「総裁選」は受検対策の良い教材!? 子どもと一緒に考えたい「選挙」と「政治」

資料読解の問題対策にもオススメ! 「投票率」を考える

選挙があると、投票率が発表されます。衆議院選挙における投票率は平成2年の選挙から低下傾向にあり、平成8年の衆議院選挙では60%を下回りました。「投票率の低下」について、「国民が政治に期待していないから」「若者の選挙離れが進んでいるから」などいろいろな説が挙がっていますが、皆さまのご家庭では選挙に行っていますか? 投票所は公民館や学校など、歩いて行ける場所にあることが多いはずです。選挙があるときは、一緒にお子さまを連れていき、選挙や政治に関心を持たせるようにしたいものです。また、投票日に投票できない人のために「期日前投票」や「不在者投票」の制度もあります。こういった仕組みがなぜ設けられているか、親子で考えてみましょう。
テレビや新聞で投票率が伝えられる際には、グラフが示されることもあります。資料読解の問題の練習にもなりますので、親子でグラフを見て気づいたことを話し合ってみてください。


親子でやってみよう

下のグラフは、「衆議院選挙における投票率の推移」です。グラフを見て、気づいたことを2点挙げてみましょう。

衆議院議員選挙における投票率の推移

(1)1のグラフから読み取れることと、その理由を考えてみましょう。
(2)投票率を上げるために、あなたはどんなことをすればよいと思いますか。


マニフェストってどんなもの?

選挙のときによく聞かれる言葉に「マニフェスト」という言葉があります。選挙で使われる「マニフェスト」は、「具体的な数値や目標などを盛り込んだ公約」を指します。「皆が住みやすいまちを目指します」「高齢者に優しいまちをつくります」というような抽象的な文句ではなく、「○○の予算を3割削減し、そのお金で××年から新しい△△というサービスをスタートします」「○○年までに老人ホームを10施設増設します」というように、政策を具現化する道筋を示すのです。有権者は、マニフェストを知ることでその政党や候補の考えを明確に知ることができ、どの候補に投票するか選ぶ際の判断材料になります。その候補が実際に当選したあとは、マニフェストが守られているかどうか、国民がチェックしていくことになります。マニフェストや投票率については、公立中高一貫校のサンプル問題に取り上げられたこともありますので、これを機会に親子で一度考えてみるとよいかもしれません。


親子でやってみよう

マニフェストを作ってみよう

社会や環境のために自分ができることを考え、マニフェストを作ってみましょう。また、家庭内で、家族のためにそれぞれができることを考えて「家族の中でのマニフェスト」を作ってみるのもよいでしょう。


例1)お母さん近所の○○スーパーに買い物に行くときには買い物袋を持参します。ごみになるものをできるだけ減らすためです。
例2)わたし月曜日と水曜日は夕食のあとの食器洗いを手伝います。水をこまめに止めるようにして、水を無駄に使わないように気をつけます。

質疑ゲームで論理力を養う!

国会の様子はテレビで中継されているので、保護者のかたは見たことがあると思いますが、子どもには少々難しいかもしれません。都道府県の議会や市区町村の議会では、学校や地域の団体などを対象に子ども向けに議場の見学や議会体験プログラムを用意している場合もありますので、もしお住まいの地域でそのような体験ができる場合は参加してみましょう。自分の住むまちの問題点や解決方法を考えるきっかけになり、面接や作文にも役立ちます。

議会での質疑には、主に2通りのスタイルがあります。1つ目は、議員がすべての質問項目についてまず一括して質問し、質問がすべて終わってから答弁者が一括答弁をする形式です。もう1つは、質問者が一問質問するたびに答弁者が答える「一問一答形式」です。これらの質問のスタイルをまねして、親子で質疑ゲームをしてみましょう。質疑のスタイルは、2つのうちどちらでも構いません。最初の方式では、「3点質問があります。1点目は~」または「私は○○○○に賛成の立場で質問します。1つ目の質問は~」といったように、最初に質問や趣旨を告げ、そのあとに具体的な質問をするように心がけましょう。一問一答方式の場合は、相手の答弁内容を踏まえたうえで次の質問をすること、相手の目を見て話をすることが大切。面接の練習にも最適です。質疑が終了したら、今度は質問者と答弁者の立場を入れ替えてやってみましょう。これらのやりとりを続けていると、普段から論点を整理して話したり書いたりすることができるようになるはずです。


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「進研ゼミ小学講座」は2020年新課程に対応して、リニューアル。基礎から応用までの学力向上はもちろん、自ら学ぶ姿勢を身につける。
学んだ知識を使って、自分なりの答えを導き出す。そんな体験を繰り返すことで、「自ら考え表現する力」を育んでいきます。

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