高3の科目選択で「迷わない&失敗しない」コツは? 文理別に選び方のポイントを徹底解説!
- 大学受験
多くの高校では、高校2年生の12月までに「科目選択」が行われます。
科目選択とは、高3で履修する科目を選択すること。
高3でどの科目を履修するかは、大学受験にも大きく影響します。
たとえば、選択した科目が志望大の入試科目に含まれていなければ、受験できる大学・学部が限られてしまう場合も……。
そこで今回は、2025年度入試からスタートする新課程入試にあわせて、文系・理系別に、科目選択で「迷わない&失敗しない」ためのポイントをご紹介します。
お子さまが科目選択に迷っているとき、保護者のかたが選ぶコツを押さえていれば、適切なアドバイスができます。
お子さまの進路選択を応援するためにも、科目選択のポイントを知っておきましょう!
【2025年度入試からの注意点】
・地歴・公民は下記の6科目
「地理総合、地理探究」
「歴史総合、日本史探究」
「歴史総合、世界史探究」
「地理総合/歴史総合/公共」
「公共、倫理」
「公共、政治・経済」
※大学入学共通テストでは、2科目を選択する場合、「公共、倫理」「公共、政治・経済」の組み合わせで選択することはできない。
※東京大・一橋大など一部の大学では、大学入学共通テストで「地理総合、歴史総合、公共」を選択できないケースもある。
【文系】科目選択3つのルール
文系学部を受験予定のお子さまは、科目選択で3つのルールを押さえることが大切です。
1.「志望大・志望学部」の入試科目に沿って選択する
●学問系統によって入試科目は異なる
国公立大は大学入学共通テストと個別試験の合計点で選抜が行われるのが基本で、6教科の総合力が求められる場合が多いです。
数学がどこまで必要か、地歴・公民の受験可能な科目は何かなど、大学入学共通テスト・個別試験それぞれ確認しておきましょう。
「志望大・学部」をお子さまがすでに決められているなら、入試科目を調べて受験可能な科目を選択するようアドバイスするとよいでしょう。
興味のある大学・学部が複数ある場合は、幅広く確認しておき、志望大の選択肢が広がるような科目選択をしておくと安心です。
●国公立大と私立大では入試科目の傾向が異なる
ただし、国公立大と私立大では傾向が異なるので注意が必要です。
【国公立大】
国公立大の中には、公共では個別試験の受験ができない学部や、共通テストで公共を「公共・政治経済」でしか受験できないところも。
【私立大】
私立大では英語、国語、地歴・公民の3科目受験が基本となるため、3科目とも苦手をつぶして、高得点を狙う必要があります。
そのため、地歴・公民の科目選択でミスをすると、致命的な事態にも……。
また、私立大では「地理総合、地理探究」で受験できない大学が意外に多いので要注意。
逆に「歴史総合、日本史探究」または「歴史総合、世界史探究」を選択しておくと、受験できる大学の選択肢が増えます。
2.地歴・公民の2科目は「相性のよい組み合わせ」を選ぶ
国公立大の文系学部では、大学入学共通テストで地歴・公民から2科目が課されるケースが目立ちます。
お子さまの志望大・学部が未定の場合は、「受験者数が多い2科目を科目選択で選べばよいのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、各科目には相性の良し悪しがあり、組み合わせによって「この2つを選んだおかげで勉強がしやすい」といったメリットが得られる場合もあれば、逆のケースも。
科目選択では「科目ごとの相性」にも注目するよう、お子さまに伝えましょう。
ここでは例として、4つの組み合わせを紹介します。
「歴史総合、日本史探究」×「公共、政治・経済」
「歴史総合、日本史探究」の近・現代の内容は、政治・経済や現代社会と重なる部分が多いので、勉強の負担を減らせます。
「歴史総合、世界史探究」×「公共、倫理」
「歴史総合、世界史探究」には、倫理の内容が含まれるので、効率よく学習できます。
「歴史総合、日本史探究」×「歴史総合、世界史探究」
この2科目を選択しておけば多くの文系学部を受験できますが、内容が重なることが少なく、どちらも学ぶ知識量が多いため、勉強の負担は大きくなります。
「地理総合、地理探究」×「公共、政治経済」
地理で学ぶ各国・地域の産業や経済は、政治・経済や現代社会の内容と重なる部分が多いので、勉強時間の短縮になります。
3.大学入学共通テストで理科を受ける場合は、「基礎」科目を選ぶ
