「総裁選」は受検対策の良い教材!? 子どもと一緒に考えたい「選挙」と「政治」
※2006年8月現在の情報に基づいた記事です。
小泉純一郎首相が9月で自民党総裁の任期満了を迎えるため、テレビでは連日、総裁選挙をめぐるニュースが報道されています。9月下旬に行われる投票は、限られた党員にしか選挙権はありませんが、自民党の総裁を決めるということは事実上、内閣総理大臣を決めるということですから、総裁選挙は国民にとって注目すべき話題といえます。公立中高一貫校の適性検査で「選挙」そのものを問題として問われたケースは少ないですが、話題になった時事問題について考えさせる問題、生活の中に課題を見つけ解決策を考えさせる問題、グラフを読み取って考えさせる問題などは例年出題されています。今回の総裁選挙をきっかけに、親子で政治や選挙について考えてみてはいかがでしょうか。
また、内閣総理大臣は国のリーダーですが、公立中高一貫校でも将来社会でリーダーになる人材を育てることを教育理念に掲げている学校が多くあります。親子の会話の中で、「リーダー」とはどんな人間なのか、どんなことを大切にしなければならないのかを話し合ってみてもよいでしょう。
選挙って? 内閣総理大臣ってどんな人がなれるの?
「政治や選挙の話は小学生にはまだ早い」と思われる保護者のかたもいるかもしれません。しかし、議会政治や選挙の意味などについては小学6年生で学習しますし、小学校の児童会役員選挙など、子どもの社会にも「選挙」はあります。ここではまず、選挙や内閣総理大臣の仕事を知っておきましょう。
国の政治は、国民の代表である国会議員が行っています。その国会議員を選ぶ手段が「選挙」です。もちろん、国会議員だけでなく都道府県の知事を選ぶ選挙や市区町村長を選ぶのも選挙によります。国民は、国民の代表者である国会議員や都道府県の議会議員、市区町村の議会議員を通して国や都道府県、市区町村の政治に参加しているのです。これを「間接民主制」といいます。日本では20歳以上の国民に選挙権が与えられており(地方選挙の場合は居住月数などの条件あり)、選挙権のある人のうち、実際に投票した人の割合を示したものが「投票率」です。
内閣総理大臣は、国会の選挙で国会議員の中から選ばれます。現在の小泉純一郎首相は、2001年に内閣総理大臣に選ばれました。初代の伊藤博文首相から数えて第87代の内閣総理大臣でした。人数にすると56人目の内閣総理大臣だそうです。その後、2003年の選挙で第88代、2005年に第89代の内閣総理大臣となりました。
内閣総理大臣の仕事は、閣議での法律案決定や予算案作成、議会での答弁、各種会議・会合への出席、災害時の対応の決定など多岐にわたります。主な仕事の場は、東京都千代田区永田町にある「首相官邸」。テレビで見たことがあるかたも多いのではないでしょうか。この首相官邸は2002年(平成14年)に完成しましたが、その前の旧官邸は1929年(昭和4年)に建てられ、歴代42人の首相が使ったといいます。今使われている新しい官邸は、敷地面積が旧官邸の1.6倍、延べ床面積は2.5倍になったそうです。建物のシンボルは「竹」と「石」で、竹は「天に向かって伸びる未来への挑戦」、石は「大地に腰を据えた力強さと安定感」を表しているといいます。
親子でやってみよう
家族選挙をやってみよう
家庭での仕事やお手伝いの役割分担について、家族投票をしてみましょう。
「家族の中で一番働き者なのは誰?」「飼っている犬に一番なつかれているのは誰?」「サッカーゲームで勝つのは弟とぼくのどっち?」など、題目を決め、家族全員が投票します。投票用紙には、名前と理由を書くようにします。例えば「家族で一番働き者なのは母です。母は家族で一番早起きして全員のお弁当を作り、夜も父が帰ってきてからご飯を作るので、働いている時間が一番長いからです」など、理由を文章で書かせることがポイント。意見を述べる際に根拠を見つけるトレーニングは、適性検査でもよく出題されている説得力のある意見文を書くことにつながります。