【社会の入試対策】日常生活の工夫で差をつける3つのコツ

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社会は「暗記することが多くて覚えられない」「問題集とは別の資料から問題が出る」など、定期テストや入試対策で悩まれるお子さまも多いかと思います。そこで今回は日常生活の一工夫でできる社会の入試対策についてご紹介します。

この記事のポイント

社会の定期テスト対策や入試対策で失敗する原因は?

社会を苦手とするお子さまからは「社会は暗記することが多くて覚えられない」「社会は問題集でみたことのない資料から問われる」ということをよくお聞きします。

社会のテストや入試は教科書で覚えた用語を答えるだけでなく、いま現在世の中で起こっていることを切り口に社会の内容を問う時事問題など多岐にわたって出題されます。そのため、用語暗記にこだわっていては、高得点が望めません。
学習内容の理解には、文字だけでなく図解や写真、動画や音声など具体的なイメージと結びつけることが有効だといわれます。

そこで社会が苦手なお子さまが、ふだんの日常生活の一工夫で「学習内容を具体的なイメージと結びつけ、社会の理解を深める」方法を3点紹介します。

買い物と食卓で「産地」を学び、リビングに地図帳を置く

社会は地理分野、歴史分野、政治や経済を扱う公民分野に分かれています。そのうち地理分野の都道府県の学習は小学4年生からはじまりますが、中学入試・高校入試では都道府県について、名前、形、位置、産業、名産品、主要都市など、いろいろな切り口での理解が求められます。
そのため中学受験を考えるご家庭では、早い段階から47都道府県を覚えるため都道府県のパズルやカードゲームに取り組ませたり、日本各地へ旅行に出かけたりすることで対策しているとよく聞きます。中学受験の経験なしで高校入試をする場合、都道府県の学習は手薄になりがちで差のつく分野となります。

そんな差がつく都道府県学習の対策としては、食材や加工食品の【産地】を意識してながめることをおすすめします。
たとえば買い物に行った際に「キャベツの段ボールに【群馬】と書いているね」とか、「お肉のパックに【宮崎産】と【岩手産】のシールが貼ってあるね」「海外からのスポーツ選手が【福島】の桃をほめていたね」など、日常生活でふれた具体例を知っておくと、教科書にある「キャベツの出荷が多い【群馬】」「畜産がさかんな【宮崎】」が、より理解しやすくなります。
さらにスーパーや百貨店などのチラシにある、「地方の特産品フェア」や旬の食べ物などに注目するのもおすすめです。このようなチラシにのっている農産物や加工食品から、「【北海道】は乳製品、【沖縄】はさとうきびを使ったお菓子が多いね」などの気づきを得ることが、その地方の産業・気候を知るきっかけにもなります。

今年の中学入試では、SDGsに関連して「持続可能な漁業で獲られた水産物」を示すMSC認証に関する出題がみられました。MSC認証のマークは食品のパッケージについていますが、机の前だけでなく広く日常生活に関心をもつことが、このような問題を解きやすくします。
そしてもう一つ大事なことは、「リビングに地図帳や参考書を置いておく」ことです。せっかく興味をもったものの、「あとで調べよう」となると、よほど好きなことでない限りは結局調べないことがほとんどです。「気になったらすぐ調べる」は、大人になってからも大事な習慣なので、お子さまが関心をもったら自然に学習内容に誘導できるような環境づくりも必要です。

  • 食品ラベルにある産地をながめるようにする
  • スーパーのチラシにある特産品や旬の食べ物をみるようにする
  • リビングに地図帳や参考書を置く

テレビの「ニュース」「クイズ」で学び、本で調べる

社会の学習でよく言われるのが「新聞・テレビのニュースをみること」です。ただ新聞をすみずみまで読んだり、毎日1時間もあるニュース番組を見続けたりするのは、あまり現実的ではありません。
そこでニュースに無理なく接するために、毎日「新聞一面の大きな見出しを2つ」か「テレビの5分ニュース」をみるようにしてみてはいかがでしょうか。ニュース番組も1時間丸々見なくても、夜7時直前の5分ニュースをみるだけでも、習慣として積み重ねれば効果がでてきます。
またテレビでのクイズ番組では、地理や歴史など社会からの出題も多いので、地理や歴史をテーマとしたクイズ番組を視聴するのもおすすめです。食べ歩き番組や旅番組、ご当地紹介番組なども、同じく地理や歴史の学習に有効です。

現在ではインターネットからニュースを確認するという方法が一般化していますが、インターネットは「探し方を知っているもの」を「探したい意思をもって探す」ため、自分の意図した情報が集まりがちで、偶然の出会いによる意外な発見は少ないように思います。社会の学習は「未知との遭遇から何を学ぶか?」ということも大事なので、書店・図書館の書棚などのように、意図しない情報が入りやすい方法で調べることもおすすめします。

  • テレビの5分ニュース、週末のニュースダイジェストをみる
  • クイズ番組、食べ歩きなどの旅番組をみる
  • 調べるときはインターネットでなく、図書館や書店の本棚で調べる

市や町の無料の「広報誌」や「イベント」で学ぶ

最後にご紹介するのは、市や町などの地方自治体が発行している広報誌やチラシを活用した学びです。このような広報誌やチラシは、駅や公共施設で無料配布しているものがほとんどで、積極的に利用してもお金がかからないのがメリットです。
たとえば市や町の広報誌では、地域の催し物や文化財の紹介をしていることがあります。特に文化財には、文化財に関連する人物や歴史的建造物などの紹介もあるので、お子さまにとって少し遠い歴史が身近になるきっかけにもなります。
また広報誌には市や町で取り組んでいる防災や医療・福祉の情報も掲載されているので、保護者の方も一緒に読むことで、お子さまにとって社会で扱われる内容がより身近になると思います。

  • 市や町の「広報誌」から、郷土の文化財を知る
  • 市や町の「広報誌」から、防災や医療・福祉などの話題を知る

まとめ & 実践 TIPS

社会の定期テスト対策や入試対策を進める上で、社会の学習内容を日常生活の具体例でとらえたり、イメージを伴う体験を多く持ったりすることは、より深い理解を促します。何げない日常生活での一工夫の実践と、それが習慣化することで、社会がお子さまの得意科目になればと思います。

株式会社プランディット 社会課 十河(そごう)
編集プロダクションの株式会社プランディットで、進研ゼミを中心に、小学校から高校向けの社会(地歴公民)の教材編集を担当。

プロフィール



1988年創業のベネッセ・グループの編集プロダクションで,教材編集と著作権権利処理の代行を行う。特に教材編集では,幼児向け教材から大学入試教材までの幅広い年齢を対象とした教材・アセスメントの企画・編集を行う。

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