夏休みのスランプ予防・克服法 [中学受験]

夏休みということだけではないが、2~3年間にも及ぶ中学受験では受験勉強にやる気がなくなるスランプの時期がある。40日という長期にわたる夏休みには、大なり小なりスランプがあると考えておいたほうが良いだろう。しかし、6年生の夏休みは受験生にとって、スランプになっているどころではない大事な時期なので、今回はスランプ予防・克服法を考えてみたいと思う。

大人は誰でも、長期間、受験勉強をしていてスランプに陥った経験があると思う。軽いスランプは、単に調子が出ないだけで、学習に対する嫌悪感があるわけでもないので、本格的なスランプに陥る前に、スランプを予防することを考えるべきだろう。スランプに陥らないようにするためには、適切な睡眠・食事・運動を心がけることだ。特に睡眠が大事。しっかり寝て英気を養うことがなにより大切だ。

軽く体を動かすこともスランプを予防する効果がある。体を動かすだけでなく、変わる景色を見ることで気分転換を同時に行う散歩はさらに効果が高いだろう。趣味を本格的に行うことはできないが、気分転換に少しだけ好きなことをするのも良い。気分転換はスランプの予防には欠かせない要素だが、あまり重視されていないように思える。人間は機械ではないので睡眠・食事・運動を与えておくだけでよいというものではない。気分転換ということで、勉強する場所を変える親子も多い。父子で、あるいは母子でファミレスで勉強したり、電車の中で社会・理科の豆知識を暗記する人も多い。最近は、少子化のせいもあって、子どもが個室を与えられることが多いが、むしろ非効率になりがち。ダイニングや居間に家族がいて、そこで勉強することで適度の安心感と緊張感が持てるもの。個室から子どもを出してあげよう。

それでもスランプに陥った時はどうするか。自分自身がスランプから抜け出したいと思う気持ちがあれば、これは見込みがある。目の前にあることを少しずつこなしていくことを、心がけるとよい。勉強の進度が遅れていることがストレスとなって、スランプになっていることが多いからだ。歩調をスローダウンして、そのようなときは一歩ずつ前に進むことを考えればよい。気が付けば走り出せていることだろう。


プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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