社会の学習につながる!歴史ドラマの楽しみ方

50年以上の歴史を持つNHK大河ドラマですが、こうした歴史ドラマがきっかけで歴史に興味を持ったかたも多いようです。しかしこのような歴史ドラマは、歴史上の出来事を史実通りに描いているとは限りません。

そこで今回は、お子さまとの歴史ドラマの視聴を社会の学習につなげる見方・楽しみ方をご紹介します。

この記事のポイント

歴史ドラマは具体的なイメージをつかむ格好の素材

1960年代に始まったNHK大河ドラマは、歴史上の人物や出来事を1年かけて放映する歴史ドラマで、この大河ドラマがきっかけで歴史に興味を持ったかたも多いようです。

なかでも戦国時代を舞台とした作品が多く、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康などは、これまでにいろいろな俳優によって演じられてきました。
そのため「家康といえば滝田栄さん」「秀吉なら竹中直人さん」というような世代による違いや、「誰が演じた信長が印象的か?」などの話題で盛り上がることもあります。

このように歴史ドラマを通じて、漢字の字面だけで見分けていたような歴史上の人物が、演じている俳優に置き換わり、具体的にイメージしやすくなります。こうした具体的なイメージを伴った歴史上の人物への親しみは、歴史を学習する動機づけになります。

一方で注意しなければならないのが、歴史ドラマは完全再現のドラマではないということです。

もちろん「本能寺の変」や「関ヶ原の戦い」など、教科書に載っているような歴史的な出来事の内容や結果は、ほぼ歴史的な事実に基づいて描かれます。

しかし、歴史的な出来事に至る経緯や関係する人物の心情などの細部を描くにあたり、「どの歴史資料を根拠にするか?」「複数ある説のうち、どれを採用するか?」は、作品ごとの脚本家や時代考証を担当する研究者によって異なります。
さらには根拠となる歴史資料がない場合は、独自の解釈やアレンジが盛り込まれることもあり、同様のことは歴史の学習漫画などでもみられます。

  • 歴史ドラマを通じて歴史上の人物がよりイメージしやすくなる
  • 歴史ドラマは根拠にする歴史資料や学説によって描かれ方が異なる

歴史ドラマは教科書や歴史の学習漫画で「答え合わせ」

このような歴史ドラマは、見終えたあとに教科書や歴史の学習漫画を使った「答え合わせ」をおすすめします。この「答え合わせ」の一手間が、エンターテインメントを学習につなげることになります。

まずはドラマで扱われた出来事の、教科書での「答え合わせ」です。
教科書では本文だけでなく、その周辺にある写真や絵画、地図なども併せて確認するようにします。たとえば、織田信長は中学・高校の教科書でみると、「桶狭間の戦い」などの戦闘だけでなく、「楽市・楽座」などの商業政策も大きく扱われています。

教科書の内容から、織田信長の「楽市・楽座」などで商工業者を自由に活動させようとした功績を知っていると、信長と商人とのやりとりを描く場面の見方も変わってきます。

次におすすめするのが歴史の学習漫画での「答え合わせ」です。
歴史の学習漫画は複数の出版社から刊行されていますが、「学習に役立つ」ことをアピールしている学習漫画では、漫画で表現した内容への補足説明や解説が充実しています。

特に戦国武将は、後世に脚色されたエピソードが数多くありますが、学習漫画にはページ脇の注釈で脚色の可能性や複数の説の存在に触れているものもあります。
そのほかにも、巻頭・巻末のコラムで監修者による最近の歴史研究の成果を踏まえた説明をしているものもあり、大人が読んでも読みごたえのあるものになっています。

このように教科書や歴史の学習漫画を使った「答え合わせ」をすることで、エンターテインメントとしての演出を楽しみつつ、歴史の学習につなぐことができます。

  • 歴史ドラマは教科書や歴史の学習漫画で「答え合わせ」
  • 歴史の学習漫画の注釈や補足で脚色や異なる説を知る

歴史ドラマは「視点や立場を変える原体験」に

戦国時代を舞台とする歴史ドラマでは「誰を主人公にするか?」でも注目されます。

特に戦国時代は「主役級」の歴史上の人物が多く、さまざまな武将が主人公になりえます。そのため徳川家康が主役なら織田信長は脇役、織田信長が主役なら徳川家康は脇役……というように、同じ徳川家康でも作品によって主役・脇役の立場が入れ替わります。
そしてこのような主役・脇役の入れ替わりで立場・視点の転換がおこり、同じ出来事でもとらえ方が異なってきます。こうした立場・視点の転換とそれによる見え方・とらえ方の違いを考えることは、社会科の学習において大切なことです。

織田信長に背いた明智光秀は悪役として描かれることが多いのですが、たとえば明智光秀を主役とした場合、「明智光秀は本当に悪だったのか?」という視点で見ることになります。

数々の歴史ドラマでは、敵役となる明智光秀への敵意を盛り上げる演出・脚色がみられましたが、明智光秀の立場からすると「主君の信長が理不尽すぎるのでは?」という見方も成り立つかもしれません。

このような立場や視点を変える見方は、いわゆる「主役級」ではない歴史上の人物の学習漫画を読むことでも可能です。

昭和のころと比べると、最近の歴史人物の学習漫画はさまざまな人物が幅広く取り上げられています。立場の異なるさまざまな人物の視点を通じて、既に知っている歴史上の出来事や人物を見つめ直すことで、多様なものの見方・考え方を知ることにもなります。

  • 主役と脇役が入れ替わるように、立場や視点を変えてみる
  • 立場や視点を変える体験は、さまざまな歴史人物の学習漫画がおすすめ

まとめ & 実践 TIPS

歴史ドラマは歴史学習の動機づけになりますが、独自の解釈やアレンジが盛り込まれることもあり、ドラマだけで歴史を学ぼうとするには限界があります。
そこで教科書や歴史の学習漫画などの異なる手段で歴史的な事実を確認しつつ、さらには主役・脇役を入れ替えるように立場や視点を変える見方を通じて、社会科に求められる多面的・多角的なものの見方を知る機会になればと思います。

株式会社プランディット 社会課 十河(そごう)
編集プロダクションの株式会社プランディットで、進研ゼミを中心に、小学校から高校向けの社会(地歴公民)の教材編集を担当。

プロフィール

株式会社プランディット

1988年創業のベネッセ・グループの編集プロダクションで,教材編集と著作権権利処理の代行を行う。特に教材編集では,幼児向け教材から大学入試教材までの幅広い年齢を対象とした教材・アセスメントの企画・編集を行う。

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