担任の先生への贈り物はあり? なし? 教育の専門家が回答
お世話になった学校の先生にお礼をしたいけれど、個人的に贈り物をしてよいものかどうか……。こんな風に迷った経験のある保護者は多いのではないだろうか。長年の教師経験もある教育評論家の親野智可等氏に、アドバイスしてもらった。
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【質問】
うちの子は手がかかる子です。去年と一昨年の先生には叱られっぱなしで、親子でつらい日々でした。今年の先生は叱るどころかいっぱいほめてくれて、毎日学校に行くのが楽しそうでした。感謝の気持ちを伝えたくて贈り物をしようと思ったのですが、夫に反対されました。(小3女子の保護者)
【親野氏のアドバイス】
担任によって子どもの学校生活は大きく変わり、家庭生活にも影響が出ます。短所ではなく長所を見つけてほめてくれる先生なら、子どもはいきいきしてきます。ですから、今年の先生に感謝の気持ちを伝えたい思いもよくわかりますが、個人的に贈り物をするのはやめたほうがいいでしょう。
もし、公立学校なら、先生は利害関係のある人から物を受け取ることはできない公務員です。たとえ私立でも、保護者から個人的な贈り物をもらうことは禁止している学校が多いでしょう。5年ほど前の話ですが、ある先生は宅配便で届いた贈り物を一応受け取ったものの、もらえない理由を書いた手紙を添えて、返送したそうです。「この手紙には本当に気をつかいました」と話していました。同額程度の物をお返ししたという先生も。いずれにしても気苦労な話です。
先生に感謝の気持ちを伝えるなら、手紙が一番です。「こういうことがうれしかった」「先生にこういうことを言われてうれしかった」など、感謝していることを具体的に書くといいでしょう。子どもや保護者からの手紙は先生にとって宝物。私も手紙を読んで、先生をやっていてよかったと思ったことが何度もあります。親子で手紙を書けば、それ自体が一つの教育になります。
出典:先生に贈り物をする?[教えて!親野先生] -ベネッセ教育情報サイト