【幼児英語教育の考え方・3】「エピソード記憶」で英語が脳に残る
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小中高等学校を中心に英語教育研究をしている、ベネッセ教育総合研究所 主任研究員(グローバル研究室)・加藤由美子氏のお話より、今回は「どうすれば記憶に残りやすいのか」ということにフォーカスをあてて考えてみましょう。

楽しい時間は記憶に残る、「エピソード記憶」
楽しいことの中で出会ったもの・知ったものは、大人だってよく覚えているもの。「覚えなければいけない」という義務感の中ではなかなか覚えられないことも、楽しかった記憶と一緒であれば脳に残りやすい...これを「エピソード記憶」といいます。これは、赤ちゃんから幼児の英語学習においても大切にしたいものです。
たとえば、お風呂に入ってゆったりとした気持ちの時にママと楽しく歌った歌であれば、そのあとも忘れず覚えている可能性は高くなります。はっきりした記憶として残らなくとも、将来どこかで思い出したり、記憶の中によいものとして蓄えられたりします。
いくつになってもスキンシップを欠かさずに
記憶に残りやすいといえば、スキンシップです。スキンシップの頻度は年齢とともに、徐々に減っていきます。幼稚園・保育園に入園することで、「減らすことに慣れていかなければならない」という面もあるでしょう。いつまでもおひざの上、というわけにはいきません。
ですが、やはり何歳であろうと「スキンシップ」は大切なものです。少し大きくなったなら、手をつなぐ、ダンスしながらタッチするなど、保護者との関わり方をうまく変化させていきましょう。英語への取り組み方も、おひざの上で「絵本を読む」から「歌」「ダンス」など、発達に合わせて、「英語で遊ぶ」内容は増えていきます。その中でうまくスキンシップを続けていきたいですね。
「一人遊び」も大切に、時々声がけを
また、年齢が進むにつれ、教材を相手にした「一人遊び」もできるようになります。自分でいろいろやってみることができ始める段階ですね。子どもがDVDや絵本を見ている時、「何かを一人で真剣に考えているようだ...」という様子があれば、「邪魔しない」ということが必要です。一方で、そのまま教材任せにするだけでもいけません。どんな様子でDVDや絵本を見ているのかに時々注意を払い、何が映っていたのか聞いてみたりして、好奇心をうまく刺激し、気づきを促すことなども行いたいものです。
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