「過去問」をどのように使うのか(2)[過去問の効果的な取り組み方 第3回]
最初は点数を気にしない
「過去問」をやると、すぐ「何点取れたの?」と質問する保護者がいます。1月までは、何点取れたかを気にするのではなく、知識を身に付ける、記述力を付ける、弱点を発見するといった、学力アップにつなげることを忘れないでください。
大まかな合格ラインは60~70%ですが、学校や年度、教科によって違います。学校のホームページや書店売りの「過去問題集」等で調べられます。最近は「合格最低点」のほかに、「各教科の合格者平均点」、「各教科の受験者平均点」など、いろいろなデータが載っていますので、単に「合格最低点」に達しているかだけでなく、お子さまがどの教科の点が取れているか、どの教科が弱いか、というところまで注目してください。
最初から高い点数は取れないものです。入試本番で合格最低点が取れればいいというくらいの心構えで、焦らずに1校1教科ずつ攻略していきましょう。
試験時間内に解く感覚を身に付ける
「過去問」に慣れてきたら、実際の試験時間に合わせて解くようにします。まず1教科ずつ、時計をセットして取り組みます。半分ぐらい終わった段階でどのくらい時間が経過していたのか、制限時間内に問題全体に手を付けることができたのか、解答を見直す時間はあったのか、どのくらいのスピードでやる必要があるのか、時間を皮膚感覚でつかむようにします。
ある合格者は、「国語が苦手で、読むのが遅く、全問に手を付ける前に時間切れということがよくあった。読むスピードを上げる練習をしてなんとか解けるようになった」と言います。ある入試担当の先生は「時間配分に慣れていないためか、後半が空欄(無回答)の受験生が少なからずいる。もったいない」と指摘しています。演習量を増やして、時間内にひととおり手を付けられるようにしておきましょう。
まだ先のことですが、入試直前になったら本番と同じ順番で4教科まとめて、試験時間内で「過去問」にチャレンジしてみることです。かなりの集中力を要することがわかります。このようにして、入試本番の時間の感覚を身体でつかんでおきます。
「過去問」の効果的な見直し方
当然、解けなかった問題、間違えた問題が出てきます。その都度その問題の分野のテキストに戻ってもいいのですが、これをやるとどうしても時間を取られますし、学校ごと、年度順では効果的ではありません。
見直しは教科ごとにできなかった問題をチェックし、2問以上にわたって無回答・不正解の問題の分野はお子さまが弱いところなのですから、テキストまで戻って復習する必要があります。