勉強する意味、答えられますか?親から子どもに伝えたいことと伝えるときの注意点

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「どうして勉強しなきゃいけないの?」とお子さまに質問されたことはありませんか? 小学生だけでなく、中学生や高校生のお子さまに聞かれることもあるでしょう。いざその理由を聞かれると困ってしまいますよね。答えられたとしてもそれが正しかったのか悩むこともあるはず。多くのかたが悩んでいる「勉強する意味」を、今回は一緒に考えてみましょう。

この記事のポイント

勉強する意味は1つじゃない!子どもに伝えたい7つの理由

勉強する意味は、人それぞれ違います。1つに絞る必要もありません。お子さまにとって、保護者のかたにとって、どの理由がしっくりくるのか考えてみましょう。

世界を広げるため

勉強すると、さまざまな分野のことに触れられます。いろんな言葉、日本や世界の歴史、自然現象や環境のこと……。今まで知らなかったことを知ると、それだけ世界は広がっていきます。面白い発想ができたり、新しいことに興味・関心を持つきっかけになったりと、自分自身の考え方も広く柔軟になっていくでしょう。

将来の選択肢を増やすため

行きたい大学、なりたい職業、やってみたいことは、自分の知っているものの中からしか選べません。勉強をすると、その選択肢を増やすことができます。まだやりたいことが決まっていない人ほど、勉強を通して視野を広げてみると良いでしょう。学歴が必要な職業もあるため、やりたいことが見つかったときに慌てないように勉強しておくのも大事です。

何かを学ぶ方法を身に付けるため

スマホやパソコンが操作できるのは、ひらがなや英語が読めるから。料理や買い物ができるのは、算数を勉強してきたからです。新しく何かを始めるとき、何かを学びたと思ったときに必要な基礎知識を身に付けるためにも、勉強は必要になります。私たちが何気なく行っていることは、勉強のたまものともいえるでしょう。

生きる力を身に付けるため

勉強は知識を増やすだけのものではありません。勉強を通して、思考力や発想力、表現力やコミュニケーション力も育まれていきます。「将来使わない」と言われがちな理科や社会、音楽や美術といった教科でも、得られるものは知識だけではありません。考えること、イメージすること、努力すること……。そのすべてが、生活や仕事、遊びなどで役立つのです。

好きなことを楽しむため

字が読めればマンガが読めます。算数や理科、歴史などを勉強していれば、ゲームをするときに役立つことがあります。スポーツをするときも、思考力や発想力、コミュニケーション力が必要。人と会話をするときにも、国語の語彙力や理解力が役に立つでしょう。趣味や遊びなどの楽しいことを「楽しい!」と思えるのは、さまざまな知識や経験があるからともいえます。

努力し続ける力を付けるため

勉強の中には苦手なものもあるでしょう。テスト、高校受験や大学受験、就職試験などの前には、他のことを我慢してがんばる時間も必要です。そういったことを経験する中で、努力し続けたり自分自身を制御したりする力が身に付きます。この力は、これから先の人生で困難にぶつかったときに必ず役に立つはずです。

自信を付けるため

勉強をしていると、「わかった!」「できた!」という体験がたくさんできます。それは自信になり、次へのやる気につながるでしょう。勉強は必ず人を成長させてくれるもの。マイナスになることはありません。周りと比べるのではなく、過去の自分と比べることで、成長を感じられるはずです。

親が子どもに勉強する意味を伝える際の注意点

勉強する意味をお子さまに伝えるときには、気を付けなければならないことがあります。「なぜ勉強するの?」という子どもの純粋な疑問を否定しないように、以下の点に気を付けて話してみましょう。

決めつけない

勉強する意味を伝えるときに、「将来困るぞ」「いい仕事に就けない」と決めつけた言い方をする人がいます。ただ、これはNGです。子どもの将来がどうなるかは、誰にもわからないからです。

