低学年時点で「中学受験に向いている」のはどんなタイプ? 「向かない」ように見える子は家庭でどうフォローする?

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小学校低学年の時点で「中学受験させたいけれどうちの子は中学受験に向いているのだろうか?」と悩まれているご家庭もあるかと思います。どのようなタイプのお子さんが中学受験に向いているのか、また別のタイプのお子さんが中学受験をめざすにはどうすればよいかについて、森上教育研究所がお伝えします。

この記事のポイント

中学受験に向いているのは、早熟な「早生」のタイプや負けず嫌いの子ども

お子さんのタイプは大きく分けると、早熟で頭の回転が早くロケットスタートができる「早生」のタイプと、スロースターターでゆっくりですが丁寧な「奥手」のタイプに分かれます。中学受験に向いていると言えるのは、この早生のタイプのお子さんです。このタイプのお子さんは、低学年の時点で成績もよいお子さんが多いと思います。また、課題を与えれば早い段階からどんどんとカリキュラムをこなしていくことが可能ですから、多くの勉強量をこなさなければならない中学受験対策においては有利だと言えます。

次に性格面で見ると、負けず嫌いのお子さんは中学受験に向いているのは確実でしょう。負けず嫌いというのは、競争で勝ちたいという意欲があるということです。このタイプのお子さんは、長い受験勉強の中でも学習への意欲を途切れさせずに持ち続けることができますので、中学受験をめざすうえでは重要な素養であることは間違いありません。

中学受験に「向いている」と言えないタイプの場合は家庭でしっかりフォローを

では、ゆっくりとした奥手のタイプや、おっとりしてあまり競争で勝とうとしないタイプのお子さんの場合は、中学受験は無理かというとそういうわけではありません。ただある程度親御さんが手をかけてあげることは必要になります。

奥手のお子さんの場合はゆっくりでも丁寧に基礎をやっておくことで5年生以降に後伸びすることも期待できます。ただ、早生のタイプに比べると少しゆっくりとしたカリキュラムで勉強を進めることになりますので、5年生の時点で進み具合を見て中学受験に間に合うか間に合わないかを判断することも必要になります。

おっとりしたタイプのお子さんの場合は、女子であれば「おっとりしすぎて女子校でないとやっていけないのではないか」と考えて中学受験を考える親御さんもいらっしゃるかと思います。そういうおっとりしたお子さんも、ご家庭で環境を整えて継続的に受験勉強に向かうよう習慣づけていくことができれば中学受験は十分可能です。

女子校に限って言えば、上位の学校とそれ以外の学校とで大きな学力差がありませんから、受験の時点の学力に合った学校に入学できれば、入学後に学力を順当に伸ばしていくことが可能です。

また、「うちの子は中学で内申が取れないから、中学から私立に入れておきたい」というお話もお聞きしますが、そういう理由であれば無理に中学受験をする必要はないと私は考えています。確かに公立高校の受験においては内申点が重視されますが、私立高校であれば学力試験で合否が決まり、内申点は重視されません。
したがって、内申が期待できそうにないというお子さんは高校から私立を選ぶという選択肢もお考えになるとよいかと思います。

中学受験を迷っている場合も、他に習い事をしていないのであれば塾通いを

中学受験をさせない可能性もあるお子さんを、早い段階から塾に行かせておくか悩む親御さんもいらっしゃるかもしれません。しかし、塾は勉強の習慣付けができる場所ですから、奥手なお子さんやおっとりしたお子さんほど早くから通うと効果が期待できます。中学受験を少しでも考えていらっしゃるのであれば通わせてはいかがでしょうか。

サッカーなどのスポーツや音楽や美術など夢中になってお子さんが打ち込んでいるものがほかにあるのであれば、無理に塾に行かせる必要はもちろんありません。

しかし、小学校の5、6年生の時期は子どもの知的成長がかなり期待できる時期です。それなのに小学校から帰った後の時間を何もせずに過ごすのはもったいないと私は思います。習い事に行かないのであれば、勉強の習慣を身に付けておいて損はないので、ぜひ「無駄になるかも」とは考えずに塾に通うことをご検討ください。

まとめ & 実践 TIPS

中学受験に向いているのは、早熟で頭の回転が早くロケットスタートができる「早生」のタイプ、そして負けず嫌いのお子さんです。スロースターターでゆっくりですが丁寧な「奥手」のタイプや、おっとりしてあまり競争で勝とうとしないタイプのお子さんの場合は、ある程度ご家庭のフォローは必要になりますが中学受験は無理というわけではありません。ただ、「内申がとれそうにない」という理由の場合は高校から私立に行くという方法もあるので、無理に中学受験をする必要はないでしょう。また、中学受験しない可能性がある場合も、小学校の5、6年生の時期は子どもの知的成長がかなり期待できる時期ですから習い事に行かないのであれば塾通いをしておくことをおすすめします。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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