洗足学園中学校2年生 S・Kさんのお母さま

今回は、ご長男が鎌倉学園高校、ご長女が洗足学園中学校に通われているお母さまにお話を伺いました。ご両親共に難関校の卒業生でありながら、「勉強するかどうかは本人しだい」と無理強いはせず、それぞれのお子さんに合った学校を選ばれました。(2009年7月16日)


profile
洗足学園中学校2年生
S・Kさん

神奈川県在住。
Sさんは2008年4月に洗足学園中学校に入学、現在中学2年生。2005年4月に鎌倉学園中学校に入学し、現在高校2年生のお兄さんとご両親の4人家族です。引っ越しという親の事情が優先した兄の受験に対して、妹は自ら中学受験を希望。兄は地元の小規模塾、妹は大手のSAPIXと、全くタイプの違う塾に通い、プロセスは違ったものの、結果的に個性に合った学校を選ぶことができたようです。兄妹共に幼い頃からテニスを習い、今も続けています。

■兄は引っ越しも中学受験も納得していなかったので、やる気にさせるのが難しかった。妹は、自分からやると言い出した受験だったが成績は横ばい。どちらも基本的には「勉強するのは本人の問題」というスタンスで接した。

まず、お兄さんの中学受験についてお聞かせください。なぜ中学受験をしようと思われたのですか?

当時、夫の仕事の都合でつくば市に住んでいたのですが、長男が小学4年生になる頃、夫の実家の近くに家を建てることが決まり、長男が中学に入学する頃に川崎市に転居することになりました。転居先の公立中学はマンモス校と聞き、転居したばかりで本人がなじめるか不安もあったので、中学受験を決意したのです。私たち夫婦は共に私立の中高一貫校の出身で、自分たちも中学受験を経験しているので、受験そのものには特に抵抗はありませんでした。

しかし長男本人は、引っ越ししてお友達と別れるのもいやだし、つくば市の小学校では中学受験をする人はクラスでも2、3人でしたので、最初は抵抗していましたね。ですから、親の都合が優先した受験になってしまったというわけです。
5年生から、つくば市の自宅のすぐそばにある四谷大塚準拠の小規模塾に入りましたが、本人が納得していないので、受験勉強に対してはなかなか本気になってはくれませんでした。6年生の2学期になって成績が上がってきたこともあり、ようやく現実を受け入れて、勉強をするようになりましたね。
そんなわけで、その頃から「勉強するかしないかは本人しだい。無理やりやらせてもしかたない」という思いが強くなりました。


学校選びはどのようになさったのですか?

最初は、私がつくばから出かけて学校を見て回り、休日には主人も説明会などに行ってくれました。本人は、夏休みに父親とツアーのように学校見学をしました。そして、ある程度幅広く候補に入れた学校の中から、転居先から通える範囲で、本人の成績と学校の雰囲気で絞り込み、本人も気に入ったところを選びました。

結果的に、1日 サレジオ学院、2日 神奈川大学附属、3日 鎌倉学園と受験をして、鎌倉学園と神奈川大学附属に合格。本人が男子校を希望していたので、鎌倉学園に進学しました。


最初は、ご本人は受験を希望されていなかったということでしたが、入学されてからはいかがでしたか?

おおらかな校風で、本人に合っていたようです。中学1年からずっとテニス部に所属して、学校生活を楽しんでいます。しかし、やや強引に受験をさせたせいか、中学の3年間はのんびりしていましたね。うちの場合は受験直前の数か月しか本気で勉強をしていないので、中学でこんなにのんびりしてしまって大丈夫かと、最初は心配もしましたが、「必要以上に言ってもしかたない」と勉強については、あまりうるさくは言わないようにしていました。
高校生になって少し大人になってきたようで、勉強も自分からやるようになってきました。


プロフィール



教育ジャーナリスト、「登録スタッフ制企画編集会社<ワイワイネット>」代表。塾取材や学校長インタビュー経験が豊富。近著に『子どもがバケる学校を探せ! 中学校選びの新基準』(ダイヤモンド社)。

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