もちろん、お子さまを心配しての言葉だと思います。ですから、ちょっとだけ言い方を変えてみましょう。「パパは国語をサボってたから、今困ってるんだ」「英語をがんばったから、ママはこんな仕事に就けたんだよ」というように、決めつけではなく保護者のかたの経験談を話してみてください。そうすれば、より信じられる言葉になります。「あなたが~」ではなく、「私が~」という自分を主語にしたアイメッセージを意識すると良いでしょう。

ごまかさない

「大人になったらこの知識はどうせ使わないでしょ」と言われたこと、ありませんか? 確かに、教科によっては実際に使っていない知識もあるはず。ただ、そういうときに「使わなくてもやるの!」「困るから!」とごまかした答え方をするのはやめましょう。

そんな時は「あなたはどう思う?」「この知識は何に役立つかな」とお子さまの意見も聞きながら一緒に考えてみましょう。大人が必ず答えを出さなければならないわけではありません。「考える」ことができるのも、勉強してきた成果です。お子さま自身も、大人が一緒によりそう態度により、ごまかされるよりずっと前向きに勉強の意味をとらえることができるでしょう。

マイナスワードを使わない

子どもに勉強させようとすると、どうしても「ダメ」「~ができなくなる」「困る」といったマイナスワードを使いがち。保護者のかた自身も危機感を感じているからかもしれません。ただ、こういった言葉はあまり効果がなく、その瞬間は焦って行動してもいずれやらなくなる可能性があります。

自ら進んで勉強してほしいなら、メリットを多く伝えるのがおすすめ。「勉強するとこんなことができるようになるよ」「こういうところで役に立ったよ」というように、プラスワードを意識して伝えていきましょう。その方が、本当の意味でのやる気につながっていくはずです。

比べない

勉強する意味を伝えるときに、「〇〇ちゃんみたいにできるように」「みんな勉強してるから」と周りと比較した言い方をする人もいます。ただ、これは避けてください。勉強は友達がしているからするものではなく、将来の自分自身のためにするものです。

勉強する目的もそれぞれ違います。「将来の夢のため」という人もいれば、「興味のあることを突き詰めたい」という人もいるでしょう。勉強に対するモチベーションもやりたい教科も違います。周りと比べず、我が子の悩みや考えに対して受け答えをしてあげてください。

成績ばかり気にしない

「勉強する=成績が良い・頭が良い」ではありません。お子さまの成績が悪かったとしても、勉強していないと決めつけるのはやめましょう。一生懸命勉強しても調子が悪いときはあります。苦手教科は成績も伸びづらいものです。結果ばかりに着目せず、過程に注目してあげてください。

成績は、今まで学習してきたことの理解度を確認するためのものです。点数ではなく、どこを間違えたのかをチェックし、復習をして次につなげていきましょう。勉強は、結果ではなく過程から得られるものの方が圧倒的に多いはずです。

子どもが自ら「勉強したい」となるためのサポートを

「子どもの頃には勉強する意味がわからなかった」という保護者のかたも多いでしょう。大人になってから初めて気付いたこともあるはずです。勉強することに疑問を持つのは、いつの時代も同じ。学校に通う子どもたちが勉強する意味を理解するのは、正直言って難しいのかもしれません。

親という立場でできるのは、自分の経験や知識から勉強する意味を考え、それをお子さまに伝えていくことです。お子さまが自発的に勉強できるように、上手に後押しをしてあげましょう。強制されたりご褒美を渡されたりすることで起きるやる気は持続しません。それよりも、「やりたい」「知りたい」という自分の中から湧き出るやる気を大事にしてあげましょう。

まとめ & 実践 TIPS

どんなに勉強する意味を知ったとしても、最終的に勉強するかどうかを決めるのは子ども自身です。保護者のかたは、勉強する意味を一緒に考えながら、子どもが自ら答えを探し出せるようなサポートをしてあげましょう。明確な答えが見つからなくても大丈夫。考えること自体が、必ず意味のあるものになります。

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