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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 目に関すること
1ヵ月くらい前からときどき寄り目をするようになりました。遊びでするのか、それとも何かの病気でしょうか?
1ヵ月ぐらい前からときどき寄り目をするようになりました(勝手になると言うよりも自分の意思でやっているようです)。今までは、食事時に発見する場合が多く、椅子に座らされるのがいやで、退屈しのぎに遊んでいるのかなと思っていました。ところが、先週末に風邪を引き高熱を出した際、一番熱がピークだった日は、「やめなさい」と叱っても、連続してやり、食事以外の一人遊びをしているときにも数回発見しました。これぐらいの幼い子でも、遊びで寄り目をすることがあるのか、それとも何かの病気(熱性けいれんやてんかんなど)でしょうか?
寄り目をするようになったときには、目や脳、神経、筋肉のさまざまな病気が原因として考えられます。まずは眼科に受診して、目の疾患の有無、斜視のタイプを調べてもらうとよいでしょう。遠視が原因となって起こる調節性内斜視の頻度が高いので、遠視の精密検査も一度受けることをおすすめします。
1ヵ月前からときどき寄り目をするようになったということですが、1歳という年齢では、遊びでわざと寄り目をするということはまず考えられません。
体調の悪いときに斜視が目立つことはよくあることですが、以前は寄り目をすることがなかったのに、最近寄り目が頻繁に見られるのでしたら、何か原因となる病気がひそんでいる可能性があります。
まずは眼科に受診して、斜視のタイプを調べてもらってください。
片目だけ斜視になりやすく、ものをじっと見つめること(固視)ができないようならば、白内障や網膜剥離(はくり)など目の病気が起こっている可能性があります。
また、特に眼球運動(目の動き)が悪くなっていたり、目が揺れていたり、斜視の程度に変動があるときには、脳や神経、筋肉の病気が疑われます。
けいれんやてんかんのほかに、脳腫瘍(しゅよう)、重症筋無力症など重大な病気がひそんでいることもありますので、眼科で一通り検査を受けたあと、必要に応じて小児科、小児神経内科で精密検査を受けてください。
1歳代で内斜視(寄り目)が起こってきたときに、最も頻度が高いのは、遠視が原因となって起こる調節性内斜視です。
初めは、近くのものを見ようとするとき、食事中やおもちゃで遊んでいるときに目が寄るようになり、次第に内斜視の頻度が増えて恒常化してきます。
そして、放置すると、弱視が起こったり、両目でものを立体的にみる能力(両眼視機能)が育たなくなります。診断には、調節力を麻痺(まひ)させる点眼薬を約1週間使用して、遠視の程度を精密に検査する必要があります。強い遠視がある場合は、早めに眼鏡をかけて治療を開始することが大切です。