大学研究室発 国家資格の社会福祉士を育成する、社会福祉学科とは?
大学や学部をどのように選び、何を学べば将来に生かせるのか。そのヒントを求めてさまざまな大学の研究室を訪ねるシリーズ。今回は、社会福祉士の育成と社会福祉制度問題の解決などに取り組む、淑徳大学の結城康博准教授の研究室に伺った。
世の中には、さまざまな形で困難に直面している人たちがいます。そうした人たちの相談を受け、専門的な知識や技術で援助し、問題解決にあたる専門職が社会福祉士です。社会福祉学科は、社会福祉士になるために必要な専門知識や、技能を学ぶ学科です。
国家資格である社会福祉士になるには、国家試験に合格する必要があります。国家試験を受けるには、大学や専門学校に通い、人の体や心、相談援助の方法、福祉に関する社会のしくみや法律など、さまざまなことを学ぶことが必要です。さらに、福祉の現場などで相談援助の実習を決められた期間、経験していなければなりません。
社会福祉学科では、4年間で知識を積み、経験を重ね、卒業すれば国家試験の受験資格を得ることができます。また、身体的な介護を行うためのホームヘルパーの資格を、在学中に取得する学生もいます。
社会福祉士は、困っている人から悩みを引き出し、解決するのが仕事です。話を聞きながら相手の心を探り、信頼や共感を得て、心を開いてもらう、高いコミュニケーション能力が求められます。そのために必要な相談援助の方法を身に付けることが、国家資格を得るための必須条件です。私たちの大学でも、さまざまなシチュエーションで、それぞれの人の立場に人になりきって話をするロールプレイングの実習などに力を入れています。
コミュニケーション能力を育てるためには、部活やサークルで仲間たちと一緒に過ごし、組織を運営したり、専門以外に一般教養を身に付けたりすることも効果的です。大学では、1~2年生では主に一般教養を学び、課外活動にも打ち込めますから、こうした経験は大きな財産になると思います。
出典:淑徳大学 総合福祉学部 社会福祉学科 社会福祉士を育成しながら、現場の経験を活かして社会保障政策などを研究 -ベネッセ教育情報サイト