成蹊中学校2年生 小島悠理さんとお母さま

■習い事との両立をはかり、オリジナルのカリキュラムを組んでもらうために、個別指導の塾を上手に利用。1年弱の準備期間で、どうにか第一志望校の合格圏内にたどり着いた

たった1年での受験準備は、どういう方法だったのでしょうか?


お母さま

小学5年生の3月から、自宅から一人でも通いやすい場所にあった個別指導の塾に通い始めました。これは、先に進んでいる集団指導の塾に今から入れても、1年で追いつくのは難しいということと、序列をつけられる環境の中に小学生のときから身を置くというのはいやだったからです。本人には、「競うのは自分の隣にいる○○ちゃんではなく、自分自身。自分をどこまで高めていかれるかということだ」と話して聞かせました。

まず目標を設定しなければならないので、学校情報を集め、志望校を決定しました。もちろん本人の気持ちも聞きましたが、子どもが判断できることでもないので、基本的には私が主導権をもって選びました。具体的には、「男女共学の付属校。伝統校。リベラルな校風で、自主自立を謳(うた)っているところ」という条件の中から、学力的に照準圏内にあり、見学に行った時の雰囲気もよかったので、第一志望校を成蹊中学校に定めました。親戚も卒業生が多かったので、以前から親しみがあったことも理由のひとつです。



小学5年生の3月に入塾してから、どのように勉強をしていったのですか?


お母さま

カリキュラムはすべて塾にお任せして組んでいただきました。
とにかく皆に追いつかなくてはならないので、小4の冬のテキストから小6までの分を11月までになんとか終わらせて、12月から過去問を解くという段取りだったと思います。1回1時間半の授業を週に4コマ。週3回塾に通いました。習い事の時間が決まっているので、その合間をぬうようにという感じでしたね。

模試は、夏までは受けてもしかたがないといわれて、受けませんでした。秋以降は、月1回のペースで受けました。最初の摸試はまあこんなものかという感じ。レベルの高い摸試はさすがに難しくって、厳しい判定結果に現実を知ることに。でもあまり深刻には受け止めないで、笑い飛ばすようにしました。でも、逆に考えれば、最低のところから出発しているので、成績は上がっていくしかないわけですからそれを励みにしていました。
11月ごろには、併願予定校が合格圏内に入ってきたので、精神的には楽になりましたね。
12月の判定でも成蹊中の合格圏には届いていませんでしたが、娘の学力はここからまだまだ伸びるはず、と考えて迷わないようにしました。



習い事との両立をするために、どんなスケジュールを組んだのですか?


悠理さん

 月曜  遊ぶ日
 火曜  塾 国語
 水曜  朝・金管サークル 遊ぶ日
 木曜  塾 社会
 金曜  ダンスとピアノ
 土曜  午前中・サッカー 午後・塾 算数、理科
 日曜  サッカー

というスケジュールでした。算数や理科は宿題が多かったので、塾のない日で暇な日には、塾の自習室に行って勉強をしていました。塾に行くと先生がいて、質問もできるし、お母さんに聞くとけんかになるので…。


お母さま

あら、そんなことはないわ。「もう一度問題を読んでごらん」と言っても素直に聞かないからよ。でも、確かに、親が教えるとだんだん感情的になってしまいますからね。そんなに熱心に教えたわけではないのですが、時々見るととんでもないことになっているので、つい口を出したくなるんですね。



プロフィール



教育ジャーナリスト、「登録スタッフ制企画編集会社<ワイワイネット>」代表。塾取材や学校長インタビュー経験が豊富。近著に『子どもがバケる学校を探せ! 中学校選びの新基準』(ダイヤモンド社)。

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