子どもの読書習慣が身に付く方法|読書をすれば脳も心も育つ!得られる効果もご紹介

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あなたのお子さまは、読書をしますか? 毎日何冊も図書館から本を借りてくるお子さまもいれば、まったく読まないというお子さまもいるでしょう。読書の習慣は、いったいどうしたら付けられるのでしょうか? 今回は、読書で得られるさまざまな効果と、習慣付けのコツをご紹介します。

この記事のポイント

子どものうちから読書をしておくのが大切な理由

読書をすることで「生きる力」が身に付く

なぜ読書をした方が良いのでしょうか? その理由は、読書を通してさまざまな力が育まれるからです。文部科学省のHPに掲載されている「子どもの読書活動推進の取組~子どもの読書活動の推進について~」にも、このように書かれています。

読書活動は、子どもが、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものです。

※文部科学省HPより一部引用

子どもたちは読書を通して、いろんなことを頭の中で体験したり、新しい知識を身に付けたり、興味を広げたりしています。そこで身に付くのは、「勉強」という枠にとらわれない、生きていくための力です。子どものうちから読書をすることで、人生をより豊かに生きていくことができるようになります。

自ら「読みたい」と思えるような大人の働きかけが必要

本は、ただ読むだけでは意味がありません。考えたりイメージしたりしながら、頭と心を動かす必要があります。そのためには、子どもが自ら進んで「読みたい」「楽しい」と思えることが重要です。

平成13年に「子どもの読書活動の推進に関する法律」が施行されたことで、子どもたちの読書量は増えてきました。ただその中でも、高校生になると読書量は一気に減少。一冊も本を読まない「不読率」も50%を超えています。これは、小・中学校が先生や保護者のかたの働きかけで本に触れる機会が多いのに対し、高校生になると自主性に任せられるようになることも原因でしょう。

つまり、高校生や大人になっても自主的に読書をするためには、読書に対するイメージを良いものにする必要があるということです。「読まされるもの」「苦痛なもの」というイメージが植え付けられてしまえば、読書を好きになるのは難しいでしょう。小さい頃から周りの大人が正しく働きかけることで、本当の意味で読書ができる子どもになっていくのです。

学力アップだけじゃない!読書で得られる7つの効果

読書を通して得られる力は、学力に関することだけではありません。どんな効果があるのか、具体的に見ていきましょう。

語彙力や読解力が身に付く

読書をすると、さまざまな言葉に触れられます。知らない言葉、初めて見る漢字、面白い表現方法……。そういった言葉に触れることで、語彙力アップが期待できます。言葉の意味を考えたり、登場人物の気持ちを前後の文章から想像したりすることで、読解力も身に付くでしょう。学力アップにもつながります。

集中力が養われる

読書は自発的に行うものです。受動的にぼーっと見ることができるテレビと違い、「読もう」と思わなければ先に進めません。内容を理解して読むためには、集中力が必要になります。そして、読書を通して養われた集中力は、授業やスポーツといった他の場面でも発揮できるはずです。

知識が増える

本にはたくさんの学びがあります。歴史や偉人について知ったり、生き物や植物について調べたり、海外のことに興味を持ったり……。学校の授業や生活において役立つ知識を得られるだけでなく、新しいことに興味・関心を持つきっかけにもなります。将来やりたいことも見つかるかもしれません。

想像力が豊かになる

本を読むときは、文章から風景や登場人物の気持ちを想像しなければなりません。絵本やマンガも同じ。絵と絵の間の映像や登場人物の声、音などはイメージする必要があります。読書は頭の中でさまざまなことを思い描くため、自然と想像力が豊かになるのです。

人の気持ちがわかりコミュニケーション力が高まる

想像力が豊かになると、日常生活でも相手の気持ちを想像したり理解したりできるようになります。場の空気を読んだり、次に起きることを想定したりする力も育つでしょう。行動や言葉のバリエーションも増えるため、コミュニケーションスキルもアップします。

自己肯定感が高くなる

ノンフィクションからファンタジーまで、物語の種類も登場人物もさまざまな本。自分と違った価値観や考えに触れられるため、柔軟な心を持てるようになります。「みんな違ってみんな素晴らしい」という気持ちを持てれば、友達のことも受け入れられるようになるでしょう。同時に自分自身の存在も認められるようになり、自己肯定感が高まります。

