体験学習や家族イベントにひと工夫! 日常生活を勉強につなげて受検対策
茨城県立並木中等教育学校は2008年4月に開校した茨城県立初の中等教育学校です。設置母体校の県立並木高等学校は、地元の筑波大学をはじめ多くの大学合格者が輩出している進学校です。つくば学園都市の東南に位置し、周辺には国立研究機関が多数あり、教育環境にも恵まれています。
そんな同校に2009年4月に入学した白川明日香さんとお母さまに受検勉強のポイント、夏休みの過ごし方など、合格までの道のりを伺いました。(2009年8月6日更新)
profile 茨城県立並木中等教育学校1年 白川明日香(しらかわ・あすか)さんとお母さま・智子(さとこ)さん、妹さん・晴香さん(右)、智香さん(中央)2009年4月、茨城県立並木中等教育学校に入学。お住まいは茨城県守谷市内の静かな住宅街にあります。仲良し3人姉妹のいちばん上のお姉さんです。書道、音楽、料理が趣味。好きな教科は英語。ロシアンブルー系のすらりとした猫を飼っています。 |
公立中高一貫校なら自分のペースを崩さずに受検対策ができる
並木中等教育学校受検の経緯を教えてください。
お母さま
私が公立中高一貫校に興味があったので、明日香が4年生くらいの頃からネットや新聞などで情報を集めていました。私立と公立中高一貫校を併願すると本人のプレッシャーが大きくなり、リスクも高くなると思いましたので、私立中学の受験は考えませんでした。5年生のときに並木中等の学校説明会に参加して、さまざまな体験学習があることを知り、幅広く「人間力」を育てるという教育方針がいいと思いました。
明日香さん
学校説明会に行って先輩や先生の話を聞いて、良さそうだと思いました。私はもともと英語に興味があったのですが、英語の授業が充実していて国際交流が盛んだと知り、並木中等に行きたいと思うようになりました。まだできたばかりの学校で、自分たちで学校をつくっていけるという雰囲気もいいと思いました。
お母さま
小学2年生から進研ゼミの「チャレンジ」を受講させていたのですが、今まで培ってきた家庭学習のペースを崩さずに受検対策ができそうだと感じたのも受検を決めたポイントでした。公立中高一貫校のメリット・デメリットを全部話して最終的には本人に決めさせました。
日常生活を勉強につなげて経験を積み上げていく
受検を決めてから、どんな対策や勉強を始めましたか?
お母さま
受検対策として進研ゼミの公立中高一貫校用のコースを始めました。あれこれ手を出さずに教材を絞ってじっくりと取り組みました。
市販の問題集より解説が丁寧でわかりやすかったので、わからない問題を聞かれたときに助かりました。作文対策用の教材は文章量が多い作文が書けるようにと始めたのですが、作文の書き方が上手になり、文章を書くことが得意になったようです。
明日香さん
始めたばかりの頃は問題が全くわからなくて苦労しました。まるつけは自分でやっていましたが、答えの解説文を読んでもわからない問題は母に聞きました。母もわからない問題はためておいて、週末に父に教えてもらいました。わかるまでじっくり取り組みました。続けているうちにだんだん親に聞く回数が少なくなっていった気がします。適性検査問題を解くには知識だけではなく、解き方のトレーニングが必要だと感じました。本番の適性検査では同じような問題が出ましたよ。
作文対策用の教材では、自分の意見や長い文章を書くテクニックが身につきました。「つなぎ言葉」がうまく使えるようになって、作文が上手に書けるようになった手応えを感じました。
自分でまるつけをした作文対策用の教材。解答・解説をしっかり読んで丁寧にまるつけをしました。
教材以外にどんな受検対策をしましたか?
明日香さん
学校の宿題をがんばりました。「自主学習ノート」を作り、1日2ページ、なんでもいいから自分でテーマを決めて勉強するというものです。4教科の学習をしたり、日記を書いたり、『朝日小学生新聞』を読んで気になる記事をスクラップして感想を書いたりしました。自分の好きな勉強ができるので続けられたと思います。勉強の気分転換として本をよく読みました。
毎日2ページずつ取り組んだ「自主学習ノート」。カラーペンを使って見やすいノートづくりを心がけました。
お母さま
公立中高一貫校に合格するためには、まず学校の勉強をしっかりと身につけ、その上にいろいろな経験を積ませることが大事だと思いました。ですから、日常生活のちょっとしたことを勉強につなげるように心がけていました。
例えば一緒に買い物に行ったときに3個入りと4個入りのヨーグルトがあったら、1個あたりではどちらが安いか考えさせたり、料理を作るときに3人分の材料を5人分に直したり。家族でテレビを見ていてわからない言葉があったときはすぐに調べられるように、食卓の上に辞書と図鑑を置いておきました。本当はテーブル周りに物を置きたくなかったのですが、家族でテレビを見ていて、そこに出てきた言葉の意味をすぐ調べてみたり、そこから派生した言葉や事柄をさらに調べたりできて良かったです。