夏休みから始める!社会の時事問題対策
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社会の入試では、直近の出来事を取り上げた時事問題がよく出題されます。
そこで今回は夏休みから始める時事問題対策をご紹介します。
入試では時事を題材・切り口とした出題が多い
時事問題は入試直近のほぼ1年間の出来事を扱った問題が多く、入試では時事そのものの知識(用語)も問われますが、その時事を題材・切り口とした教科書の関連事項を問う出題が多いようです。
たとえば東京オリンピックの開会式で話題となった「ピクトグラム」は用語としても問われましたが、日本の歴史上の出来事をピクトグラムで表現した問題(筑波大学附属中学校、2022年度)やピクトグラムのデザインに潜む固定概念(自修館中等教育学校、2022年度)など、「ピクトグラム」を題材・切り口としつつ、教科書的な内容を問う出題がみられました。このほか時事問題には、節目を迎えた(迎える)歴史的な出来事も扱われます。
- 時事問題では最近の出来事や節目を迎えた歴史的な出来事が扱われる
- 時事そのものの知識より、それを題材・切り口とした出題が目立つ
2022年度入試で問われた時事的な内容は?
では今春の中学・高校入試(2022年度入試)で扱われた時事的な内容にはどのようなものがあったのでしょうか。
まず直近1年間の出来事として「東京オリンピック・パラリンピック」や、東京オリンピックの開会式で話題となった「ピクトグラム」、防災関連での「避難勧告と避難指示の【避難指示】への一本化(災害対策基本法の改正・施行)」、さらに昨年に引き続き「新型コロナウイルス感染症」などが扱われました。また節目を迎えた歴史的な出来事では、「東日本大震災(2011年)」、「アメリカ同時多発テロ事件(2001年)」などが扱われ、また2022年が「新橋—横浜間の鉄道開業(1872年)」からちょうど150年たつことから、鉄道をテーマとする出題もみられました。
このように今年出題された時事的な内容は、来年度の入試では扱いが少ないかもしれません。しかし防災の「【避難指示】への一本化」のように1年限りでなく継続的におさえておきたい内容や、時事は題材・切り口となることが多いことを考えると、過去問を解く際には「その年限りの出題」と見切らないほうがよいでしょう。
- 東京オリンピックで話題となったピクトグラム(筑波大学附属中学校など)
- 「避難指示」への一本化(城西川越中学校、洗足学園中学校など)
- 東日本大震災から10年(湘南学園中学校など)
- 鉄道開業から150年(渋谷教育学園渋谷中学校など)
対策は小中学生向け新聞の購読と「外出先での観察」がおすすめ
では時事問題の入試対策はどのようにすればよいのでしょうか。
毎日ニュースをチェックし、ニュースで知った内容を教科書で習った内容と関連づけて考えるというのは、小中学生にはなかなか難しいことです。
そこでおすすめしたい入試対策が、小中学生向け新聞の購読です。
小中学生向けの新聞は、一般の新聞に比べ情報量が絞り込まれ、さらにニュースに出てくる用語や関連事項を小中学生が理解できるように解説しているため、小中学生自身が教科書の内容と関連づけて理解しやすいという利点があります。
インターネットやテレビでもニュースはチェックできますが、これらのメディアは使用時に動画配信サイトやゲームなどの誘惑が多いため、注意が必要です。
また外出する機会が増える夏休みならではの対策として、外出先で立ち寄った小売店での商品説明や商品のパッケージ、駅に掲示されているポスターなどを見て学ぶ「外出先での観察」です。外出先で目に見えるものは、時事そのもの、または時事を反映したものでもあります。
たとえばスーパーなどの小売店では、店頭にリサイクルできる容器の回収ボックスを設置していたり、消費期限の近い商品の値引きをしていたりする、環境対策の事例を観察できます。また商品のパッケージから、環境に配慮した生産方法や容器であるかどうかを観察できます。このほかにも駅などの公共の場では、配慮が必要であることを示す印(マタニティマークやヘルプマークなど)に関するお知らせやお願いを観察することができます。
ふだん目にする何気ない生活風景も、よく観察することで改めて気付くことがありますが、そうした気付きをもとに学んでいく姿勢は、時事問題に限らず学習全般において大切なことです。
- 時事問題対策は小中学生向け新聞の購読
- 小売店での商品説明や、商品のパッケージの観察
- 駅などの公共の場に掲示されたポスターの観察
まとめ & 実践 TIPS
社会の時事問題はニュースになった出来事そのものだけでなく、その出来事を題材・切り口として関連する教科書の内容が問われることが多いようです。また時事問題の対策には小中学生向け新聞の購読がおすすめですが、外出の機会が増える夏休みでは「外出先での観察」も有効に活用することで豊かな学びにつながります。
株式会社プランディット 社会課 十河(そごう)
編集プロダクションの株式会社プランディットで、進研ゼミを中心に、小学校から高校向けの社会(地歴公民)の教材編集を担当。
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