気持ちが安定する

真剣に読書をしていると、時間を忘れるほど夢中になれます。何かに没頭することは心の栄養になり、さまざまなことに対する意欲を育んでくれるでしょう。また、読書量が多いと心が落ち着く傾向があるそうです。気持ちが不安定なときこそ読書をしてみると良いのかもしれませんね。

子どもの読書習慣が身に付く方法6選

さまざまなメリットがある読書。次は、どうしたら習慣付くのかを見ていきましょう。大切なのは、無理強いしないことです。

家の中に本を置く

本が身近にあれば、それだけ読書をする可能性は高くなります。リビングや寝室、廊下など、家のさまざまな場所に本を置いて、いつでも手に取れるようにしてみましょう。絵本、小説、図鑑、辞書など、幅広いジャンルの本があると良いですね。本棚は子どもの手が届く高さにし、自由に読めるようにしておくのがポイント。もちろん、図書館や本屋さんに定期的に足を運ぶのもおすすめです。

スキマ時間を作る

読書には時間が必要です。予定を詰め込むのではなく、読書ができるように余暇の時間を作ってあげてください。忙しい家庭なら、意識的に時間を作ってあげることも大事です。たとえば、習い事に少し早く到着して車で本を読むといった方法があります。「読書はしたいのに時間がない」とならないように、まずは時間の余裕を作れると良いですね。

親も読書をする

保護者のかたは読書をしていますか? もししていないのであれば、いくら「読書をしなさい」と子どもに言っても響きませんよね。まずは、大人がお手本になって読書をする習慣を付けてみましょう。読書のメリットを保護者のかた自身が体感した方が、子どもにも伝わりやすいはずです。お子さまが学校から借りてきた本を一緒に読んで、感想を共有するのも良いでしょう。

マンガや絵本もOK

読書は、小説など活字ばかりの本でなくてもOKです。マンガや絵本、図鑑なども立派な本。特にマンガは禁止している家庭も多いかもしれませんが、これも読書の1つと考えて大丈夫です。活字を読み、想像力を膨らませるという効果は十分得られます。ここを入口にして、興味や関心が広がることもあるでしょう。保護者のかたも、お子さまがどんなジャンルのマンガを読んでいるか知っておくと良いですね。

スマホやタブレットも活用する

スマホやタブレットの普及が読書離れの原因ともいわれていますが、あえてそれを活用する方法もあります。スマホのアプリには絵本や小説を読めるものがあり、スキマ時間で読めるためとっても手軽です。現代の子どもたちにとっては、こちらの方が読みやすいかもしれません。視力などへの影響に気を付けながら、新しい読書の形として取り入れてみてください。

読み聞かせを続ける

幼児期に行う読み聞かせは、小・中学校になっても続けて良いものです。読み聞かせなら、読書をしないお子さまでも本に触れることができます。絵本でなくてもOK。短編小説や昔話などを保護者のかたが読み、それを聞いてもらうだけでも読み聞かせになります。長い話の場合は、日をまたいで読んであげても良いでしょう。

「読ませる」ではなく自然と読める環境づくりを

読書を習慣付けるときに忘れてはいけないことがあります。それは「親が子どもの読書をコントロールしない」ということ。保護者のかたができるのは、子どもが自発的に「読みたい」と思えるような環境を作ってあげることです。

無理やり本を渡したり、「読書しなさい」と強要したりすると、子どもは読書が嫌いになってしまうかもしれません。それでは意味がありませんよね。ですから、本に触れられる環境を作ったら、後は見守ってあげてください。好きな本のジャンルが偏っていても、読書をしていればそれでOKです。

もちろん、どんな環境下でも読書をしない子どもはいます。他に好きなことがあれば、それは仕方のないことです。そういうお子さまに対しては、せめて読書が嫌いにならないような配慮をしてあげましょう。自発的に読書をしなくても、読み聞かせをしたり保護者のかたが隣で読書をしたりするだけで、本に触れることはできます。読書を好きにさせなくても大丈夫。自然に無理なく本に触れられる機会を作ってあげてください。

まとめ & 実践 TIPS

学力向上だけでなく、心にも良いことがある読書。小さい頃から自然に本に触れることで、読書を習慣付けていきたいですね。そのためには、保護者のかた自身が本に興味を持つことが大切です。大人にも同じようなメリットがありますから、この機会に親子で読書を楽しんでみてください。

参照

文部科学省:子どもの読書活動推進の取組~子どもの読書活動の推進について~
https://www.mext.go.jp/a_menu/sports/dokusyo/suisin/index.htm

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