成蹊中学校2年生 小島悠理さんとお母さま

今回は、わずか1年という短い準備期間で、第一志望校である成蹊中学校に見事合格されたお子さんとお母さまにお話を伺いました。しかも、数多くの習い事も続けながらの受験でした。その成功の秘訣は何だったのでしょうか…。(2008年9月19日)


profile
成蹊中学校2年生
小島悠理さん

東京都世田谷区在住。
悠理さんは、2007年4月に成蹊中学校に入学。現在中学2年生です。
お母さまが「元気で負けず嫌い。何にでも積極的に取り組むタイプ」というとおり、好奇心旺盛で、何にでも一生懸命取り組むため、習い事は、水泳、ピアノ、ダンス、サッカー、学校の金管サークル、地元のオーケストラと多彩。サッカークラブではキャプテンを務めていました。
受験勉強は悠理さんたっての希望で、小学6年生になってから始めました。1年間という短期間に集中して、見事合格。
現在は、バレーボール部に所属。学校生活と習い事で相変わらず多忙で充実した日々を送っています。

■塾に行きたいと言い出したのは、悠理さん。お母さまは、世田谷区の学校支援コーディネーターとして公立中学校の教育活動を魅力的なものにする活動をしている関係から、娘さんの中学受験はまったく考えていなかった

最初お母さまは、中学受験に反対されていたそうですね。


お母さま

そうです。私は日頃、コーディネーターとして、公立中学校を魅力的にする活動を行っています。公立中学校の良さもわかっていたので、娘を私学に入れようとは考えていませんでした。また、受験というのはどうしても点数で順位をつけるものです。そういう環境に小学生のうちから入れることについては、抵抗があったことも大きな理由です。

もうひとつは、それまでいろいろな習い事を続けてきていたので、受験勉強でそれらを中断しなくてはならないのが、残念なことだと思いました。小学生らしい生活を犠牲にしてまですることではないし、「皆が塾に行ってるから、自分も」という気持ちで周りに流されて、とにかく公立中ではないところに行くために受験するということには反対だったのです。



悠理さんは、なぜ中学受験をしたいと思ったのですか?


悠理さん

深く考えていたわけではなかったけれど(笑)、幼稚園の頃から仲良くしていたお友達が、皆中学受験を考えて塾に通いだしていたのがきっかけです。私も、皆のように受験をしてみたいと思いました。なにしろクラスの半分以上が中学受験をするような小学校だったので、仲良しの友達が別の学校に行ってしまう。自分だけが取り残されてしまうような気持ちにもなりました。また、学校の授業は塾に行っている子が仕切っていて。それも悔しかったのを覚えています。
私立中学に通っている仲良しの先輩たちが楽しそうだったことも理由のひとつです。



いつから、塾に通いたいと思っていたのですか?


悠理さん

皆が塾に通い始めたころでしたから、小学4年生から5年生の初め頃にはそう思っていました。でも、今考えれば、最初は塾も、習い事のひとつみたいな感覚だったのかもしれません。反対されてもあきらめずに、親を何度か説得していました。



反対していたのに、なぜ6年生になって受験をすることを承知したのですか?


お母さま

そのうちあきらめるだろうと思っていたのに、1年たってもまだあきらめずに訴えているのを見て、娘の気持ちが真剣だと思ったことがひとつ。
もうひとつは、本人が勉強したいというのを、親が反対して勉強させないというのもおかしいと思ったし、意欲をもっているのはいいことだと思ったからです。正直、中学受験も本人がやりたいという気持ちがあって始めるのであれば、それもひとつの方法かなという思いもありました。



6年生からの準備で不安はありませんでしたか?


お母さま

それはあまりありませんでした。もともと教育関係の職場にいたこともあり、いくら難しいとはいえ、最難関校をねらうのでなければ、やり方次第で1年でも突破できるはずだと思っていました。ただし、「どうせやるなら成果を出そう。適当にやって、やっぱり無理だったわねということにはしない」と娘にも話しました。今続けている習い事は水泳以外はやめないというので、習い事との両立が可能な方法を考えました。



プロフィール



教育ジャーナリスト、「登録スタッフ制企画編集会社<ワイワイネット>」代表。塾取材や学校長インタビュー経験が豊富。近著に『子どもがバケる学校を探せ! 中学校選びの新基準』(ダイヤモンド社)。

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