子どもの字が雑になってきた時の声かけ、どうすればいい?
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最近、子どもの字がだんだん雑になってきたのが気になるというおうちのかたに、どのような声かけを子どもにするのがよいかをお伝えしたいと思います。
(赤ペン先生 吉田)
字が雑になっている原因を考える
子どもの字には、そのときの心理状態が表れます。「赤ペン先生の問題」からも子どもの「心」を垣間見ることができます。
字が乱れ気味のときは、「今月はどうしたのかな。やる気が出なかったのかな。」「叱られて取り組んだのかな。」「早く終わらせたくて急いでやったのかな。」などと想像します。
そんな状況の中でも、取り組んで堤出できたことは、「本当にえらい!」と思うので、「暑さに負けないでがんばったね!」「難しい問題に挑戦してすごい!」などと取り組んだ姿勢をほめるようにしています。
お子さまの字が、乱雑で気になったとき、親としては、「もっと、丁寧に書きなさい!」と言いたくなるのは山々ですが、声をかける前に、ひと呼吸おいて、「なぜ、字を雑に書くのか」と考えてみてはいかがでしょうか。
「やる気がなくて、嫌々やっている」「早く勉強を終わらせて遊びたい」など理由は様々だと思いますが、いずれにしても、そういうときに、「丁寧に書きなさい!」と言っても、逆効果になることが多いものです。
字への指摘をするのではなく、「宿題をしてえらいね!」などと、取り組む姿勢を認めたり、「そんな難しい問題をやっているんだね。すごい!」「大変そうだね。」と共感的、肯定的な声かけをすると、お子さまもちょっといい気分になって、やる気がアップするかもしれません。そうすると、字にも変化が表れるのではないでしょうか。
解いた問題の見直しを改善のきっかけに
「赤ペン先生の問題」でも、わかっているのに、数字や漢字を雑に書いてしまったために、×や減点になってしまう場合もあります。残念でもったいないですね。
そこで、解いた問題の見直しを習慣づけることをお勧めします。
自分で書いた文字を読み返すことで、人に言われるのではなく、自分で気づくことができます。そのときに、おうちのかたが、「いつも言っているのに、雑に書くからだよ!」などと責めるような口出しをするのはNGです。お子さまも「雑に書いてしまった」という反省の念は少なからずあるはずなので、そこを責められると反感をもってしまう可能性があります。
「見直しをしてえらいね!」「よくできているのに惜しかったね。」と認めつつ、「ここに気をつければ次はできるね。」「次が楽しみだよ!」などと、お子さま自身が「次からは、丁寧に書こう!」と思えるような声かけをしたいですね。
「丁寧な字」は「自分は字が上手に書ける」という自信から
「赤ペン先生の問題」に「3年生になってできるようになったこと」というお便りのテーマがあります。「字が上手になった」と書いてくる子どもも少なからずいます。
きっと、おうちのかたからもきれいに書くように言われて、自分でも上手に書くことを意識している表れだと思います。
私は、字が丁寧に書けるようになる秘訣は、「自分は字が上手だ」と自信をもつことだと思います。「字が上手」というのは、字形云々ではなく、「丁寧に書ける」ということです。気持ちさえ整えば、どのお子さまも、「丁寧に書く」ことができます。そして、「丁寧に書こう」と思わせる環境作りは、「ほめること」にあると思います。
「赤ペン先生の問題」の丸つけをするときは、その子のがんばりを見逃さないようにすることを、いつも心に留めています。特に、漢字の問題では、一文字でも、一部分でも、がんばりを見つけて、ほめるようにしています。
おうちのかたも、ぜひ、お子さまのできているところをほめて、自信をもたせてあげてください。
真っさらなノートに初めて字を書くときは、誰しも、新鮮な気持ちになって、丁寧に書くと思います。それは、新しいノートへの「ときめき」があるからではないでしょうか。
そのときの気持ちと同じように、お子さまがほめられることによって、「字を書く」ことに対して、自信をもち、少しでも、ときめくような気持ちになることができれば、自ずと「丁寧に書こう」という姿勢になっていくように思います。
まとめ & 実践 TIPS
「赤ペン先生の問題」も月を追うごとに、難しくなり、特に国語は、書く文字数も増えてきます。4月当初から比べてみますと、そこに書いてある字から、一人ひとりの子供の成長を感じずにはいられません。
勉強を終えた後は、鉛筆で書いた字が手にすれて黒くなっていたり、日々の努力の証として、ペンだこもできたりします。子供は、こうやって、毎日、たくさんの字を書きながらがんばっています。
この夏休みに、おうちのかたから、ほんの2、3行でもよいので、心を込めて、お子さまに手紙を書いてみてはいかがでしょう。きっと、おうちのかたの丁寧な字から、気持ちが伝わるはずです。それが、お子さまの2学期への大いなる活力となるのではないでしょうか。
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