受検するかどうか・志望校選び

なかなか育ちにくい表現力や情報の少ない公立中高一貫校の受検に関して、お悩みのかたも多いことでしょう。保護者のみなさまから編集室に寄せられたご意見・ご質問にお答えします。

受検するかどうか・志望校選び

中学生から寮生活でも大丈夫でしょうか?
通学圏に公立中高一貫校がないため、もし入学するとしたら寮生活になります。小学校を卒業してすぐ親元を離れて大丈夫なのでしょうか?
お問い合わせありがとうございます。生徒が寮生活を送る学校では、上の学年の生徒が下の学年の生徒の面倒を見る、生徒同士が共同生活のために協力し合うといった、縦割り班での生活・学習や、集団生活によって子どもが成長できるような仕組みが考えられているので、ご心配には及ばないと思います。きっと、長期休暇に帰ってきたお子さまの成長に目を見張られることでしょう。

ただし、学校の校風や教育内容とお子さまの性格・資質が合っていることが大前提です。合わない学校で、しかも寮生活となると、そこで6年間を過ごすことがお子さまにとって苦痛になってしまうかもしれません。寮生活だからといって心配される必要はないかと思いますが、その学校がお子さまに合っているかどうかは、よくご検討されるとよろしいかと思います。まずはお子さま自身に、「寮生活、がんばれそう?」と聞いてみてはいかがでしょうか。
片道1時間かかるので、家で予習・復習する時間が確保できるか心配です。
子どもはのんびり屋さんで、「チャレンジ」の添削は期限内にきちんと出せていますが、ひとつのことにとても時間をかけてしまいます。睡眠時間も、夜9時半に寝て、朝7時に起きるという具合にしっかりとっています。もし合格して通学するとなると片道1時間かかるので、予習・復習をしっかりして授業についていこうとして、睡眠不足になったりしないかどうか心配です。
ご質問ありがとうございます。のんびり屋さんで心配とのことですが、大切なのは、お子さま自身の考えです。お子さまは公立中高一貫校の進学に対してどのようにお考えでしょうか。通学時間が長い場合はとくに、お子さまの「行きたい」という意志が大切です。そうでなければ、6年間という長い期間を通い続けることがつらくなってしまうからです。

中学生になると、予習・復習など、家庭学習にかかる時間が小学生のころよりも長くなります。お子さまの生活に合わせて、いまのうちから少しずつでも、時間の使い方を工夫していくように心がけてみてはいかがでしょうか。

実際に、公立中高一貫校に通っている生徒の中にも、片道に1時間以上かけて通学しているという子どももいます。その生徒たちに聞いてみたところ、電車に乗っている通学時間を勉強時間にあてていたり、放課後、帰りの電車の時間までを部活動にあてていたりと、上手に時間を使っていました。ぜひ、親子で受検に対する気持ちを確認し、上手な時間の使い方を工夫してみてください。
子どもの住所を祖父母の家に移して受検できますか?
東京都立中高一貫校の受検を考えています。私たちの住まいは埼玉県川口市なのですが、都内に子どもの祖父母が住んでいるので、もし子どもの住所を都内に移すだけでも応募資格の「都内在住」を満たしたことになれば、受検できるのでは?と考えてのことです。そういうことはできるのでしょうか。
ご質問ありがとうございます。東京都教育委員会の担当のかたにうかがったところ「保護者と一緒に東京都内に住んでおり、入学後も引き続き都内から通学することが確実であることが条件なので、この場合は応募資格を満たしたことにはなりません」とのお返事をいただきました。質問をいただいたケースでは、お子さまやご家族の住民票を移すだけではなく、実際に都内へ引っ越しをされれば、応募資格が得られます。

また、このケースとは別に、「東京都内に引っ越しの予定があって、入学日までに転居していることが確実」というかたもいらっしゃるかと思います。その場合は、分譲住宅や賃貸住宅の契約書のコピーや転居証明書(社宅等)など、転入されることがわかる書類を、出願する際に提出して、学校の審査を受けることになるそうです。

なお、応募資格については、実施要綱にてよく確認したうえで出願してくださいとのことでした。
他の都道府県の学校を受検することは?
公立中高一貫校に、学区という概念はあるのでしょうか? 他の都道府県の学校を受検することは可能なのでしょうか?
ご質問ありがとうございます。「近隣の都道府県に魅力的な公立中高一貫校がある。通学できる距離にあるけれど…」というご事情なのでしょうか。ほとんどの公立中高一貫校には学区があります。「設置自治体の全域」という場合が多いですが、「特定の学区」が設定されている場合もあります。また、学区に加えて「通学時間が1時間以内」といった、通学時間の長さも出願条件に含まれる場合があるので、注意が必要です。併設型の場合は、中学校と高校で指定学区が異なることもあります。

なお、一部の国立中高一貫校は、複数の都道府県から出願できます(例えば、奈良女子大学附属中等教育学校の通学区域は「保護者のもとから、公共交通機関を利用して1時間以内で通学できること」「次の地域内に居住していること。奈良県北西部、北東部 京都府山城南部、山城中部、京都市、大阪市、東部大阪」です)。もし近隣の都道府県に国立中高一貫校がありましたら、そちらの学区をご確認なさってもいいかもしれません。

気になる学校がありましたら、まずは学校や設置自治体の発信している情報で、学区を確認してみてください。また、転居のご予定がある場合も、学校説明会などの機会に直接ご確認してみてください。

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「進研ゼミ小学講座」は2020年新課程に対応して、リニューアル。基礎から応用までの学力向上はもちろん、自ら学ぶ姿勢を身につける。
学んだ知識を使って、自分なりの答えを導き出す。そんな体験を繰り返すことで、「自ら考え表現する力」を育んでいきます。

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