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総合監修:二瓶 健次 先生
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生活・健康・安全アドバイス - 睡眠
起床時やお昼寝のあとなど、左目の黒目が外側へずれることがあります。視力への影響と眼科へいつ行けばいいのか教えてください。
生後半年を過ぎたころから、朝起きたときやお昼寝のあとなど左目の黒目が外側へずれることがあります。時間は10分前後で元に戻るときもあれば1時間ぐらいそのままのこともあります。ふだんはまっすぐ見ています。
視力に影響があるのでしょうか。眼科へはいつ行けばいいのでしょうか。またどのような検査・治療をするのでしょうか。
通常の間欠性外斜視であれば治療は急ぎませんが、斜視が起こる原因はさまざまで、眼の重症疾患や脳の疾患の可能性もありますので、一度早めに眼科を受診してください。
ふだんは両眼の視線がまっすぐに合っていて、寝起きやぼうっとしているときに片眼が外にずれるタイプの斜視は、間欠性(かんけつせい)外斜視と呼ばれ1歳ごろから目立ってきます。
常に視線がずれているタイプの恒常性斜視では、斜視の側の眼を使わないために弱視となったり、両眼視(両眼でものを立体的に見る機能)が育たないため早期に治療を始めますが、間欠性外斜視であれば、一般に視力や両眼視が正常に発達するため治療は急ぎません。
しかし、乳幼児に斜視が起こる原因はさまざまで、頻度は少ないですが白内障、網膜剥離(はくり)、網膜芽細胞腫(さいぼうしゅ)など眼の重症疾患や脳の疾患のために斜視になっていることもあって、発見が遅れると失明するなどのケースもあります。
まず早めに一度眼科に受診して、斜視のタイプと原因疾患がないかどうかを調べてもらってください。受診する時間帯はなるべくお子さんのご機嫌がよい時間がよいでしょう。
よく眼を診せていただければ通常の診察で診断がつきますが、眼の位置がずれている写真などがあったら持参して、いつごろから目立ってきたかがわかると大変参考になります。
検査は眼の位置や動きを見る検査のほかに、眼に光を入れて器械で観察する検査、屈折異常(眼のピントが合っているかどうか)を調べる検査などを行います。
そのため最後に瞳孔(どうこう)を拡げて緊張をとる点眼薬を使用する必要があります。
通常の間欠性外斜視でも斜視の頻度や程度が強い場合、左右眼の反応に差がある場合、屈折異常(強い遠視・近視・乱視)がある場合には、しばしばアイパッチによる遮へい訓練や眼鏡装用による治療が必要となります。
定期的に検査をして斜視の程度が悪化したら手術による眼の位置の矯正を検討します。