立をうながすことが、保護者の大きなテーマになります。実は子どもはいくつになっても子どもですから、もちろんかわいいものです。「失敗させちゃいけない」と思うのも親心かもしれませんが、親が何でも先回りしてしまっては、本人はなかなか自立することができません。

 

 小学校低学年までは、身の危険に対する意識も低く、判断基準も不十分ですから、親が常に見守り、必要に応じ指図する必要があります。しかし、それをずっと続けてしまっては、子どもの自立の芽を摘んでしまいかねません。

 

 

子どもの自立と、親の無関心は別物

 本人に決断させるとは言っても、無関心とは違います。高校受験についても何を考えているのか、どう思っているのかなど、本人の気持ちに耳を傾けてほしいです。その内容によっては、考えを改めさせて、違う頑張り方に導くほうがいいときもあるでしょう。そんなケースでも、普段から安易に「こうしなさい」と言ってしまっていたら、子どもは納得しにくいはず。日頃から、子どもがそこに至るまでの気持ち、考え方を聞いていてこそ、適切な助言ができるのだと思います。

 

 子どもは、いつまでも同じ状態ではありません。心も体も、日々変化します。また、自分でできることとできないことには個人差がありますから、「ここまでは任せてもいい」という基準も、一人ひとり違うものです。したがって、保護者のかたは一般論に振り回されず、子どもを固有の人格として見てあげることが、最も大事だと思います。

 

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