ほとんどの国公立大では、大学入学共通テストで理科の受験が必要です。
大学入学共通テストの理科には、基礎科目と専門科目(基礎を付さない科目)があり、各大学・学部によって必要な科目数などが異なります。
【基礎科目】
・物理基礎
・化学基礎
・生物基礎
・地学基礎
【専門科目(基礎を付さない科目)】
・物理
・化学
・生物
・地学
国公立大文系学部志望者の場合は、基礎科目2科目を受験するのが一般的です。
お子さまが通う高校のカリキュラムによっては、高2までに学び終わっている基礎科目があるかもしれません。
どの科目なら得点を稼げそうかを考えて入試科目決定や科目選択を行うようアドバイスを。
なお、たとえば生物が好きだからといって「生物基礎」と「生物」といった2科目を選択するのはおすすめしません。
専門科目は基本的に理系学部志望者が受験する科目であり、高度な内容が問われるからです。
【理系】科目選択3つのルール
理系学部を受験予定のお子さまは、次の3つのルールを押さえて科目選択を行うことが求められます。
1.「志望大・志望学部」の入試科目に沿って選択する
文系学部と同じく、理系学部志望者も、「志望大・学部」をお子さまがすでに決められているなら、入試科目を調べて受験可能な科目を選択するようことが大切です。
特にポイントとなるのが理科。
理系学部の中には、理科の各科目が入学後に学ぶ学問の土台となる学部がたくさんあります。
そのため理系学部の入試では文系学部と比べて、以下のように理科の入試科目が指定されているケースが多くみられます。
【工学系統】
物理・化学の両方あるいはどちらかが指定されている場合が多い
【理学系統】
入学後の専攻に関係する科目が指定されている場合が多い
【薬学系統】
化学が指定されている場合が多い
【医・歯学系統、農・水産学系統】
生物選択可、地学選択不可の場合が多い
興味のある大学・学部が複数ある場合は、大学で学ぶ内容に近い理科の科目を2つ選択しましょう。
決まっていない場合は、物理と化学を選んでおくと、受験できる大学・学部の選択肢が広がります。
お子さまが「好きな科目」だけで科目選択を行おうとしていたら、物理か化学を候補に入れるようアドバイスするとよいでしょう。
2.「大学入学共通テストで2科目受験」を見据えて選ぶ
大学入学共通テストの理科には基礎科目と専門科目(基礎を付さない科目)があります。各大学・学部によって入試に必要な科目数などは異なります。
各大学・学部では、以下のA~Dのいずれか(もしくは複数)のパターンを入試科目として指定する仕組みとなっています。
A.基礎から2科目
B.専門から1科目
C.基礎から2科目+専門から1科目
D.専門から2科目
理系学部では、BかDいずれかのパターンが目立ちます。
そこで、志望大が決まらないうちは、専門2科目が必要となるDパターンに対応できるよう科目選択を行うのがベストです。
お子さまは「勉強が大変だから理科は1科目だけ選択しよう」と考えるかもしれませんが、できるだけ2科目がんばるよう説得したいところです。
3.大学入学共通テストで地歴・公民を受ける場合は、負担の少ない科目を選ぶ
理系学部の場合、地歴・公民は大学入学共通テストでしか課されず、多くの場合は配点も低めです。
また、どの科目を選んでも、入学後の学びとの関連度合いに大きな差はありません。
そこで、問われる知識量が少なく、勉強に時間を取られすぎない科目を選ぶのがオススメです。
特に理系学部受験者は、2025年度入試では「地理総合、地理探究」「公共、政治・経済」のどちらかの選択が多い見込みです。
一方で、「公共、倫理」は受験できない大学もあるため、安易に選択しないよう注意しましょう。
科目選択がうまくいけば、合格にグッと近付ける!
科目選択のポイントがだいたいつかめたでしょうか。
ここまで紹介してきたように、科目選択は、受験できる大学・学部の選択肢を広げたり、入試を有利に進めたりするうえでとても重要です。
また、高校で選択講座を決める際には、授業の中身が学びたい内容に合ってるか、という点にも気を配ることが必要です。
高校によっては「大学入学共通テスト対応」「国公立大二次や私立大対応」など、選択講座の中身の詳細を事前に公開しているところもありますので、確認しておきましょう。
保護者のかたが必要なときにアドバイスを送ることで、お子さまはきっとよりよい選択ができるはずです!
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