学校難易度別2011年中学入試受験者数予測の検証[中学受験]
首都圏2011(平成23)年中学入試では、偏差値の低い学校であればあるほど難易度は下がり、全体的には受験者数が減少するが、難関・上位校はそれほど易しくならないのではないかという予想をした。その理由は、2010(平成22)年入試では受験者数が全般的に減少することで、確かに全般的な難易度は下がったと思うが、難関校や上位校の難度はそれほど変わらなかったからだ。
実際に2010(平成22)年入試では前年対比の受験者数増減率が、男子全体では−7.4%、女子全体では−5.6%で全体では−6.5%となった。しかし、難易度別に見ると、男子は、
難易度A校−4.6%
難易度B校−4.7%
難易度C校−6.1%
難易度D校−7.4%
難易度E校−15.3%
難易度F校−22.5%
難易度G校−26.6%
と明確に、学校の難易度が下がれば下がるほど前年対比の受験者数の減少率が高くなっている。
女子は中堅の難易度CD校の受験者数減少率が最も少なく、難関・上位の難易度AB校が次に少なく、中下位の難易度EFG校が最も大きくなっている(※1)。女子の難関・上位難易度校の受験者数減少率がそれほど少なくなかったのは、前年の2009(平成21)年入試はサンデーショックで難関・上位の受験者数が大幅に増加したためである。2010(平成22)年入試では例年並みに戻ったので、減少率が多いように見えるが、実際には女子も男子と同じで学校難易度が下がれば下がるほど前年対比の受験者数の減少率が高くなっていると考えられる。また、女子の受験者減少率が男子と同じ傾向であることは次に述べる四谷大塚の第1回合不合予備の前年対比の志願者数増減率が男女で同じ傾向であることからも検証できる。
2011(平成23)年入試の受験者数を予測するために、今年の四谷大塚の第1回合不合予備の前年対比の志願者数増減率を学校難易度別に分析した(※2)。男女とも一部の難易度で多少のイレギュラーはあったが学校難易度が下がれば下がるほど前年対比の受験者数の減少率が高くなる傾向がある。この傾向は2010(平成22)年入試の前年対比の受験者数増減率と同じである。
なお、四谷大塚の第1回合不合予備は多くの受験生が参加する大規模なテストなので信頼性は高く、今年の志願者数前年対比の減少傾向から2011(平成23)年入試の受験者数前年対比の増減傾向となる可能性は高い。結果として、2011(平成23)年入試では学校難易度が下がれば下がるほど受験者数が減少することになり、わたしの予測どおり難易度の低い学校であればあるほどは下がるが、難関・上位校はそれほど易しくならないという予想を裏付けるデータとなった。
つまり、2011(平成23)年中学入試の難易度予測は、難易度A校では多少難しくなるが、難易度B校以降は低くなればなるほど易しくなる。この現象は2012(平成24)年入試まで続くが2013(同25)年入試以降は元に戻ると予想できるので、難関の難易度A校は別としても、来年は一時的に上位校に入りやすくなる。受験生にとって、チャンスの年とも言える。
※1:女子は難易度A校−7.5%、難易度B校−6.7%、難易度C校−0.4%、難易度D校−7.8%、難易度E校−10.3%、難易度F校−21.8%、難易度G校−19.6%
※2:男子は難易度A校+0.5%、難易度B校−5.3%、難易度C校−9.2%、難易度D校−7.9%、難易度E校−10.0%、難易度F校−13.0%、難易度G校−25.9%
女子は難易度A校+7.7%、難易度B校−2.2%、難易度C校−7.0%、難易度D校−6.5%、難易度E校−12.9%、難易度F校−19.3%、難易度G校−32.3%