なぜ「過去問」に取り組むのか[過去問の効果的な取り組み方 第1回]
これからの受験勉強は実戦的なものになります。その中心が「過去問」対策です。志望校の過去3か年くらいの入試問題を手に入れ、総まとめの勉強と並行して「過去問」の演習にかかりましょう。入試問題は学校によって特徴があるので、「過去問」の演習をしてその学校の問題に慣れると同時に、学力が足りないところに気付いたら急ぎ補強することが大切です。
受験予定の学校の入試問題に慣れておくと断然有利
入試問題は誰が作るのでしょうか? 当然ですが、その学校の先生です。教科の先生が集まって、学校の出題方針を確認・検討して問題を作成します。学校の方針が大きく変わることはめったにありませんから、入試問題はその学校らしい特色を持つことになります。
よく、「過去に出題された問題は出ないから、『過去問』をやっても意味がない」と言う人がいますが、そんなことはないのです。入試問題が学校によって異なっていて、学校ごとに毎年同じような問題形式で、よく出題される分野があり、記述の分量もほぼ一定で出題されているとすれば、受験予定の学校の入試問題を入手して準備しておくと断然有利になります。とくに入試問題に特徴や癖がある学校は、事前に「過去問」に取り組んでおくとよいでしょう。
「学校説明会」に参加して実物の過去問を入手、出題傾向を知る
では、「過去問」はどのように入手したらいいのでしょうか。
一つの方法は、受験生・保護者を対象にした「学校説明会」に参加することです。学校説明会に参加すると、学校によっては前年実施した入試の実物の問題用紙や解答用紙、模範解答などが配布されます。書店で売っている「過去問題集」は実際の解答用紙とは大きさに違いがあるので、実物を手にすることで実際の記述のスペースなどがわかります。そればかりではありません。学校から説明される場合もあります。たとえば、「これが我が校の昨年の入試問題です。このような出題意図で、合格者の平均点は何点で、この問題が合否を分けていました」とか、「我が校は各科このような出題傾向、出題量、採点基準で行います」など、今、学校は受験生(保護者)に出題傾向や受験対策を知らせることに積極的です。本番に近い時期の学校説明会は「入試説明会」という名称で行われることが多く、入試の話に重点が置かれるので、時間が許す限り参加するといいでしょう。入手した実物の入試問題および解答用紙は、何回でも使えるようにコピーを取っておきます。
なお、予定が合わず学校説明会に参加できない時は、書店で「過去問題集」を購入します。この場合は、問題や解答用紙が縮小されているので、冊子に記載されている拡大率でコピーを取るといいでしょう。なかには、使いやすいように切り貼りをしたという人もいます。コピー・切り貼りは親の役割と決めて、コピー役に専念していたという先輩保護者が大勢います。