「過去問」をどのように使うのか(1)[過去問の効果的な取り組み方 第2回]
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我が子の学力特性を知る
「過去問」対策というと、受験する学校の問題研究と思いがちですが、それ以上に大切なことは、早めに我が子の学力にどのような特性があるかをつかむことです。
たとえば、国語でいうと、物語文は得意だが論説文は苦手とか、漢字語句問題はできるが記述は苦手とか、算数で特殊算は点が取れるが図形は取れないとか、理科で生物分野は得意だけれど計算問題はできない、といった我が子の傾向です。
こうした特性を知るためにも、早めに「過去問」に当たる必要があるのです。これができていれば、少なくとも問題面での不利な受験校選択は避けられるはずです。
回数によって取り組み方を変える
「過去問」の取り組み方は、1回目の場合と多数回目の場合とでは違いがあります。
1回目では、入試問題に慣れること、自分の学力の強み・弱点を知ること、自分の学力と「過去問」との相性を知ることと考えて、試験時間や点数は気にしないようにしましょう。この時期、試験時間内にすべてを解かなくては…とプレッシャーをかけるのは禁物です。
「3年分を繰り返し3回やった」などという人もいますが、2回もやればお子さまは答えを覚えてしまうもの。3回目はできた問題は飛ばして時間を節約しましょう。よく満点が取れるまで、繰り返し何回も解くご家庭がありますが、これは時間のムダです。また、入試問題の中には正答率が一けたの問題もあります。このような10人に1人も解けないような問題はできなくていいのです。このような問題に何度もぶつかって時間を使うのはもったいないです。
すきま時間を上手に活用
「過去問」というと、どうしても“学校別、年度順に取り組む”というオーソドックスなやり方をしたくなります。ですが受験生にとっては、普段は学校の授業があり、秋には学校行事も重なって、そのうえ塾にも通っていれば、「過去問」をやる時間を見つけるのが大変です。
塾のある日は「過去問」には手を付けなくてもいいですし、「就寝前の30分、朝登校前の30分を充てる」というやり方をしてもいいでしょう。その分、塾のない日は「1校の1年度分を攻略」という目標を立てたいものです。
普段は手を付けず、まとまった時間が取れる休日を集中的に「過去問」対策に充てるという取り組み方もあります。
気を付けたいのは、時間がある時に取り組むというやり方をして、先延ばしになってしまうことです。計画的に取り組まないと本番までに消化できません。学校・年度・教科を記した計画表を作って机の前に貼り、終わったところから塗りつぶしていくようにします。こうすると終えた分が目に見える形になるので、本人も達成感を味わえます。
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