保護者はいつから、どのように「子離れ」していけばいい?
赤ちゃんの頃は何をするにも保護者にべったりだったのに、2歳頃になると何をするにも「イヤイヤ!」と言うようになり、そして小学生になると友だちとの約束を優先するようになり、さらに中学生になると「ウザイ」などと言って保護者の話を無視するようになる…。こうした子どもの親離れのサインに気づいたら、保護者はどのように子離れしていけばよいのでしょうか。
【幼児期】何でも「イヤ!」と言うようになったら…
子どもが2・3歳頃になると第一次反抗期(イヤイヤ期)を迎え、保護者が用意した洋服を「イヤだ!」といって拒否するようになったり、スーパーでおもちゃを買ってほしいとだだをこねたりして、保護者を手こずらせるようになります。それは、「自分とママやパパは別の人間なんだ」という意識が強くなり、自分の感情や考えが芽生えてきた証拠。ただ、自分の気持ちをうまく言葉で伝えられないため、泣き叫んだり、かんしゃくを起こしたりするのです。
はじめての反抗に戸惑うかもしれませんが、「子どもが、自立への一歩を踏み出したのだな」と大きな気持ちで受け止めたいものです。「〜したい」という子どもの気持ちをくみ、着替えや食事などのときなら自分でやらせて見守りましょう。子どもの要求に応えられない場合は、保護者の気持ちや社会のルールを理解させて、折り合いをつける練習をしていきましょう。例えば、順番待ちをしている子がたくさんいるのにまだブランコに乗りたいという場合は、「あと10数えたらお友だちと代わろう」というふうに提案するといった具合です。子どもの気持ちを認めつつも、自分の気持ちをコントロールする方法を学ばせましょう。
【小学校中学年】友だちとの約束を優先するようになったら…
小学校中学年になると、顔ぶれの決まった友だちと集団をつくり行動することが多くなります。家族よりも友だちとの約束を優先するようになり、少し寂しく感じるかもしれません。しかし、子どもは、仲間どうしの活動の中で、いざこざや葛藤を経験し、思いやりの心やがまんする力といった社会を生き抜くために必要な力を身につけていきます。
できるだけ、子どもどうしのトラブルに口を挟んだり、子どもの遊びに干渉したりしないようにしましょう。子どもには子どもの世界があり、その中で成長していくからです。ただ、子どもが万引きやいじめなどに関わっていないか、しっかり目を配っておくことは重要です。
【小学校高学年】「ウルサイ」「ウザイ」などカチンとくる言動が増えたら…
小学校高学年になると「第二次性徴」が現れ、心や体が急激に変化する時期を迎えます。自我が芽生えて「自分はこうしたい」という意思がさらに強くなり、保護者の言うことを素直に聞けなくなり、反発したり、距離をおいたりするようになるのです。
子どもから「ウルサイ」「クソババア」と言われ、カチンとくることもあるでしょう。しかし、彼らの言葉を真に受けて怒っても、親子関係は悪くなる一方です。過剰に反応せずに、「思春期とはこんなもの」「自立している過程ね」とさらりと受け止め、子どもの暴言もユーモアや笑いで返すぐらいの余裕をもちたいものです。思春期の反発心を保護者に受け入れてもらえないと、子どもはより強く反抗せざるを得なくなり、悪循環になる恐れがあります。
【中学生~】部屋にこもる、家で口をきかなくなったら…
中学生になり本格的な思春期を迎えると、保護者への反抗もピークに。自分の部屋にばかりいて保護者とろくに顔も合わせず、口もあまりきかなくなるという子どもいるようです。その場合でも、保護者から「おはよう」などの声をかける、食事の席にはつかせるという、家庭での最低限のルールを守らせるにしましょう。そして、家庭では「困ったことがあれば話を聞くから、相談してほしい」ということだけは伝え、大人として接してあげましょう。
それでも、子どもが学校の様子などを話してくれないので心配という場合は、学校の先生や同級生の保護者に様子を確かめるのもひとつの方法です。学校で楽しく勉強やスポーツに打ち込んでいるようであれば、家庭ではそっと見守ってあげたいですね。